ホーム » エッセイ » 【 世界の趨勢は『反原発』- 福島が流れを変えた〈前編〉 】
[ 新しい世論調査、フランスの『原発に反対』は日本を上回る67%、中国も『反対』58% ]
ドイチェ・べレ(ドイツ 国際放送) 2011年9月9日
福島の災害から半年世界的な調査によれば、特にアジアでは、原子力エネルギーへの拒否感情が高まっています。
ドイツでは現在までに原子力技術を放棄することを表明した唯一の国です。
日本の原子力大惨事から数か月、フランスの市場調査会社Ipsos(本社パリ)は24カ国で、市民に原子力エネルギーに関する意識調査を行いました。
インド、米国とポーランドの3か国を除くすべての国で、もはや『より安全な』クリーンエネルギーに頼るべき時期が来ている、という大勢意見があることが明らかとなりました。
原子力エネルギーへの反対を表明した人の中で55%の人が、原子力発電に反対した理由として、日本における福島第一原発の大惨事を挙げました。
最も顕著な変化は韓国、日本、中国を含むアジアで見られ、この数か月で原子力発電に反対の立場をとる人々の数が倍増しています。
これらの国に共通するのは、原子力発電所の増設計画を持っている、ということです。
2011年の初め、日本の55原子炉は総電力需要の29%をカバーしていました。
東京電力は、そのネットワークに新たに14基 の原子炉を追加することを計画していました。
韓国では、21基の原子炉が電力需要の35%を供給、パイプライン内には別に11基の原子炉があります。
原子力発電からのエネルギー生産がまだ2%の中国とインドは、それぞれ77基、23基の新しい原子炉の導入を計画していました。
▽ 予備を確保する
数か月前まで、エネルギーを使う人々に最大限の便宜を与えるために、多くの国が原子力発電に関する大規模な建設計画を持っていました。
しかし、福島を大地震と巨大津波が襲った後、状況は一変しました。
もっとも大きな変化は韓国で起きました。3月11日の大破壊の後、原子力エネルギーへの反対は3倍に増えました。
アジアの政治家たちはこうした深刻な事故が起きる可能性に対し、安全性は確保されていない、という事実を突然目の前に突きつけられ、動揺することとなりました。
彼らの国の原子炉の安全基準は、日本のそれよりも低い水準のものだったのです。
中国はいくつかの原子力発電所建設を一時的に中止する対応をとりました。しかし、これらはいつでも送電網に接続できるようになっています。
▽ エネルギー不足を恐れる米国
米国は、原子力発電の世界最大の生産国であり、エネルギー需要の20%を原子力により供給しています。
しかし、1980年代以降アメリカでは原子炉は新設されていません。
アメリカは1979年にハリスバーグ近くのスリーマイル島で起きた、原子炉が数週間制御不能に陥った事故を辛くも乗り切りました
。原子炉がメルトダウンを起こしましたが、水素爆発には至りませんでした。
福島の事故があったにもかかわらず、米国では4つの新たな原子力発電所を建設する計画があります。
9月9日付の日刊紙、USAトゥディに掲載された調査結果によれば、アメリカで人の53%が原子力から撤退すれば、同国内のエネルギー供給が危うくなるだろうと信じています。
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今日から2回にわけ『福島後』の世界が、原子力発電をどう考えているのかを伝えたドイチェ・ベレ(ドイツ国際放送)の記事をご紹介します。
今年、2011年について、アメリカのニュースは『災害の年』という言い方をしています。
日本も3.11に続いて、夏から秋の台風の被害を見れば、『災害の年』という実感がわいてきます。
いちばん気になる情報は、環太平洋火山帯(かんたいへいようかざんたい)が活動期にはいっている、というものでしょう。
今回の東日本大震災で発生した巨大津波は、貞観の大津波(西暦869年)以来と言われますが、その5年前の864年には富士山の「貞観の大噴火」があり、また大地震の同年、鳥海山(山形・秋田)の噴火の記録があり、さらに西日本では868年に播磨地震(兵庫・山崎断層)、887年8月22日(8月26日)に仁和地震(南海地震、M 8.0~8.5。東海・東南海との連動説も有り)が起きています。
つまり貞観の大津波前後には、巨大地震と大規模噴火が頻発していた、ということになるでしょう。
このような記録から類推可能なのは、『日本における原子力発電所』のリスクが今まで以上に高くなる可能性がある、ということではないでしょうか。
こうした国土にとって、どう考えても原子力発電所の存在はリスクが高過ぎる、これが『福島後』の日本人の多数が持つ『常識的感想』でしょう。
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