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【 世界の趨勢は『反原発』- 福島が流れを変えた〈後編〉 】

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所要時間 約 7分

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「いまや原子力発電は極めて高額の費用を必要とする事業です」

ドイチェ・べレ(ドイツ 国際放送) 2011年9月9日

▽ ドイツが流れを変える?

ヨーロッパ大陸の原子力の歴史において、チェルノブイリは運命的な瞬間でした。

1986年4月26日、ウクライナの原子力発電所で発生した爆発と火災は、大気中に膨大な量の汚染物質を流出しました。
西欧各国政府の対応は、原子炉を一時停止し、新しい原子炉建設を停止することでした。しかし、- フランスとドイツだけは従来の方針を変更しませんでした。しかしこのことが、ドイツの反核運動のための道を開くことになりました。
増え続けるエネルギー需要、そして二酸化炭素を排出しない発電方法への転換の流れに照らして、ヨーロッパ大陸の原子力ロビーは、今後数年間で原子力発電の復権が果たされるものと期待していました。

しかし、福島はその夢を打ち砕いてしまったようです。
災害から数週間で、EU内で第2位の原子力発電事国であったドイツは、国内の原子力発電所永久に閉鎖する決定をくだしました。
国の原子炉の3分の1はすぐに廃棄処分となり、他の施設は2022年までに廃棄処分される予定です。
ベルリンの決定は、欧州の近隣諸国では、熱い歓迎と恐慌の両方の反応を引き起こしました。
EU市民の大多数が原子力発電を拒否していますが、今後どうするかの決定権は、不幸なことに原子力産業と主要なエネルギー企業にゆだねられています。
そしてまた、各国の二酸化炭素排出量削減目標に対し、深刻な影響を与える可能性があります。

国別 : 総発電力量に締める原子力発電の割合

▽ 揺れるフランスの国民感情

電力需要の75%を原子力発電で賄うフランス、そして大規模な発電設備の輸出を行っているこの国は、とりわけ福島の原子力大惨事とドイツの突然の原子力発電廃棄の両方から、不利な影響を被ることになります。

今まで長い間、フランス国民が自国の原子力技術の優位性に対して持っていた信頼が、揺らぎ始めています。
こうした風潮が広がりつつあっても、フランスの原子力安全保安機構は、自国だけ原子力事故を免れる方法など存在しないことを認めています。

フランス市民の3分の2以上、さらにはフランス社会党党首マルティーヌ・オーブリーは、今や原子力発電からの撤退を求める国の緑の党に参加しています。
一方、保守党のサルコジ大統領は、世論の圧力にもかかわらず、原子力発電から撤退する態度を見せてはいません。

▽ ロシアは大規模取引をめざす

ロシアの状況も似たようなものです。
メドベージェフ大統領とプーチン首相は、すべての既存および計画中の原子力発電所の徹底的 なチェックを命じましたが、彼らはロシアの経済にプラスの効果を持つことを期待しており、原子力産業を放棄しようとはしていません。
国家原子力企業ロスアトムも、国際的な取引量を拡大しながら、ロシアの原子力プロジェクトを推進することを目指しています。
モスクワのエネルギー安全保障研究センター所長アントン・クロプコフによると、ロシアの原 子力産業は、2030年までに1,000億 ドル(69億ユーロ)にのぼる電力輸出契約を期待しており、この利益を失うことは 望んでいません。
しかしIPSOによる調査結果によれば、ロシアの人々はこうした数字にも魅力は感じていません。
約62%の人々がチェルノブイリの事故を踏まえ、原子力発電に反対しています。

▽ 新しい原子力発電所は、不採算

もし仮に原子炉が100%安全であっても、専門家は長い間に原子力発電がもたらす経済的な危険性を警告しています。
欧州議会の議員で、ドイツ緑の党のレベッカ・ハームスは、現在、新しい原子力発電所の建設費用は約70億ユーロ(約8,000億円)に達する、と話します。
この金額に加え、施設の解体費用に10億ユーロ、使用済み核燃料の最終処分に6億ユーロの金額を必要とします。

いまや原子力発電は極めて高額の費用を必要とする事業です。

これと比較すると、風力発電と太陽光発電の費用は安価です。
Ipsosの調査が正確であれば、世界24カ国の国民の90%はこの方法を望んでいるのです。

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ある方がツィートされていましたが、日本ではフランスやロシア、中国では国論が原子力発電容認、であるかのように伝えられていました。
またまた、ウソ、ウソでした。
フランスやロシア、ではなくてサルコジやプーチンだったのです。
どこまで.....

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動画【地下から現れる省エネルギー】
〈 地味ですがしっかり発電 : 組み合わせれば 〉

ピーター・ガーデット / AOLエナジー

エネルギー事業への投資家と事業者は、しばしばきらびやかな技術に注目しがちです。
発電分野における見た目にもかっこいい太陽光発電や風力、そして顧客レベルでの使用状況をモニタリングできる次世代スマートメーターに至るまで。

地熱は往々にして『忘れられた再生可能エネルギー』になりがちです。
一部の国と地域が大規模な地熱発電の熱源を利用する事ができます。
しかし実はアメリカ合衆国の全域でも、地熱の利用によって温度を一定に保ち、そうする事でエアコンや暖房の使用を徹底して節約し、エネルギー使用の大幅な効率化を促進することができるのです。
米国エネルギー省制作によるこの『エネルギー101』シリーズの中の1本のビデオは、シリーズの他のビデオのように、地熱エネルギーが専門分野ではないエネルギー技術者に説明するためのものです。

地熱パイプの初期建設コストと手間は一見するとひるむものがありますが、このビデオでは地熱発電を売り込むかわり、エネルギー節約効果が建設費を相殺するのにどれだけ時間がかかるか、その記録データを公開する事により、地熱発電施設のより広範な建設を促進することとなっています。

すでに、一部の企業はデータセンターで熱い空気を冷却するために地下空洞を使用しています。逼迫する供給と絶え間ない需要増加のためエネルギー価格がする事により、エネルギー集約型では無い構造を持つ分野にまで、地熱の使用が広っていく事が可能となりました。

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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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