ホーム » エッセイ » 【 あなたも1票を投じましょう?! 2013年度の、世界最悪企業を選ぶために 】&結果発表
企業の責任を今、この場で明らかにしよう!
パブリック・アイ・アワーズ 2013
『パブリック・アイ・アワード』は、毎年1月ダヴォスで開催される世界経済フォーラムの年次総会に焦点を合わせています。
2000年のベルン宣言と『地球の友人(2009年にグリーンピースが運営を肩代わりした)』によって始められた『パブリック・アイ・アワード』は、地域社会やそこに暮らす人々、そして地球環境に悪影響を与える企業活動について告発し、警鐘を鳴らすことを目的としています。
搾取としか言いようがない労働条件、環境破壊、国際社会に対する意図的な偽計、そして企業の社会的責任を無視した行動、1月末に開催される世界経済フォーラムの会場に向け、『パブリック・アイ・アワード』は世界最悪の企業のリストを突き付けることにしています。
世界の経済界の代表たちの目の前で、恥ずべき所業を白日の下にさらされた企業は、みな一様にうろたえることになります。
私たちに不名誉極まりない賞を贈られる企業は、世界の人々に対しその企業犯罪が暴かれることで、それらと戦う市民団体などを側面から援護することにもなります。
〈追補〉1月25日、投票が締め切られ、2013年度世界最悪企業のランキングが決定しました。
一般投票での最多得票はシェル、主催者側委員の選定による第一位はゴールドマン・サックスに決定しました。
各URLの脇に一般投票による順位と得票数を記しました。(訳者)
1. ALSTOM(アルストム)フランス( http://www.publiceye.ch/en/vote/alstom/ )[得票数 : 第7位 1,380票]
フランスのエネルギーと輸送のコングロマリット(複合企業)であるアルストムは、世界中で、汚職スキャンダルを引き起こしています。
アルストムが常套手段として用いるのは、地元の政治家を金で買収し契約を勝ち取るやり方です。
その『犯罪』手法をたびたび用いる姿勢には、これがまともな企業のやる事か?!と思わせるに充分なものがあります。
アルストムは各国で繰り返し有罪判決を受け、罰せられています。
関連会社の中には、世界銀行から入札について除外指定を受けている社が複数あります。
2. COAL INDIA(コール・インディア)インド( http://www.publiceye.ch/en/vote/coal-india/ )[得票数 : 第5位 2,188票]
コール・インディアの炭坑は各地でほ乳類の生息地を破壊し、様々な種族の人間たちから生活手段と祖国を奪い去り、彼らを極貧の生活に突き落としました。
2010年だけで同社の炭坑労働者の死亡205人、重傷が699人という惨憺たる記録は、同社の労働環境が如何に悲惨なものであるかを如実に物語っています。
その上、コール・インディアが経営する炭坑の中、少なくとも239の炭鉱は環境調査による正式な認可を得ていません。
3. G4S(ジー・フォー・エス)英国( http://www.publiceye.ch/en/vote/g4s/ )[得票数 : 第3位 6,667票]
イギリスの警備会社G4Sには650,000人以上の人員を雇用しています。
この会社の警備員たちの中には人間を冷酷に扱う訓練が施されている集団が存在し、警備どころか犯罪歴の記録を塗り替えてしまいました。
この会社は数限りない暴力を用いた鎮圧行為で知られ、国際法の蹂躙、そして人権侵害の常習犯です。
G4Sは現在、イスラエル政府に雇われてパレスチナの占領地区に展開し、検問所や刑務所内の汚れ仕事を一手に引き受けています。
イスラエルによるパレスチナ人自治区への違法な入植政策の実施にあたっては、完全に共犯者です。
4. ゴールドマン・サックス - 米国( http://www.publiceye.ch/en/vote/goldman-sachs/ )[得票数 : 第2位 10,691票]
ゴールドマン・サックスは1998~2009年に会計操作を行ってギリシャの公共負債の半分を巧みに隠し、その見返りに恐ろしい金額の手数料をポケットに入れました。
結局事実は暴かれ、ギリシャ経済は破綻、その余波はEU全体を苦境に陥れましたが、ゴールドマン・サックスのフトコロだけは暖かくなりました。
ゴールドマン・サックスは少なくともすでに6億ドル(540億円)の手数料をギリシャ国民から徴発していますが、ギリシャは不正操作の後始末のため、2037年まで毎年4億ドルを借り入れ続けなければなりません。
その結果、EU域内の納税者は合計100億ドル(9,000億円)の負担を強いられる事になりました。
5. ロンミン - 南アフリカ( http://www.publiceye.ch/en/vote/lonmin/ )[得票数 : 第6位 1,518票]
世界第3位の鉱山会社ロンミンは、ストライキを行った鉱山労働者に対し、警察と軍隊を動員して「適切な制裁」を与えるよう南アフリカの鉱業省に圧力をかけました。
その結果、ストライキを行っていた鉱山労働者34名が警察によって射殺され、78人が重傷を負いました。
これに抗議した労働者10人がさらに射殺されました。
この直後、ロンミンはストライキなどをすればどのような運命が待っているか、鉱山労働者全員を脅す事を忘れませんでした。
6. リパワー - スイス( http://www.publiceye.ch/en/vote/repower/ )[得票数 : 第4位 2,919票]
スイスの電力会社リパワーは、地元住民の反対にも関わらず、イタリアのカラブリアに石炭火力発電所を建設しました。
発電所が建設された場所は実はイタリア最大のマフィア、『ンドランゲタ』の根拠地の真ん中にあります。
『ンドランゲタ』は今やヨーロッパで最大の犯罪組織に成長しました。
リパワーは『ンドランゲタ』と何らかの取引を行う事になる、あるいはすでに何らかの取引を行っている可能性があります。
7. シェル - オランダ・イギリス( http://www.publiceye.ch/en/vote/shell/ )[得票数 : 第1位 16,446票]
シェルは、大きな危険が伴い、その環境への影響が懸念される北極での油田開発に、最初に名乗りを上げた会社です。
北極圏で石油探査を行った場合、生態系への悪影響が懸念されます。
シェルは北極圏での石油探査、掘削について、多種多様なプランを用意していると自信をもっていますが、一方では北極での石油探査は、技術的な困難が伴い、環境に与える影響も計り知れないものになる可能性があると認めています。
オリジナルの結果発表は以下のURLへ
http://www.publiceye.ch/en/vote/
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ご紹介が遅れましたが、パブリック・アイの「2013年度・世界最悪の企業を決める一般投票が1月3日から開始されてしまっていました。
まだ投票できますので(2013年度の投票締め切り日を探したのですが、具体的表記を見つける事ができませんでした)、皆さんもぜひ参加されてみてはいかがでしょうか?
今回ノミネートされているのは以下の7社ですが、21世紀になっても尚、こんな極悪企業が大手を振って活動しているのか?! と唖然としてしまう『企業紹介』もあります。
具体的な投票方法ですが、まずは各社の『企業紹介』をご覧ください。
尚、企業に付されている番号は、オリジナルのサイトのものと共通です。
以上7社の紹介文を読んで、「この悪徳企業に投票してやる!」
という企業がお決まりになったら、各企業の名前の横にある()の中のURLをクリックしてください。
そうするとオリジナルのサイトの中の、目指す企業のページにジャンプします。
ジャンプ先のページの左上の方、えんじ色の囲みに白抜きで[VOTE NOW](今すぐ投票する)と書かれたボタンがありますので、これを押すと投票が完了します。
ベージの下の方には企業規模や本社所在地、CEOの名前なども掲載されていますので、興味のある方はご覧ください。
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【 難民キャンプに過酷な追い討ち 】
アメリカNBCニュース 1月11日
(写真をクリックすれば、大きな画像をご覧いただけます)
ヨルダンの難民キャンプでは、冷たくほえるような風が吹き荒れた後、泥だらけになったキャンプの中で凍えていた難民たちが、苛立ちのあまり当地に居た援助要員に棒を持って殴りかかったり、石を投げつけたりする事態が起きています。