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「貧困の連鎖を断ち切り、そして貧困をなくしていきたい」
アメリカNBCニュース[ Making a Difference ] 10月7日
ここでスティーヴ・ジョブズが、人間として後世に遺したものをお伝えします。
2005年スティーヴ・ジョブズがスタンフォード大学の卒業式でスピーチ を行った際、彼女はまさにスピーチに聴き入った同大学卒業生の一人でした。
そしてそのとき以来、彼女が選んだ道がありました。
NBCのクリスティン・ダールグレンがお伝えします。
ジョブズ『あなたの人生の時間は限られています。他の誰かの人生を生きて無駄にしないでください。他人の意見という雑音で、あなたの内なる声をかき消さないようにしてください。そして一番大切なことは......』
カミーユ「一番大切なことは、自分自身の心と直感にしたがう勇気を持つことです。」
レポーター : カミーユ・サグリムは、初めてスティーブ・ジョブズの言葉を聞いた瞬間を覚えています。
彼女はスタンフォードを卒業、経営学修士となり、実業界へ入っていくことを目指していました。
しかしジョブズのアドバイスがそれを思いとどまらせました。
カミーユ「仕事をする上でたったひとつ大切なことは、自分の仕事を愛せるかどうかです。」
レポーター : 彼女はジョブズの言葉に耳を傾け、そして内なる自分に問いかけました。
カミーユ「私はジョブズの言葉を聞いた瞬間をありありと覚えています。それこそが、私が愛するものを行うために、断崖から身を踊らせた理由なのです。」
レポーター : ジョブズの言葉は彼女をインドへと導きました。
1日2ドル未満の生活費で暮らす人々の小さな村。
彼女は自分の技術を生かし、携帯電話を提供することで子供たちを支援する事業を始めました。
子供たちが学校に通うようになると、携帯電話を使って情報を収集し、自分たちの家族のために安全な食料を手に入れたり、医療行為を受けられるようにする方法を普及させています。
カミーユ「わたしたちは彼らに、社会に完全に溶け込み大いに活躍できるよう、前向きな意欲を持ってもらいたいのです。」
記者:彼女の目標はスティーブ・ジョブズが感銘を受けるかもしれないほど大きなものです。
カミーユ「私たちは貧困の連鎖を断ち切り、そして貧困をなくしていく、という大きな夢を持っています。それが私がこの取り組みを行っている理由なのです。」
レポーター : およそ5,000人の卒業生が、あの日この場所でジョブズの講演を聴きました。
一人の人間の言葉はすぐにこのスタジアムを出て世界に伝わり、ジョブズという偉大な先駆者の想像をもはるかに超えて、広がっていったのです。
そして次に来る世代へもすべてが伝わっていきました。
カミーユ「彼らこそが世界を変えようとしている人々なのです。私は彼らの世界を変えようとは思いません、彼ら自身が素晴らしい人々なのです。」
ジョブズ『そして今、あなた方は卒業して新たな一歩を踏み出しますが、皆さんにはこの言葉を贈りましょう、Stay hungry, stay foolish.』
レポーター:スティーヴ・ジョブズの遺産、iPod, iPad, iPhone、そして人々への啓発をくわえなければなりません。
クリス・ダールグレン、NBCニュース、カリフォルニア州パロアルト市。
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さて、最後を締めくくるのは、やはりこの言葉でした。
Stay hungry, stay foolish
ジョブズ氏の講演は今やきわめて有名になり、日本語訳も何種類かネットで見ることができます。「ハングリー」 という言葉はすでに日本語化しており、この場合のhungryも、そのままの意味だと思いますが、問題はfoolishの方です。
ジョブズ氏の前半生こそfoolishそのものなので、彼の伝記を読むほうが正しい意味を理解できそうです。
ただ、ジョブズ氏自身、他からの引用であることを明かしている以上、本来の意味を知りたくなるのが人情。
そこで自分で思いっきり堅苦しいのとラフなものと、ふたとおり訳してみました。
「求め続けよ、愚者のごとくひたすらに」
「食えなくったっていいじゃないか、ばかばかしくてもいいじゃないか。」
さて、どちらでしょう?