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星の金貨 東日本大震災や音楽、語学、ゴルフについて語るブログです。

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【 信じられますか?安全!ニッポンのゲンパツ : 避難区域への帰還2015 】《前編》

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所要時間 約 6分

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もう故郷には戻りたくない…その最大の理由は日本の政府当局への不信
福島第一原発が吹き上げた放射性物質は、北西方向の市町村を何十年も人が住めない場所にしてしまった
除染作業に注ぎ込まれた巨額の国家予算、被災者の生活再建に充て方がはるかに有効だったのではないか?

 

エコノミスト 2015年10月24日

楢葉町帰還住民
腐敗物とネズミの排泄物から漂い出す悪臭が、猪狩良衛さんの自宅の居間にたちこめていました。
猪狩さんは2011年3月11日に襲った巨大地震と巨大津波が重要な設備である原子炉冷却システムを破壊し、福島第一原発の3基の原子炉でメルトダウンが発生した事故により、翌12日に楢葉町から避難した住民のひとりです。

2015年9月5日、楢葉町の避難命令が解除され、猪狩さんは実際の様子を確認するため町内の自宅へと急ぎました。
無住にせざるを得なかった間、野生のイノシシが手入れが行き届いていたはずの庭園にあった、背の高い見事な庭石を破壊して行きました。
それでもあちこちが腐ってしまった内装の中にあって、仏壇につい最近供えられたばかりのヒナギクの花は、猪狩さんが先祖代々暮してきたこの家に戻る決心をするかもしれないという事を示唆しています。

掲載した地図にもある通り、日本政府は福島第一原発の周囲に設定されていた避難指定区域を徐々に縮小し、今年ついに避難区域内の全市町村の中で初めて楢葉町全域の安全が宣言され、避難指定が解除されました。

避難区域地図
「2011年3月以来停止していた楢葉町の時計が、今また時を刻み始めました。」
松本幸英町長がこう語りました。

事故発生時、福島第一原発が放出した放射性物質は北西方向に向かいました。
日本政府は年間20ミリシーベルト未満に下がればその場所を安全とみなすという方針を示していますが、福島第一原発の北西方向に位置する町の放射線量は、未だに年間50ミリシーベルト(mSv)以上計測されており、今後も数十年間は人が暮らすことができないままの状態が続くと見られています。

しかし4年半前の事故発生当時の風向きと続けられてきた除染作業のおかげで、楢葉町に加え、北西方向に向かった放射性物質からかろうじて逃れることが出来た2つの町村について、日本政府は安全宣言を行うものと見られています。

これに先行して、昨年4月田村町の都路地区(旧都路村)で初めて避難住民の帰還・永住が認められました。
この後10月には川内村も続きました。
この二つの地区については、非難する必要が無い場所にあった店舗、病院、学校などが帰還区域を支えられる状態にあります。

請戸09
これに対し楢葉町はどうでしょうか?
避難した飼い主に捨てられた牛たちがついこの間まで通りをさまよっていたこの町には、地域での生活を支えるためのこうした基盤はありません。
地域社会を復活させるためには、まずは生活のための基本サービスから再度整備していく必要があります。
楢葉町の駅は昨年業務を再開しましたが、改札口の上に取り付けられた放射線を測定するためのデジタル線量計がいやでも目につきます。
来年には中学校が再開される予定ですが、かつて約8,000人いたこの町帰還したのは、たったの300人です。
心配の種は尽きることがありません。

日本政府は日本人なら誰でも持っている共通の感情、故郷への愛着、望郷の思いに惹かれて住民の帰還が進むことを願っています。
さらに2020年の東京オリンピックの開催時には、福島第一原発周辺地区の『復活』を世界に向け喧伝できるようになることを切望しています。

01ドイツ・反原発
そして何より福島第一原発の事故により全国で停止している原子力発電所を再稼働させられるために、政府としての事故処理能能力をアピールしたいのです。
福島県内の放射性物質によって汚染された農地や住宅地の除染作業を終えるまでには、およそ6兆円の国家予算がつぎ込まれるものと見られています。
これ程巨額の国家予算をつぎ込むのであれば、どこかほかの土地で被災者の生活再建を図った方がはるかに賢明であったという指摘もなされています。

〈 後篇に続く 〉
http://www.economist.com/news/asia/21676828-lack-trust-authorities-hindering-resettlement-near-fukushima-back-nuclear-zone?zid=306&ah=1b164dbd43b0cb27ba0d4c3b12a5e227
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【 深まりゆく秋 】

アメリカNBCニュース 11月10日
(写真をクリックして、大きな画像をご覧ください)
Fall01
10月27日、オーストリア、グナーデンヴァルト。(写真上)

10月31日、ドイツ、レックリングハウゼン。(写真下・以下同じ)
Fall03
10月4日、ドイツ、ホプフェラウ、テゲルベルク山。
Fall04
10月15日、ドイツ、ケルハイムのドナウ川。
Fall05
10月15日、スペイン、パンプローナのタルガ川。
Fall02
10月24日、ポーランド、グディニャ、オルウォボ。
Fall06
http://www.nbcnews.com/news/photo/falling-foliage-autumns-colors-pop-n456756

【 福島第一原発の事故収束作業によるガン発症を確認 】《後篇》

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所要時間 約 7分

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事故において大量の放射性物質を放出、その後も漏出を止められない福島第一原発やチェルノブイリ
現在進行形の原発事故が人間と環境に最終的に何をもたらすか?それは未だ誰にもわからない
原発難民の人々は未だに事故の影響に苦しめられており、その事実の否定はその苦しみをあざ笑うのと同じこと

ジャスティン・マッカリー / ガーディアン 10月20日

作業員02
専門家の間では、100mSv以下の低線量被ばくとガン発症との関連性について、意見が分かれています。

「これは労働者の権利という立場からは見て画期的な決定です。しかし、この事例は氷山の一角である可能性が高いと思われます。」
放射線衛生学者、衛生学者である獨協医科大学の木村真三准教授が、AFP通信社の取材に対しこう語りました。
木村准教授はガンを発症した男性の被ばく線量が比較的低いものであるにもかかわらず、福島第一原発の放射線被ばくとの関連性を認めざるを得なかったことは、日本政府に『緊急事態を告げる』ことになったと語りました。

一方、ロンドン王立カレッジの分子病理学のジェリー・トーマス教授は、日本の厚生労働省が福島第一原発の作業員のガン発症と放射線被曝との関連性を認めたことに驚いたと語りました。
「この作業員の被ばく線量が比較的低レベルであることを考えると、ガン発症のリスクは一般的にはきわめて小さいものです。さらにこの白血病の発症原因が他の要素ではなく、福島第一原発内の放射線によるものだと決定づけることは非常に難しいはずです。」
「こうした理由から、私自身はこの男性の白血病の発症は他に原因がある可能性が高いと考えます。」

線量調査の列
反原発の市民運動を行っている人々は、国際原子力機関(IAEA)と日本の当局が福島第一原発の事故による人体への影響は確認できないとする判断を示したことは、早計に過ぎるものだったと批判しました。
「これはIAEAにとっては大きな打撃となります。IAEAは今年9月、福島第一原発の事故によって放出された放射性物質による健康被害は、今後も発生することは無いだろうとのコメントを発表していました。」
グリーンピース・ジャパンはこうコメントしました。

グリーンピース・ベルギーの放射線専門家ジャン・ヴァンデ・ピュート氏は、以下のように語りました。「福島第一原発の事故が原因であると特定できる疾病は、今後も確認されることは無いだろうとするIAEAの声明は、明らかに早まったものでした。」

111326
「事故発生時点での放射性物質の放出、そしてその後も続く放射性物質の環境中への漏出による進行形の原発事故の健康、および環境への影響については、チェルノブイリ事故の例を見てもわかる通り、まだ最終確認はとれていないというのが現実なのです。
グリーンピースはIAEAと日本当局に対し、彼らの根拠を示すことが出来ない、非科学的な声明を撤回するよう求めます。」
「福島第一原発の現場やその周辺で働く作業員、そして原発難民にされてしまった人々は、未だに事故の影響に苦しめられています。
その現実を否定することはその苦しみをあざ笑うのと同じであり、同時に正義の実現を求める彼らの願いと彼ら自身とその家族の人間性を踏みにじるようなものです。」

事故後、福島では子供たちと若者の間で甲状腺ガンの発症率が急激に上昇しました。
しかし地元の医学界の権威、そして医療当局者はこうした事態を招いたのは、
今回使われた検査機器の精度が非常に高いこと、
これまでに無い大規模な検査が行なわれたこと
が原因であり、福島第一原発の事故による放射線被ばくが原因ではないと主張しています。

検査
しかしこうした主張は、岡山大学の津田敏秀教授によって疑問を突きつけられることになりました。
津田教授の行なった調査研究の結果、福島の子供たちの甲状腺がんの発症割合は、日本のどの地域と比較しても、20倍~50倍という高さであることが明らかになったのです。

〈 完 〉
http://www.theguardian.com/environment/2015/oct/20/fukushima-nuclear-disaster-first-worker-diagnosed-cancer
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【 11月3日までの報道写真から 】

アメリカNBCニュース 11月3日
(写真をクリックして、大きな画像をご覧ください)

day 1
11月2日ギリシア・マケドニア国境からセルビアに向かう電車の窓から外を眺める中東の難民。(写真上)
10月だけで218,000人以上の難民が地中海を横断し、西ヨーロッパを目指していきました。

11月2日エーゲ海を横断し、ギリシャのレスボス島にたどり着いた中東難民。(写真下・以下同じ)
day 2
11月2日レスボス島のピレウス港にフェリーで到着し、上陸した後赤ちゃんを抱きしめる難民の女性。
10月だけで218,000人以上という難民の数は、2014年一年間に発生した難民の数に等しいものだと、11月2日国連難民事務所が公表しました。
Day 3
11月1日ギリシアからマケドニアに入るため列を作って待つ難民と少女。
Day 4
11月3日、フランス北東部のカレー近くの廃棄物処分場の水たまりに映る中東難民のキャンプ。
現在カレー郊外のこの場所では戦争と貧困から逃れてきた、中東・アフリカ理難民の数が爆発的に増え続けています。
Day01
11月3日、アテネのアクロポリス丘の上の空。
Day02
11月3日、ドイツの難民センター近くの森を散歩する、アフリカから逃れてきた2人の男性。
Day03
http://www.nbcnews.com/news/photo/today-pictures-november-3-n456856

【 福島第一原発の事故収束作業によるガン発症を確認 】《前篇》

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所要時間 約 6分

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福島第一原発の事故収束・廃炉作業員のガン発症は、安倍政権が進める住民の被災地帰還奨励策に暗雲
年間100mSvというのは非常に高い被ばく線量、まして250mSvというのは人道上許されない数値
限度まで被曝することを余儀なくされ、使い捨てられていく福島第一原発の作業員

作業員02
ジャスティン・マッカリー / ガーディアン 10月20日

福島第一原発の41歳の作業員の男性が、2011年3月から続く事故収束・廃炉作業に原因があるガンを発症したと、日本政府当局が初めて認めました。
氏名は明らかにされていませんが、この男性は体調不良を訴えた後、2014年1月に白血病と診断されました。
この男性は2011年3月11日に日本の東北地方を襲ったマグニチュード9.0の巨大地震が引き起こした巨大津波が福島第一原発の重要な設備である原子炉冷却システムを破壊し、3基の原子炉でメルトダウンが発生した原子炉建屋で約1年間、事故収束作業に従事してきました。
福島第一原発の事故収束・廃炉作業については約40年以上の年月が必要とされていますが、これまで延べ約45,000人の作業員が関わってきました。

4号機核燃取出 3
厚生労働省が20日火曜日に公表したこの事実は、東京電力にとって新たな打撃となる一方で、安倍政権が進める除染作業がほぼ完了した福島第一原発周辺の市町村への住民の帰還奨励策にも、問題を生じさせることになりそうです。
報道によればこの男性は、2012年10月から2013年12月にかけ、事故を起こした2つの原子炉建屋全体を覆う作業に携わっていました。
男性は 30代のうちに白血病と診断されました。

厚生労働省の担当者は男性は福島第一原発内では防護服を着て作業を行っていたと語り、男性には医療費のほか、失業中の収入も補償されることになると語りました。
「現段階では放射線被ばくと発病の因果関係は明らかではありませんが、労働災害補償の観点から男性に補償を行う事を決定しました。」

捨てられた病院
福島第一原発の事故では大量の放射性物質が環境中に放出され、近隣市町村の住民が大量に避難を余儀なくされ、未だに150,000人もの人々が自宅に戻れずにいます。
その福島第一原発の事故収束・廃炉作業現場で働いていた作業員が他にも3人がガンを発症し、現在労働災害の認定を待っている状態です。

これについて東京電力は、労働者の賠償請求を承認するという決定についてはコメントできないと語りました。
「発病した作業員の方には、心からお見舞い申し上げます。」

東京電力のスポークスマンがこう語りました。
「我々は作業現場の放射線量をできるだけ減らし、労働者の放射線への防護対策には完璧を期して管理を続けてまいります。」

汚染水調査 1
男性は白血病の診断を受ける以前、2012年に福島第一原発の事故収束・廃炉作業現場で16ミリシーベルト(mSv)、さらに別の原子力発電所で4ミリシーベルト(mSv)被ばくしていました。
厚生労働省によると、労災補償は、1年間に5ミリシーベルト(mSv)以上被ばくした場合に適用されることになっています。

東京電力によると福島第一原発では2011年3月から2015年7月末まで、延べ45,000人が事故収束作業に従事しましたが、このうちの21,000人が5mSv以上、9,000人以上が少なくとも20mSv被ばくし、さらに6人は250mSv以上の被ばくをしました。
「年間100mSvの被ばく量は非常に高いと言わなければなりません。まして250mSvというのは人道上許されない数値です。」

環境中の放射線量の問題について、独立した立場でコンサルティングを行っているイアン・フェアリー博士がこう語りました。
「数万人に上る臨時作業員が高い値の放射線を被ばくし、そして解雇されている、それが福島第一原発で起きている現実なのです。」

110624
こうした中で、今回ガンを発症した男性の被ばく線量はそれほど高いものではありません。
それにもかかわらず日本政府は現在、原発事故によって非難を余儀なくされている住民たちに、除染によって安全が確保されたとみなされる地域に帰還を促す政策を進めています。
この政策の妥当性については、見直しが必定である可能性があります。

〈 後篇に続く 〉
http://www.theguardian.com/environment/2015/oct/20/fukushima-nuclear-disaster-first-worker-diagnosed-cancer
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【 ロンドンはビクトリア時代のミステリアスな霧の中 】

アメリカNBCニュース 11月2日
(写真をクリックして、大きな画像をご覧ください)
London 1
11月2日濃霧がロンドンをおおいつくし、多くの航空機が欠航し、旅行客や市民の生活が混乱に陥りました。
11月2日朝、ロンドンのウエストミンスター橋を渡り、通勤する人々。(写真上)

テムズ河畔を歩いて通勤する人々。(写真下・以下同じ)
London 2
ロンドンのクリスタル・パレス公園で、犬とたわむれる女性。
London 4
テムズ川に架かるミレニアム歩道橋を渡って職場に向かう人々。
London 5
テムズ河畔のロンドン・アイと郡庁舎。
London 6
ケンブリッジ近くのクレア・カレッジの敷地を歩く女性。
London 7
http://www.nbcnews.com/news/weather/fit-victorian-mystery-thick-fog-shrouds-london-n455876

【 原子力の真実:広島、長崎から六ヶ所村再処理施設、安全保障関連法案…つながる一本の線 】《4》

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所要時間 約 8分

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力による平和は、限られた人間たちの既得権と利益を守るための、一方的な手段
「私はこれまでの人生で何度も差別されてきました。理由は単純です、被爆者だからです」
国民を守るために防衛力を強化しなければならないと語気を強める安部政権…しかし「それは嘘」

 

金子千穂、フェアウィンズ理事会メンバー / フェアウィンズ 10月18日

FW Title 1
人間の営みは複雑であり、限られた資源を巡る国家間、民族間の争いは容易には無くならないでしょう。

同郷のかつての歴史学者であり、平和の研究者であった故大矢邦宣氏の言葉を、私は絶えず思い続けています。
「力による平和は、限られた人間たちの既得権と利益を守るための、間に合わせの手段以外の何ものでもない。」

冒頭でご紹介した核拡散防止条約会議を傍聴するため訪れていた77歳の広島の被爆者の女性と個人的に会話する機会がありました。
そこで彼女が明らかにしたいくつかの真実があります。
「現在の日本政府の人間たちは、私たち国民を守るために防衛力を強化しなければならないと語気を強めています。しかしそれは嘘です。武器で一般市民を守ることはできません。その実例を私たちは第二次世界大戦(太平洋戦争)中に散々見てきたはずです。あれだけ大量の武器を揃えても、国民など守られることは無く、無数の人々の命が失われてしまいました。」

空襲01
そして彼女は次のように続けました。
「私はこれまでの人生で何度も差別されてきました。理由は単純です、被爆者だからです。」
「職を探していた時、私は差別されました。結婚をする時も、差別に遭いました。そして娘がある人との結婚を望んだときも、差別に遭いました。すべては日本政府が広島と長崎の原爆の被害について、正面から向き合い、根本的な解決を図らなかったことが原因です。」

2年前私は広島原爆の被爆者として千葉県の中学校で講演をしたことがありました。
講演を終えた後、中学2年生の女の子が廊下を通って追いかけてきて、私の手を握って感謝の言葉を口にしました。
彼女は福島第一原発事故から避難し、千葉県内の親類の家に身を寄せているのだと語りました。
しばらくたっても彼女は私の手を離さず、私の目を見つめたままでした。
何か言いたいことがあるのだと感じ、私は自分から彼女に問いかけました。
「何か言いたいことがあるの?」

白煙を上げる現場
彼女はやっと決心したような様子で、私にこう尋ねました。
「将来、私もちゃんと赤ちゃんを産むことが出来るでしょうか?」

私にとって、最もつらく、悲しい瞬間でした…

私は何とか彼女を励まそうとしました。
しかし彼女は単なる原発難民ではないのです。
福島第一原発が放出した放射性物質を浴びてしまった彼女もまた、被爆者の一人になってしまいました。
それが現実です。

※注
今年始めピュウ・リサーチセンターが行なった調査の結果は次の通りです。

アメリカ人の56%が第2次大戦終了間際に核兵器が使用されたことにについて、正当だと考えています。
34%は正当化されるべきでないと考えています。
日本では正当化されるべきでないと考えている人が79%であるのに対し、14%だけが正当化されると答えています。
数十年前に行われた調査の結果と比較して、原爆の使用が正当化されると答えた割合が減少していることに注目すべきです。

広島33
2014年に日本の電力会社9社は、停止中の原子力発電所の維持のために合計115億ドル(約1兆4,000億円)以上を支出しました。
これとは対照的に日本の太陽光発電事業は2015年3月現在2700万KW、5年前の9.5倍にまで拡大しました。
この発電量は、原発20基分以上の発電量に相当します。

http://www.fairewinds.org/nuclear-energy-education//nuclear-is-atomic
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【 数字が明らかにする、ヒロシマ、そしてナガサキの惨劇 】《再掲載》
当時の人口の半分が消滅した都市、ヒロシマ
17人ものノーベル賞科学者が参加して完成した大殺戮

ミシェル・ホール / CNN・ライブラリー 2013年8月6日

広島01<a
1945年8月、日本に対して原子爆弾を使うというアメリカ合衆国の決定は、第二次世界大戦を終結させることが目的であったと信じられています。
改めて原子爆弾にまつわる数字をここに明らかにします。

▽ 2
第二次世界大戦中、日本に投下された原子爆弾の数です。

広島09
▽ 80,000
第二次世界大戦中、史上初めて原子爆弾が戦争で使われた1945年8月6日、日本の広島市で即死した人々の数です。
ウランを主な材料として作られたこの爆弾のコード名は、「リトルボーイ」でした。

広島12
▽ 192,020
広島への原爆投下によって死亡した犠牲者の総数です。
即死した人々、放射線による影響、その他の後遺症によって死亡した人、それらすべてを合わせた数です。
1995年、50回目の犠牲者追悼式典の際、公表されました。

▽ 3
広島に原爆が投下されたわずか3日後の1945年8月9日に、コード名「ふとっちょ」と名づけられたプルトニウム爆弾が長崎上空で爆発しました。
広島に投下されたウラン原爆と異なり、プルトニウム原爆はインプロージョン方式で起爆します。

長崎03
▽ 70,000以上
長崎原爆で即死した人々の数。

長崎05
▽ 5
長崎に原爆投下の後、昭和裕仁(ひろひと)天皇がポツダム宣言と無条件降伏を受け入れると発表した、その日までの日数。

ポツダム宣言
▽ 2
二度目の原爆投下目標の候補地、いずれも九州の長崎と小倉。 長崎が選ばれたのは、当日の天候のため。

長崎04
▽ 20億ドル
アメリカ合衆国が行った原爆研究開発プログラム、「マンハッタン計画」に費やされた費用総額の概算。

広島10
▽ 130,000
マンハッタン計画実施中の雇用総数。

マンハッタン計画
▽3
原爆の開発に関わった研究施設の数
オークリッジ国立研究所(テネシー州)、ハンフォード・サイト(ワシントン州)、ロスアラモス国立研究所(ニューメキシコ州)。

広島13
▽ 17
マンハッタン計画参加時点ですでにノーベル賞を受賞していた、あるいは後にノーベル賞を受賞した科学者の人数。

マンハッタン計画02
▽ 18,000
1945年7月16日にニューメキシコの実験場で爆発した原爆は、TNT火薬18,000トン分の威力を持っていました。

マンハッタン計画03
▽1,800フィート以上
広島市上空で、爆撃機B-29「エノラ・ゲイ」が、広島原爆「リトルボーイ」を投下した高度は、地上約1,800フィート(600メートル)でした。

広島17
▽ 9,700ポンド(約4.40トン)
広島原爆「リトルボーイ」の重量。

広島08
▽60,000フィート(約18,000メートル)
長崎原爆「「ふとっちょ」」が生成したキノコ雲の高さ。

長崎01
http://edition.cnn.com/2013/08/06/world/asia/btn-atomic-bombs/index.html?hpt=ias_t3

【 原子力の真実:広島、長崎から六ヶ所村再処理施設、安全保障関連法案…つながる一本の線 】《3》

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先進各国が口にする平和は、富裕層が今手にしている特権と資産を奪われないように必要な秩序を維持することが目的
人類が望むべき『持続可能な世界平和』とは全く逆の政策を進めている、日本の安倍政権はその典型的な例
武器の製造・輸出、六ヶ所再処理工場、日本の政治指導者たちが金と権力に極めて貪欲であることの証明

金子千穂、フェアウィンズ理事会メンバー / フェアウィンズ 10月18日

FW Title 1
もちろん、ただ平和を願うだけでは、平和な世界を夢見るだけでは何も実現できません。
私たち人類すべてが世界中のあらゆる場所で『持続可能な世界平和』の実現のため、現実世界における活動を不断に活発に続ける必要があります。

現実世界の先進各国の指導者たちが口にする平和は、人類が手にすべき真実の平和とは似て非なるものです。
彼らが口にする平和は、それぞれの国の富裕層が今手にしている特権と資産を奪われないように必要な秩序を維持することが目的であり、地球上の人類が平等な条件の下で永続的な平和な暮らしを続けるというものではありません。

現在の日本の政権(安倍政権)が、人類が望むべき『持続可能な世界平和』の実現とは全く逆の政策を進めている典型例のひとつであるというのは、私が信じて疑わないところです。

日本の国会は、憲法に明記されている世界的にも有名な「戦争の放棄」という条文を無視し、安全保障関連法案を可決成立させました。

安全保障法案03
日本政府は新しい政府機関として防衛装備庁(本文中ではDefense Equipment Agency、機関自身の表記はAcquisition Technology & Logistics Agency)を10月1日に発足させ、日本の強力な政治団体である経団連は、武器の製造・輸出をこれからの日本の経済成長の手段の中心に据えるビジョンを具現化しようとしています。
このビジョンの視野には現在日本国内で行われている原子力発電、そして青森県にある六ヶ所再処理工場のフル稼働が含まれています。

六ヶ所再処理工場は世界にたった3か所しかない、商業用核物質再処理施設のうちの1つです。
イランの核開発疑惑を巡って世界的な議論が行なわれている最中である一方、日本が六ヶ所再処理工場のフル稼働に向けた取り組みが認められていることについて、皮肉な現実、そして欺瞞を感じざるを得ません。

六ヶ所再処理工場は原子力発電によって無限に生み出される使用済み核燃料の解決手段として大いに宣伝されましたが、これまでの試運転において技術的トラブルが続出し、全く成功していません。
六ヶ所再処理工場を稼働させる目的は原子力発電所の原子炉の炉心から取り出した使用済み核燃料から燃料棒を取り外し、化学処理を行って兵器級プルトニウムを取り出すというものです。

六ヶ所村
日本政府内には、日本が自前で核兵器を製造・所有することを可能にするための有力手段とみなしているメンバーがいて、私はそれが万が一にも現実になることを心から恐れています。
そして公にはされていませんが、六ヶ所再処理工場がフル稼働すれば周辺環境に壊滅的な影響が出る危険性があり、その事を何より懸念しています。

私は日本の政治指導者たちが金と権力に極めて貪欲であることを示すこうした実例を目の当たりにして、身震いする思いです。
こうした考えを持つのは私一人ではありません。
数週間の間、私は安全保障関連法案の成立を阻もうと日本中で一般市民が立ち上がり、大規模な抗議行動、抗議集会に発展したという報告や報道に接してきました。
9月19日、混乱を極める中で安全保障関連法案が成立した後も、多くの研究者や市民グループがこれらの法案の違法性について非難しています。

国民が恐れているのは第二次世界大戦(太平洋戦争)以前の日本がそうであったように、国家の安全保障という名の下に市民の権利が徐々に剥奪されて行き、気がつけば国全体が軍国主義に支配され、一切の異論が許されない社会が再び現実になる事です。

広島原爆ドーム02
私はこの地球上の誰もが核兵器攻撃の被害者、原子力大災害、あるいは原子炉のメルトダウン発生による原発事故の被災者には決してなりたくないと考えている、そう確信しています。

原子力産業は、実は1945年8月に日本の2つの都市を壊滅させた原子爆弾を起源とするものです。
この2つの『事業』は不可分に密接につながっており、決して切り離して考えられるものではありません。

原子炉の燃料を作るために使われるウラン濃縮技術は、広島を壊滅させたウラン型原爆を作る際に必要不可欠な技術です。
六ヶ所再処理工場において抽出されるプルトニウムは、長崎を壊滅させたプルトニウム型原爆に使われたものとまったく同じものです。

核兵器、原子力発電、そして各種の原子力施設の存在は国家にとって必要だという説を容認し続ける限り、私たち人類は核爆発・核分裂が生み出す無数の悲劇から逃れることはできないのです。

-《4》へ続く –

http://www.fairewinds.org/nuclear-energy-education//nuclear-is-atomic
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【 10月29日までの報道写真から 】

アメリカNBCニュース 10月29日
(写真をクリックして、大きな画像をご覧ください)
day01
10月28日、ギリシャ、レスボス島の沿岸で悪天候の中、沈没寸前のボートから降りて、陸地を目指すアフガニスタン難民。
ギリシャ政府は冬の到来を目前に控え、増え続ける難民救済のための対策を急いでいるとのコメントを発表しました。(写真上)

レスボス島沖合で沈没してしまったボートから救出された難民の男の子を抱きかかえるボランティアの男性。(写真下・以下同じ)
トルコからエーゲ海を渡りギリシャを目指していたボートが転覆し、子ども3人を含む5名の難民が死亡しました。
day02
救出された赤ちゃんの蘇生措置を行う救護隊員と医師。
day03
10月29日スロベニア、シェンティリで国境を越える許可を待ち続ける難民の前で泣いている少女。
day 2
http://www.nbcnews.com/news/photo/today-pictures-october-28-n453301

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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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