ホーム » エッセイ » 【 フクシマ : 強い比放射能を放つ粒子状物質、ホット・パーティクルがもたらす脅威 】〈1〉
福島第一原発が放出した、単位質量あたりの放射能が非常に強い物質が人々を脅かす
戸外より屋内の方が高くなっってしまったホット・パーティクルの危険性
あなたの被ばく線量が『平均値以内』に留まっているかどうか、実際に測定してみなければ解らない
フェアウィンズ・エネルギー・エデュケイション 4月3日
3年前フェアウィンズは、東日本の広い範囲、そして北アメリカの西海岸地域で確認されたホット・パーティクル(比放射能の大きな粒子状物質)の問題を取り上げた最初の組織のひとつでした。
ホット・パーティクルは危険な物質ですが、その存在を確認するのは容易ではありません。
今回ご紹介するビデオの中で、カルトーフェン氏は福島第一原発から約500キロ離れた場所で、彼がこれまでに見つけた最も強い放射能を発するホット・パーティクルについて検証を行っています。
フェアウィンズがもし日本国籍の組織であれば、特定秘密保護法によりこのビデオの公開は禁じられるかもしれません。
アーニー・ガンダーセンが概略をご紹介した後で、内容について要約をした説明を行っていきます。
こんにちは、フェアウィンズのアーニー・ガンダーセンです。
今回はフェアウィンズ・エネルギー・エデュケイションがこれまでご紹介した中で最も重要である、プロの原子力(核)技術者であるマルコ・カルトーフェンとともに制作したビデオを改めてご紹介いたします。
本編をご覧いただいた後で、あらためて私の方からもう一度解説をさせていただくことにします。
私の名はマルコ・カルトーフェン、土木技師でありワーチェスター工芸研究所の博士論文提出資格者です。
私が行っている研究の主要なテーマは、放射能汚染物質、および化学汚染物質が一般家庭に粉塵として入り込む状況を解明することです。
この研究は放射能汚染が疑われる際、一般市民がどのような形で放射線を被ばくしてしまうのか、その状況(あるいはメカニズム)を明らかにする上で重要な部分になります。
家屋の中を検証してみると、周辺環境よりも汚染が深刻化している傾向が見られます。
家屋は環境中の汚染物質を集め、保管する場所と化す傾向があるのです。
お考えいただきたいのは一日24時間のうち、一般的に人々が実際に戸外で過ごす時間と、家屋内で過ごす時間、そのどちらが長いかという点についてです。
この点を考えれば、実は戸外における被ばくはその滞在時間に応じた少ないものである可能性が高いのです。
ソーシャルメディアの優れた点は、私たちのような研究分野の人間が数多くの人々と接することが出来る機会を提供してくれること、そしてボランティアを希望する人々によって自発的な科学的組織を作り上げることが出来るという事です。
その結果、私たちは多くの人々の家庭の使用済みの掃除機の紙パック、空気清浄機の使用済みフィルター、その他各家庭に取り付けられているエアコンや換気扇などのフィルターの類を研究材料として送ってもらうことが出来ました。
そして私たちはこうしたサンプルのすべてがまっすぐ私たちの手元に届くよう、独自のシステムを作り上げることにより、一軒一軒の人々の被ばく状況を検証・比較することが可能になったのです。
私たちは北日本から送られてきたサンプルを実地に検証しました。
東京から送られてきたサンプルも実地に検証しました。
そしてアメリカ合衆国国内、そしてカナダで採取されたサンプルも検証し、人々が実際にどの程度の被ばくをしてしまったのか、全体の概略を把握しようと務めたのです。
そしてその結果私たちは、ホット・パーティクルの存在に嫌でも注目せざるを得なくなったのです。
改めて放射線被ばくについて考えてみましょう。
法律的な観点からこの問題を見た場合、まず大切なのは人々の被ばく線量の平均値を出すことです。
そしてその次にどの程度の被ばくなら安全なのか、その数値を決定しなければなりません。
安全だと考える数値を超えて被ばくをしてしまった場合には、あなた自身で何らかの対策を取る必要に迫られることになります。
何らかの形で基準値なるものが設けられていても、あるいは除染などの作業が行われていても、あなた自身が行動する必要があるのです。
私たち研究者と行政などの仕事の違いは何でしょうか?
たとえ全人口の平均被ばく線量がすでに公表済みであっても、ひとり一人のひばく状況の違いを明らかにしていくのが私たち研究者の役割です。
そして一人一人の被ばく状況の違いは、福島第一原発事故の爆発により環境中に放出されたホット・パーティクル、すなわち強い放射能を帯びた塵状物質が何らかの経路をたどり、いったいどれだけの量がその人の家屋に入り込んでしまっているかに左右されることになるのです。
〈 第2回につづく 〉
http://fairewinds.org/hottest-particle/
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こちらも内容としては[フェアウィンズ]が昨年7月に紹介したものを、翻訳し掲載した事があります。( 【 放射線科学の世界的権威が明らかにする・日本の黒い塵、その正体 】 http://kobajun.biz/?p=13069 )
ただし、前回ご紹介した際は、ガンダーセン氏とカルトフェン氏の対談方式であり、動画はありませんでした。
そして今回はホット・パーティクルについてさらに踏み込んだ内容になっています。
今回は全4回に分けて掲載する予定です。