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【 Vs.トランプ!『アメリカ・ファースト』が作り出す世界の混乱 】

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所要時間 約 7分

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ドイツ政府が公表したトランプと対決するメルケル首相の写真、世界中で反響

オバマ大統領の外交政策を非難し、同盟各国を泥棒呼ばわりしたトランプのG7政策

 

マーティン・ペンゲリー / ガーディアン 2018年6月10日

ドナルド・トランプの貿易顧問であるピーター・ナバロは、大統領は「世界のリーダー誰とでも話し合いに応じる」姿勢を持っていると6月10日に強調しました。
しかしトランプが一連の外交的混乱の場を抜け出し、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記との首脳会談に臨むべく一人カナダからシンガポールに向かった1日後、トランプの独断的姿勢に対しG7サミットに参加した首脳たちの姿勢が明らかにされました。

 

写真はドイツ政府のカメラマン、ジェスコ・デンゼル(Jesco Denzel)が撮影し、アンゲラ・メルケル首相のスポークスマンであるステファン・シーベルト(Steffen Seibert)が発表しました。

 

腕を組んで座ったままのトランプは爛々たる目つきでメルケル首相を見返し、その周りには各国の首脳とその顧問団のメンバーが立ち並んでいる様子が写っています。

写真中央のメルケル首相はテーブルを押さえつけるようにして両腕を突き、その左には困り果てたような表情を浮かべる日本の安倍首相の姿が写っています。

メルケル首相の右には同じくテーブルに手をついたフランスの大統領エマニュエル・マクロンの姿が見えます。
さらにその右には英国のテレサ・メイ首相が手前の人物の陰になって映っています。

この写真は会議の行方を見守る人々に対し、笑顔や握手する姿ばかりが写し出されたお決まりの外交交渉の写真とは異なる珍しい光景を見せることになりました。

 

そしてトランプの「アメリカ・ファースト」外交政策が各国にどのように受け止められているか、そしてカナダでのG7サミットの2日間がいかに厳しい雰囲気の下で行われたかを端的に伝えるものとなりました。

 

6月8日にワシントンを出発したトランプは、クリミア併合を機にG8サミットを除名されたロシアに対し再度加盟するよう呼びかけました。
ロシア除名から4年が過ぎています。


6月9日にラ・マルビーで行われた午後の記者会見で、トランプはウクライナ侵攻を理由にロシアに制裁をおこなった前任者のオバマ大統領を非難し、ロシアを除名したG8各国は泥棒であり米国は奪った金を貯め込む「豚の貯金箱」だったと揶揄しました。

 

メルケル政権が公表した写真にはトランプの脇に国家安全保障アドバイザーであるジョン・ボルトンが立っている姿が写っています。
タカ派で知られるかつての国連大使ジョン・ボルトンは、トランプがCG7サミットから自分だけ離脱してシンガポールに出発した後、この写真を使ったツイートをしています。
「毎度毎度G7の首脳たちはアメリカがいつも味方をしてくれると期待している。しかし大統領は今日、はっきりとさせたのだ。『もうそんなことはない。』と…」

 

この発言はジャスティン・トルドー・カナダ首相に対するトランプの個人攻撃の下地をなすものであると同度に、トランプの保護主義的政策によって生じている緊張関係を解消しようと合意を図ったG7サミットの共同宣言への署名を拒否するための事前説明のようなものでした。

この写真はトランプの経済政策を主導する経済顧問たちがトルドー首相に激しい攻撃を加えた後に公開されましたが、各国首脳のそれぞれの仕草にどのような意思が隠されているのかを指摘する漫画やアニメを使った解説が世界中の紙面誌面をにぎわせることになりました。

しかし撮影された写真の1枚1枚がそれぞれに事実を伝えています。

 

同じ場での会合で首脳たちが寛いだ雰囲気の中で意見を交わす姿が写った写真では、微笑むメルケル首相とトランプ大統領が微笑みながらトルドー首相に目で合図をする様子を見ることができます。
ホワイトハウスも自身の写真を発表し、椅子に座ったトランプの話にメルケル、安倍、トルドーの各首相が耳を傾ける姿が写っています。

 

興味深いのはドイツのジャーナリストが報道関係者に公開した、同じ瞬間の6枚の対照的な写真を合成したものです。
しかし最終的にメルケルとトランプが和解することは不可能だとの観測には少なからぬ真実があるようです。

2人が対立するのは今回が始めではありません。

メルケル首相は、トランプ大統領が保護主義的貿易政策を推進し、イランとの核兵器交渉を拒否し、地球温暖化を防ぐためのパリ協定から一方的に脱退したことについて、不満を露わにしてきました。。

2017年3月、初めてホワイトハウスを訪問し握手をしようとしたメルケル首相に対し、トランプ大統領は聞こえなかったのか無視したのかは判然としなかったものの、手を差し出そうとはしませんでした。

 

2018年4月にアメリカを訪問し数日滞在したフランスのマクロン大統領には、トランプと昼食をとりながらの打ち合わせの機会が一度だけ提供されました。

 

https://www.theguardian.com/world/2018/jun/10/angela-merkel-photo-donald-trump-diplomacy

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昨日来トランプとキム・ジョンウンの直接会談の報道がどの新聞をめくってもどのチャンネルをまわしてもトップに来ています。

しかしその直前、トランプがまた一つ世界の平和秩序を壊そうとしていることが判ったことはあまり大きくは取り上げられていません。

今回の記事は世界的に話題になった写真の解説記事程度の内容ですが、これから世界はどう動くのか、ご紹介に値する記事を探し、ここでご紹介していきたいと考えています。

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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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