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【 フクシマ : 強い比放射能を放つ粒子状物質、ホット・パーティクルがもたらす脅威 】〈3〉

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所要時間 約 7分

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事故の原子炉で何が起きていたのか、ホット・パーティクルにはその事実が記録されている
ホット・パーティクルが人体に及ぼす影響とは?そしてその影響の大きさは?
これまで確認されたホット・パーティクルに含まれる放射性物質、その中身は?

フェアウィンズ・エネルギー・エデュケイション 4月3日

全てのホット・パーティクルが同じような性質を持っているわけではありません。
中にはそれほど強い放射能を持たないものもあり、その放射線量は周辺の環境よりやや高めという程度です。
そのため、存在を把握するのが難しいという一面があります。

しかしほとんどのホット・パーティクルは周辺の環境より強い放射能を持つ傾向があり、周辺の空間線量の10倍の放射能を持つものもあります。

地震におけるマグニチュード5という値が、マグニチュード3の100倍強力であるという事を思い出してください。
私たちがその存在を確認しようと取り組んでいるのは、周辺の放射線量よりわずかに高い性質のものではなく、きわめて高い放射能を有するホット・パーティクルなのです。

そして私たちは実際に高い放射能を放つホット・パーティクルを手にしました。
かなり小さいものですが、電子顕微鏡を使ってその由来を詳しく調査することが可能であり、数多くの情報を取り出すことが出来ます。
どの程度の大きさであり、どのような形をしているかを実際に確認することが出来ます。

そしてこのホット・パーティクルがなぜ、どのように作りだされたのかを私たちに教えてくれているのです。
ホット・パーティクルには事故の内容が、克明に書き込まれているのです。

3号機
そして分析の結果、ホット・パーティクルの大きさと組成が解明されれば、あなたがもし万が一これを吸入あるいは飲みこんでしまった場合に、どのような危険が発生するのかを正確に予測することが可能になるのです。

あなたはこう言うかもしれません、そうした可能性については平均すればこうなるという予測はできても、特定の個人に何が起こるかを予測することはできないはずだと。
しかしそれはホット・パーティクルとは異なる、放射性物質の問題等においてはその通りです。

しかしことホット・パーティクルについては、以下のように指摘することが出来ます。
すなわちホット・パーティクルが入り込んでしまった家庭にあっは、家族の誰かがそれを体内に取り込んでしまった場合、肺がん、咽頭がん、あるいは上皮層ガンを発症する危険性が7%から70%の割合で高くなってしまう可能性を指摘できます。

実際にホット・パーティクルの写真を見ることが出来れば、具体的にどのような問題が発生する可能性があるか考えることができます。
この分析には時間がかかりますが、人体にとってどのような危険性があるのか多くの情報を与えてくれます。
そして、どの地域がどの時点で最も健康被害をもたらす危険性が高くなるかを判断するための格好の材料を提供してくれることになります。

廃棄物
私たちが手にしたサンプルは、日本の名古屋から送られて来ました。名古屋は福島第一原子力発電所から約460キロメートル離れています。
この場所で採取されたのは直径10ミクロンのホット・パーティクルでした
このホット・パーティクルは実際に人間が吸入してしまうほどの大きさであり、人体に入ってしまえば肺の中に留まり続けることになるでしょう。
この点は非常に重要です。
もしあなたが保健物理学者であればすでにお気づきになっていると思いますが、この物質が肺の中に入ってしまった人の被ばく線量について計算をする場合、含まれている放射性物質の種類から、そして肺の中に入った塵状の物質が容易には体外に排出されることが無いことから、ホット・パーティクルによる体内被ばくが一生続くと考えなければならないのです。

アスベスト粒子を吸入してしまった労働者が塵肺にかかり、最終的に死に至るという事実は、とりもなおさず一度肺の中に入ったアスベストが排出されることが無いという事実を証明しています。
そして同じように微細な粒子であるホット・パーティクルもまた、肺の中に取り込まれればきわめて似た性質を持ちます。

私たちが検証したホット・パーティクルは原子炉内の核分裂、そして核燃料がそのまま崩壊したことによって生まれた物質の混合物であることが解っています。
私たちはテリリウムやラジウム226などの存在を確認しました。

101603
そしてセシウム134、同137、そしてコバルト60など、CNNのニュースには決して登場することのない様々な種類の放射性物質が含まれていました。
その種類と性質は物理学者でなければ理解することは困難な程です。
ですからこの問題はとりあえずおいておきます。

ホット・パーティクルの重量のうち、80%を占めていたのは原子炉の炉心にしか存在しないはずのものだったのです。
原子炉の炉心から何らかの経路をたどって密閉容器の外に漏れ出し、そして驚くべき長い距離を経てその場所に到達したことを物語っています。
ホット・パーティクルはきわめて微細な質量しか持たないことによって、何がガス状のものと結合し、吹き付ける風によって長い長い距離を渡って来たものと考えられるのです。

ホット・パーティクルが福島第一原発の原子炉内で作られたものである以上、福島第一原発から離れれば離れる程ホット・パーティクルの存在確率は減少して行きます。
私たちのもとには日本から数多くの検体が送れてきましたが、名古屋で発見されたホット・パーティクルは福島第一原発から最も遠く離れた場所のものであり、しかも放射線量が最も高いものであったのです。

〈 第4回につづく 〉

http://fairewinds.org/hottest-particle/

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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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