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【 ゲンパツ…温暖化…核兵器…すべてが無くなる世界の実現を! 】《2》

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所要時間 約 12分

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1日24時間1週7日間年間365日、福島の汚染された場所で暮らしている人々は今後どうなるのか?

処理済み汚染水の海洋投棄、太平洋の海水全部を使っての放射能の希釈作業は安全なのか?

『夢の原子炉』という神話に、莫大な資金と時間と労力を浪費してしまった日本

 

フェアウィンズ 2017年2月2日

 

ラジオ・エコショック(ES):あなたは2020年に開催予定の東京オリンピックで、一部競技を福島市などで行う事は安全だとお考えですか?あるいはあなたが《1》でお話になった福島の現状、つまり多くの日本人が長期間放射線被ばくをしてしまう恐れがあるという事実とオリンピック開催との関係についてどうお考えですか?

 

アーニー・ガンダーセン:あなたが今お話になった点はまさに重要な部分です。

福島県の汚染は重要な問題です。

すべての競技ではありませんが野球のいくつかの試合が行なわれる予定がすでに明らかにされているようです。

ということになりますと、一流のスポーツ選手が2週間ほど滞在することになるでしょう。

もし私たちが彼らの健康について懸念しなければならないとしたら、実際そうすべきだと思いますが、なぜなら私は今回の調査旅行において福島県内の行く先々で汚染が著しい場所に遭遇したからです。

もちろん私たちは短期に滞在するこれらスポーツ選手について心配をすべきでしょうが、では1日24時間1週7日間年間365日、2011年の事故発生以降2020年まで9年間この場所で暮らし続ける人々はいったいどうなるでしょうか?

アメリカ人の立場として2週間この地に滞在する選りすぐりのスポーツマンへの懸念をするよりも、その場所から出ることすら出来ずに窮地に陥ってしまっている福島の人々について懸念することの方が、人間としてとるべき態度だと私は思っています。

 

ES: あなた福島第一原発の敷地内に地下水が流れ込むことによって作りだされる高濃度の汚染水、超高濃度の汚染水をろ過して浄化しようとしている日本の取り組みについてしばしば書いたり話されたりしています。

そして福島第一原発の敷地内には巨大な貯蔵タンクが立ち並んでいます。

状況はいったいどうなっているのでしょうか?

 

ガンダーセン:おっしゃる通り福島第一原発の敷地内には、高濃度の汚染水を貯め込んだ貯蔵タンクが未だに大量に並んでいます

そこでの状況はどうなっているのでしょう。

私が特に心配しているのはセシウムとストロンチウムについてです。

タンク内にあるのはまさにビッチェズ・ブリュー、悪魔が作り出した恐ろしい液体です。

 

福島第一原発の現場で行われようとしているのは、この汚染水をフィルタのついたろ過装置に送り込んで放射性物質を90%から95%の割合で取り除き、それを別のタンクに送り込み、最終的には太平洋に投棄することです。

ここで問題になるのが1種類の放射性物質、トリチウムです。

トリチウムは水和性が非常に高く現在の技術ではろ過して取り去ることが出来ません。

そしてこれらタンク内には多量のトリチウムが存在しています。

つまりセシウムとストロンチウムを取り除く浄化作業を行った汚染水を、太平洋に放出しようとしそうです。

 

実際にこの作業が計画通りに進むかどうか、地元の漁師たちは信用していません。

日本政府は反対する漁師たちに様々な名目をつけて現金を支払い、太平洋へのろ過済み汚染水の投棄を認めさせようとしています。

しかし私に言わせれば、そうした行為は非良心的なものです。

 

ES:ところで私も福島第一原発とは太平洋を挟んだ反対側に住んでいるのですが、彼らが処理済みとはいえ放射性廃棄物を太平洋に投棄して良いのかどうかということに関し、発言権は無いようですね。

 

ガンダーセン:そのようです。私たちが学校に通っていた頃、こんな言葉を教えられました。

dilution is the solution to pollution(希釈は汚染の解決策である)

これこそ福島第一原発の事故現場を抱えこんでしまった日本人が、信じこませようとしているものです。

太平洋の西側、日本の側で放射性廃棄物を海洋投棄しても、広大な太平洋を渡ってアメリカ西海岸に到達するころには放射能の濃度も随分と希釈されることになります。

しかし私はこうした処理が適切な対応だとは考えていません。

私はこの問題について詳細に解説したことがありますが、たとえ『希釈』されたとしても放射能は人間を死に至らしめる危険なものです。

その量が高い低いに関わらず、放射線は人間の細胞に損傷を与え、ガンの発生原因を作りだします。

希釈されれば、ガンを発生される危険性も低下するのかという問題があるのです。

 

放射能汚染水を太平洋のような広大な水域に投棄すれば、その濃度は下がります。

その一方では放射性物質を含む水の量は一気に何十倍にも何百倍にも増えることになります。

その結果太平洋沿岸で生活している約20億人の人々が、みんなこの放射能汚染水と接する機会を持つことになってしまいます。

放射能の濃度は下がりました、しかしそれに触れる人口は一気に増えました。

結果どうなるでしょうか?

結論はガンを発症する人が出る、これは回避不可能だという事です。

 

ES:さて福島第一原発の事故が発生した際、きわめて危険な核物質であるプルトニウムが原子炉3号機で爆発しました。その直接的原因を作ったのは、英国やフランス同様、日本が繰り返し行なっていたプルトニウムを核燃料とする原子炉の実験だと考えています。

アーニー、これまで何兆円もの費用をつぎ込まれてきた日本の高速増殖炉のもんじゅに何が起きたのでしょうか?

 

ガンダーセン:まず第一に申し上げなければならないのは、福島第一原子力発電所のすべての原子炉内にはプルトニウムがあったという事です。

 

1基の原子炉は1年につき約500ポンド(約227キログラム)のプルトニウムをつくります。

福島第一原発の1号機は2年間稼働を続けていたため、炉内に約550キログラムのプルトニウムがありました。

原子炉2号機、3号機も同じです。

ただし原子炉3号機が他と異なるのは、核燃料として試験的にMOX燃料(混合酸化物燃料)を使用していたため、他の原子炉よりもプルトニウムの量が多くなっていました。

ウランとプルトニウムそれぞれの合計と比較すると、いずれの原子炉も莫大な量のプルトニウムを炉内に抱え込んでいました。

ですから私たちは1号機2号機3号機、すべての原子炉の状態について懸念しているのです。

 

さてもんじゅです。

もんじゅは稼働途中で停止させられ、計画が著しく遅れました。

もんじゅの稼働実績は1990年代の2ヵ月間だけです。

もんじゅは日本人がここにきてやっと実現をあきらめた高速増殖炉です。

しかし核燃料サイクル事業そのものは日本の原子力神話の一部として継続されています。

 

この核燃料サイクル事業を実現させることによって日本人はすべてのウランをリサイクルすることができると考えており、もし実現すれば使用済み核燃料の排出とともに積み上がっていく、核廃棄物処分場についての心配をする必要はありません、

 

大きな地震が多発する日本列島の中で、25万年もの間何かをしまい続ける場所を見つけるのは、本当に難しいことです。

そこで日本人が考え出したのが他の原子炉から排出されたプルトニウムをすべて燃焼させてしまうことができる、後には何も残らないという夢の原子炉という神話でした。

そしてもんじゅはその神話の核心部分のひとつだったのです。

結局もんじゅは10年間という完成までの工期が30年も遅れた挙句、ほとんど稼働実績も無いまま停止せざるを得なくなりました。

大変な話です。

数兆円という巨額の投資が行なわれましたが、もんじゅはお金と時間と労力の完全な浪費でしかなかったのです。

 

《3》へ続く -

http://www.fairewinds.org/nuclear-energy-education//ecoshock-interview-extreme-nuclear-dangers

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【 トランプが入国を禁じた7カ国の人々の暮らし 】《⑤リビア》

 

米国NBCニュース 2017年1月30日

 

1月27日金曜日、トランプ大統領はテロリズム発生への懸念を理由に、イスラム教徒が多数を占める7つの国からアメリカへの入国を一時的に制限する大統領令を発しました。

死と隣り合わせの武力抗争が日常化してしまった場所で困難を極める生活を強いられている人々はは、尚一層の窮地に追い込まれることになったのです。

リビアという国もトリポリという場所も、2011年に長い間この地を支配してきたムアマル・カダフィが殺害され、権力の空白地帯となりました。

結局、支配権を巡って無数の武装勢力の抗争の場と化してしまったのです。

そして2014年、最終的に2つの対立する政治派閥に武装勢力が集約される結果となり、国土の東側と首都にそれぞれ別の政権が樹立されました。

昨年3月、トリポリに国連が後押しする第3の政権が樹立され、その存在を確立しようとしています。

2016年9月22日リビアのスルト、政府側の武装勢力とイスラム国(ISIS)の一派との武力衝突の現場。(写真上)

 

2016年9月21日リビアのスルト、イスラム国(ISIS)側の陣地に向かって発砲するミスラタのスナイパー。(写真下・以下同じ)

2016年10月4日のリビアの約12海里北の地中海で、プロアクディヴア・オープン・アームズのメンバーによる救助を待つ難民。

大量のアフリカ難民のヨーロッパ方面への脱出の窓口となっている国、それがリビアです。

自分の意思によってヨーロッパに向かう者も、押し出されるようにして難民化した者も、命がけで地中海を横断するための出発地となっています。

http://www.nbcnews.com/slideshow/conflicts-challenges-faced-7-banned-nations-n714296

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