ホーム » エッセイ » 【 アベノミクスによる日本経済の回復は期待できない : スタンダード&プアーズ格付けをさらに引き下げ 】[CBS]
日本の経済復活の見込みは減少した
日本人の平均的収入は2011~2014年の間、47,000ドルから36,000ドルまで約25%近く低下した
アメリカCBSニュース 9月16日
スタンダード&プアーズは9月16日水曜日、日本の国債(ソブリン債)信用格付け評価を引き下げ、「当初経済再生への約束を華々しく宣伝していたにもかかわらず」
安倍晋三首相の経済復興戦略、すなわちアベノミクスには期待できないとコメントしました。
アベノミクスは発表された時点では、悪化(増大)を続けている公的負債について3年以内に減少に転じさせると約束していました。
信用格付機関はAA-からA+まで日本の長期の信用格付けを引き下げ、日本の経済概況には変化が見られず、この評価について中期的には変わらないだろうとする展望を明らかにしました。
信用格付け評価の引き下げは一般に政府による資金調達コストを引き上げますが、日本の国債所有者はそのほとんどが日本人であるため世界市場からは切り離されており、この面での影響はあまりありません。
スタンダード&プアーズは日本の評価を引き下げた理由について、次のように述べています。
「日本の景気回復の見込みは減少しており、AA-という以前の日本の国債(ソブリン債)信用格付け評価を維持回復するだけの力強さを保つことが出来なくなっているというのが我々の評価です。」
日本人の平均的収入は2011~2014年の間に47,000ドル(約560万円)から36,000ドル(約430万円)まで、約25%近く低下しました。
理由はドルに対する円の評価の下落(円安)と日本の経済成長率の弱体化です。
その経済規模と比較し、日本政府が抱える公的負債は先進諸国の中でも突出して高くなっています。
スタンダード&プアーズによれば、2008年の世界的な財政危機(リーマンショック)と2011年の東日本大震災による経済的打撃は政府収入、すなわち歳入を低下させました。
これに対し国の出費、すなわち歳出は老齢人口の増加が続いているため増加を続けています。
こうした構造的要因により日本の公的負債は2015年から2018年までに、国民総生産(GDP)の5%に相当する額が毎年増え続ける見込みです。
スタンダード&プアーズは日本の財政面での弱さを支えているのは、政情が安定していること、比較的好調な経済、安定した金融システムと国債の保有者がほとんど日本国民である事実などであると分析しています。
「これまでは日本政府内の抑制と均衡のシステム(政府内の省庁間のバランス)が比較的機能しているのに加え、法令順守意識の高さと情報を自由にやり取りできる仕組みが政策決定を容易にしてきました。」
「こうした要因は2014年の消費税率引き上げのような、生活に直接影響が出る政策転換を国民が受け入れることを可能にしました。」
「しかし現状においてはそれぞれの政策決定機関の意思決定が遅くなり、必要な政策の実現が後手に回っていると考えられます。」
http://www.cbsnews.com/news/japans-woes-earn-a-credit-rating-downgrade/
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この記事が掲載された日は安全保障関連法案の設立目前で、国内は「それどころではない」という状況でした。
私と同じように見落とされた方のために、ご紹介します。
名のある経済機関が改めてアベノミクスの効果は『期待できない』としたことは見過ごせないと思います。
国内の証券業界の関係者が日経平均株価が16,500円を割り込むようになると、日本経済の先行きは相当怪しいものになると教えてくれました。
かつては20,000円台をつけた株価が今週に入り、その16,500円へとじりじり近づいているようです。
陰陽五行説をご存知でしょうか?
「兵は凶なり」
陰陽五行説の専門家が、安倍政権はその『兵』、すなわち軍事に重点を置く政策を推進しており、必然的に日本経済は下降せざるを得ないだろうと語っていたという事を聞きました。
確かに次年度の防衛予算は5兆円という聞いたことの無い金額に膨れ上がっています。
思い出したのが、安倍政権は日本の経済回復を公約に政権に就いたはずであり、それをおろそかにして特定秘密保護法や安全保障関連法案など軍事面にばかり夢中になり、肝心の経済政策には本腰を入れていないというエコノミスト誌の指摘です。
皆さんはどう評価されるでしょうか?