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【 プルトニウムを吸い込んでしまった日本の原子力発電従業員 】

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所要時間 約 7分

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プルトニウム燃料の研究施設、大洗原子力技術研究所で深刻な内部被ばく事故が発生

反原発感情に加え、嫌原発感情を拡大させる、日本の原子力施設のずさんな管理運営

 

AP通信 / ガーディアン  2017年6月8日

 

東京都の北部にある原子力研究施設で、設備点検に失敗し従業員が深刻な放射性物質による内部被ばくをしてしまい、改めて原子力関連施設における安全確保への懸念が大きくなっています。

 

日本の原子力関連施設の5人の労働者が設備点検の最中、プルトニウムが入った袋が破裂したことが原因とみられる高濃度の放射線による内部被ばくをしました。

 

日本原子力研究開発機構(JAEA)は7日、5人の男性職員のうちの3人の鼻孔から放射性物質が検出され、彼らが放射性物質ダストを吸入した可能性があると公表しました。

5人とも放射線防護装備を身に着けていましたが、これらを取り外しシャワーで体を洗い流した後も尚、その手足から放射性物質が検出されました。

日本原子力研究開発機構のスポークスマンである谷本正孝氏は、5人のうちの1人の男性の肺からは高濃度の放射線量が計測されたと語りました。

50代の男性職員が実験で使ったプルトニウムやウランを含む放射性物質の粉末300グラムが入った袋の取り扱い中、袋が破裂したと語っています。

 

今回の事件は日本原子力研究開発機構のプルトニウム核燃料研究施設である大洗研究開発センターで、6日午前に発生しました。

同センターは東京の北にあたる茨城県にあります。

 

日本原子力研究開発機構側は事故の原因について現在調査中であるとしています。

今回の事件は原子力施設に関する安全上の懸念とともに、従業員が十分に保護されていたかどうかについての疑問を引き起こすことになりました。

 

内部被ばくについてはガン発症の危険性が高くなるという点に最も大きな懸念があります。

22,000ベクレルという男性の被ばく量はすぐに肺などに致命的影響が出る危険性はありませんが、時間の経過とともにガンを発症する危険性が高まるため、男性は現在放射線医学総合研究所で処置を受けています。

同研究所の明石誠医師はこの男性について、定期的に検査を続ける必要があると語っています。

 

日本の原子力規制委員会の田中俊一委員長は、事故原因の可能性のある漫然とした仕事の繰り返しによる安全意識の欠如を批判しました。

同委員会は安全基準の順守に問題がなかったかどうか調査を開始しました。

 

日本原子力研究開発機構(JAEA)には、もう一つの原子力施設でずさんな管理を続けていた記録が残されています。

同機構が運営していたプルトニウムを燃焼させる高速増殖炉もんじゅです。

もんじゅは1995年に大きな事故を起こして以来、ほとんど稼働実績がありません。

日本政府は最近になってやっともんじゅの廃炉を決定しました。

 

日本は核燃料サイクル計画で再利用する核燃料として大量のプルトニウムを備蓄していることについて、国際社会から批判を受け、懸念を持たれてきました。

核燃料サイクル計画に批判的な人々はプルトニウムは核兵器への転用が可能であり、これ以上の抽出を止めるべきだと語っています。

 

プルトニウムの備蓄量を減らすために、日本はプルトニウムとウランを混合したMOX燃料を従来型の原子炉で使用し、プルトニウムを燃やす予定にしています。

しかし2011年巨大地震と津波が引き金となって発生した福島第一原子力発電所の事故以降、現在日本国内ではほとんどの原子炉が停止中であり、顕在化し持続する国民の反原発感情の中で、既存の原子炉の再稼働はゆっくりとしか進んでいません。

 

https://www.theguardian.com/world/2017/jun/08/japan-nuclear-workers-inhale-plutonium-after-bag-breaks

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【 安倍政権の下、新たな原子力発電所の建設の検討を開始 】

新しい原子力発電所の建設に着手するか、既存の原子炉の新型との交換を検討

 

ロイター  2017年6月9日

 

日本の経済産業省は政府のエネルギー基本計画の見直しを行い、新しい原子力発電所の建設に着手するか既存の原子炉を新型のものと交換することを検討するための委員会を立ち上げる計画を持っていると、9日金曜日に日本経済新聞が伝えました。

同紙は情報源について明らかにはしませんでしたが、経済産業省が今月6月の早い段階に委員会を立ち上げ、原子力発電の将来についての議論を始めると伝えました。

報道によれば、経済産業省は2018年3月までに内閣による承認を得て新しいエネルギー基本計画を始動させることになっています。

 

日本政府は長期的には原子力発電への依存を減らす計画を持っていますが、報道によれば安定した電力供給源の確保、原子力技術の維持、そして原子力分野の人材の確保育成のため、一定規模の原子力発電の継続を図る意向を持っています。

しかしこの方針については2011年の福島第一原子力発電所の事故以降、一般市民の反原発感情は根強くかつ広範なものであり、そのハードルは高いものになるでしょう。

2015年に経済産業省が策定した現在のエネルギー基本計画は、2030年の日本の電力供給源の20%を原子力発電によって賄うとし、国内外から広範な批判を浴びました。

 

http://uk.reuters.com/article/uk-japan-nuclear-idUKKBN18Z2ZM

 

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