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アメリカのガン多発地区の住民 日本の化学会社と対決

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ミシシッピ川流域大気汚染問題 / 周辺住民の運動が一気に激化・住民代表が来日
がん発症リスクが50倍・衝撃のデータ公開直前、米国巨大化学企業デュポンが日本企業デンカに売却

                

ギャビン・ブレア(東京)、オリバー・ラフランド(ニューヨーク)/ ガーディアン 2019年6月26日

                 

ルイジアナ州リザーブ(バトンルージュ南西)の住民の代表が、癌その他の一連の重篤な病気が多発している原因であると言われる化学工場を運営している日本企業の幹部や株主と対決するため、東京を訪れました。
米国環境保護庁(EPA)によると、ルイジアナ州リザーブはアメリカ国内で大気汚染による癌発症の危険性が最も高い場所です。

               

住民たちは今回の訪日でリザーブのポンチャートレイン・ワークス・ファシリティ(工場)を運営する化学企業大手デンカの法人株主と環境保護団体とのパブリック・ミーティング、そして非公開の場での会合が含まれています。
この工場は大気汚染問題の解決を求める周辺住民の運動を一気に激化させることになりました。

                  

ガーディアンが長年取り組んできた企画『ガン多発地区』シリーズは大気汚染の問題と戦うキャンペーンの検証を行ってきました。
ニューオリンズとバトンルージュ間は『ガン多発』地区が帯状につながっていることで知られる場所ですが、中でもルイジアナ州リザーブは状況が深刻です。

               

ポンチャートレイン工場は化学品大手デュポンによって1968年に開設され、2015年に日本企業のデンカに売却されました。
合成クロロプレンから合成ゴムのネオプレンを製造するアメリカ国内で唯一の製造施設です。
合成クロロプレンは発がん性が疑われる物質としてアメリカ政府がレストアップしています。

              

2015年に米国環境保護庁(EPA)はこの工場から排出される化学物質により大気が汚染され、住民は米国内のいかなる場所と比較しても高いガン発症リスクにさらされている判断しました。

                 

今回来日した住民の一人であるロバート・テイラー氏はこの工場が操業を開始した1968年に若い家族とともに家を新築しました。
彼はミシシッピ川に沿って林立する他の石油化学プラント工場同様、問題の工場が主に黒人と労働者階級のコミュニティであるバプテティスト聖ヨハネ教区の真ん中に位置していることを指摘しました。

                 

「私たちは未だに差別されています。そうしたことはアメリカ社会の変わらぬ一断面の一つににすぎません。」
テイラー氏は東京のパシフィックアジア・リソースセンターで開かれたパブリックイベントでこう語りました。

                  

先週、テイラー氏とその同僚で1年前にガンで死亡したウォルターを夫に持つリディア・ジェラードさんは、東京中心部で開催されたデンカの年次株主総会で直接この事実について証拠を挙げて抗議しようとしました。
しかし会場の外で『デンカの企業人との全面対決』を行ったために会場内に入ることを拒否され、 外での抗議活動を行うことなった、こう説明したのは今回の訪日を企画したアメリカの市民活動グループ、人権のための大学ネットワーク(UNHR)のルハン・ナグラさんです。
「私たちは英語と日本語で書かれた『デンカよ、黒人を中毒させることを中止せよ』との巨大なバナーを掲示し、同趣旨のチラシを配李ました。」
ナグラさんがこう語りました。

                   

地元住民は健康の悪化について工場から排出される汚染物質との関連性を長い間疑ってきましたが、何十年もの間、クロロプレン特有の健康リスクについては知識がなかったと、テイラー氏が6月24日に東京で開催された公開会議の場で語りました。

              

「私たちは聞いたこともない病気、ガン、呼吸器系の疾患、皮膚疾患、心臓の病気に蝕まれるようになりました。」
「私の娘は看護師ですが、彼女もまた病魔から逃れることはできませんでした。こうした人々の看護をするうち、自分自身も胃不全まひを発症してしまったのです。
こう語るテイラー氏自身も胃に不調を抱えています。

                 

「医師の判断ではこれらの疾患は工場による大気汚染が原因の、非常に珍しい免疫機能障害だということです。しかし公に記録されることはないでしょう。しかし私たちが住むコミュニティでは同じ症状を発症した女性が3人います。」

                

化学企業大手のデュポンは半世紀近くこのプラントを操業してきましたが、EPAの報告書の中でアメリカ国内のすべての工場周辺におけるがん発症リスクについて調査した結果、ポンチャートレイン・ワークス・ファシリティ周辺のがん発症リスクが全国平均の50倍に上るという報告が公表される直前、デンカに売却しました。

    

ルイジアナ州政府は環境行政の緩さで悪評を得ていますが、6月初旬この工場による大気汚染防止法違反容疑でデンカとデュポンの両社に対し訴訟を起こす意向であることを発表しました。

                   

人権のための大学ネットワーク(UNHR)は訪日前にデンカと連絡を取ろうとしましたが、同社は米国子会社の行為について責任はないと回答しました。
こうした主張にもかかわらず、デンカは株主総会の前日になってウェブサイト上で米国子会社の操業状況について弁護士、以下の声明文を公開しました。
「クロロプレンの発がんリスクレベルについては過大に見積もられている。」

               

「デンカは米国環境保護庁(EPA)の見解とクロロプレンには発ガン性があるという見解を持つ科学者全員に異議を唱えています。」
デンカが面会を拒否したにもかかわらず、ガンで夫を亡くしたジェラードさんは今回の訪日には一定の価値があると考えると語りました。
「私たちが問題から逃げ出すつもりもないし、泣き寝入りするつもりもないということをデンカには肝に銘じてもらいたいと思います。」

                    

                

一連の抗議は日本最大の報道機関である共同通信によって取り上げられ、その後、いくつかの地方紙によって取り上げられましたが、大手メディアは一切取り上げませんでした。
人権のための大学ネットワーク(UNHR)は、来月デンカの工場周辺の500世帯の健康健康状況について調査した報告書を公表する予定ですが、それによって状況が変わることを望んでいます。
報告書は工場に近づけば近づくほど健康問題が悪化し、ガンの発症率は統計的に正常とされる値をはるかに上回っています。

                

代表団は今週法人名を公表しないことを条件に東京都内の2社の法人株主と会談しました。
一方、UNHRはヨーロッパ、アメリカ国内の株主と連絡を取り、工場周辺に住む人々が危険な状況に置かれていることについて説明することを計画しています。

https://www.theguardian.com/us-news/2019/jun/26/cancer-town-denka-pontchartrain-works-reserve-louisiana

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日本国内なら企業が何をしても大概はアベ政治のような仕組みが地位保全に力を貸してくれるでしょうが、アメリカ国内でしかも州当局まで敵に回してしまって先行きどうなのでしょうか?

アメリカでの不良品製造販売が原因で結局は立ち行かなくなってしまったシートベルトの世界的企業タカタの倒産劇が脳裏をかすめます。

それにしても決定的に不利な問題が明るみに出る直前に、その工場を日本企業に買わせるアメリカ巨大企業の狡猾さには唖然とするばかりです。

そして日本企業の先見性の無さ、愚かさも際立ちます。

            

大量のF35の購入を迫られてただでさえ危機的状況の日本の国庫から巨額の税金をつぎ込む安倍政権、国も国なら企業も企業だというところでしょうか。

使い捨てられた人々 : 山谷《後編》

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彼ら日雇い労働者は東京再建の功労者であるはず、なのに日本は彼らを使い捨てた

多様性があるということは良いことであるということを証明したい

                

             

ジャスティン・マッカリー / ガーディアン 2019年6月14日

              

旅行者の増加はこの場所の印象をソフトなものに変えましたが、この場所でも少しずつ地域の中産階級化(劣悪化している区域に中流階級あるいは裕福な階級の人口が流入していくのを伴った区域再開発・再建プロジェクトのことで、通常それまでの貧困層の住民が住む場所を失う - アルク https://eow.alc.co.jp/ より引用 )が進行しています。
地元の行政当局は長い間、大規模商業開発に抵抗してきましたが、多くの民間の土地所有者が防火上の問題もあることから老朽化した簡易宿泊所を取り壊していくことに口を出すことはできません。
所有者にすれば近代的なアパート経営の方が経済的に理にかなっています。

                

「土地所有者の判断はある意味当然のことです。」
と義平氏がこう語りました。
「近代的なアパート経営をすれば、もっと多くの収入を得られるようになると信じています。しかしその結果は景観が変わるというだけではありません。街の雰囲気も少しずつ別のものになってしまいます。この場所は東京でも独特の雰囲気があり、全てではなくともその空気は残していくべきだと考えています。」

             

他の場所では考えられない混在状況に、今や山谷の対立の構図はまるで「冷戦」のようだと義平氏が語りました。
騒音、酔っ払いの横行、辺り構わず横になって寝転がる、そして一番多いのがゴミの山を放置していることについて、近隣の住民から頻繁に苦情が寄せられています。

                

                  

「それは「私たち対彼ら」という対立の構図に変わってしまいました。」
山谷でバックパッカー向けに2軒、生活保護樹級者向けに1軒、合計3軒の宿泊施設を運営する義平さんが語りました。
昨年、彼女たちのグループは良心的な価格で提供される飲み物や食事を共にすることで、山谷の住民と訪問する人々の間に無用の誤解を生まないようにするため、さんやカフェをオープンしました。
「カフェの名前は山谷という名前を取り戻すためにつけたものです。」
義平さんがこう語りました。

             

「かつての労働者たちは自分自身を誇って良いはずです。なんといっても彼らは東京を再建した人々なのですから。しかし日本という国は彼らのことなど忘れ去ってしまいました。この辺りの人々が彼らを見下すなど早計に過ぎると言うべきです。」
「私たちはなんとかして多様性があるということは良いことであるということを証明したいと思っています。自分の気分を良くするために他人を見下すなどという行為をしても、何も良いことなどありません。」

          

毎週金曜日、義平さんたちはかつての労働者たちと一緒にカフェで食事や飲み物を提供する代わりにゴミを集めるよう呼びかけています。

              

「一緒に食事をしたり雑談したりすると、誰もが仲間意識を共有できるようになります。」
義平さんがこう語りました。
「と同時に、その歴史の中で新しい時代の到来に備えるための時間が山谷にとって重要なのです。」

            

かつて日雇い労働者だった人々の未来はますます不透明になりつあります。
使用禁止になった宿泊所を退去させられた彼らは、別の宿泊所を見つけるか国の補助金が得られる遠く離れた公営住宅に移り住まなければなりません。
そうした現実はこの30年間山谷を出たり入ったりした相沢さんのような住人にとって、場合によっては何日かは路上で一夜を明かさなければならない状況を意味します。

             

64歳になったこの男性は午後いっぱい捨てられたアルミ缶を収集し、自転車の後ろに取り付けた袋に詰め込んで回ります。
1キログラムあたり100円の現金と交換するためです。
「自分は一文無しなんだよ。だからこうやって空き缶を集めて回るんだよ。」
相沢さんは乏しい年金の中から簡易宿泊所の利用料金を支払ってしまうと、ほとんどお金は残らないとこぼしました。

                 

「これまで山谷の様子が変わるのをずいぶん見てきたよ。暴動もあったけど、近頃はこの辺りもずいぶん静かになったよ。それは多分我々が闘うには歳を取り過ぎてしまったからだよ。人生は厳しいものだけど、でもここにいる限り心だけは自由でいられるからね。」

              

tps://www.theguardian.com/cities/2019/jun/14/the-tokyo-neighbourhood-where-people-come-to-disappear

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近代社会も人間を使い捨てるという側面を持っていることを、この記事を読んだことにより気づかされました。

第二次世界大戦中の日本兵と沖縄県民、ソビエト連邦の強制収容所の政治犯と抑留日本兵、ベトナム戦争では北ベトナム軍がアメリカ軍に対し未熟少年兵をまず突撃させ相手を混乱に陥れた後、歴戦のベテラン兵士が現れてアメリカ兵を一人一人確実に仕留めていくという手法を用いていたと何かで読んだ記憶があります。

この時の少年兵は明らかに使い捨てです。

山谷の問題同様、やりきれないのが現安倍政権下では見捨てられていく国民がいることです。

福島第一原発事故の被災難民は国内の原子力発電所の再稼動とオリンピックの邪魔にされ、沖縄県民は日本の軍備増強の邪魔、さらには貧困層の子供たちも見捨てられています。

山谷の人々が使い捨てられて行ったのを座視していたのも私たちなら、福島の原発難民や貧困層の子供たちが見捨てられていくのを今まさに座視しているのも私たち日本人です。

安倍政権の政治の下で、私たち日本人は良心を発揮するという行為を忘れつつあります。

これは一番危険な亡国への道づくりではないでしょうか?

使い捨てられた人々 : 山谷《前編》

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何百年もの間、働ける場所、隠れ住む場所、そして仲間を求めてたくさんの人々が山谷にやって来ました。
しかしここにも急激な変化の波が押し寄せ、住民たちは順応していくのに四苦八苦しています

               

                 

ジャスティン・マッカリー / ガーディアン 2019年6月14日

             

一見する限り山谷は都心から離れた東京都内の他の場所と変わるところはありません。
目に入るのは手入れの行き届いた家々、スーパーマーケット、ファストフード・ショップなどばかりです。
そして離れた場所には連なる屋根と網の目のように張り巡らせた電線の上に、見間違えようのない東京スカイツリーのシルエットが浮かんでいます。

                

しかしその超現代的なランドマークタワーに近接する空間は人の目を欺くものです。
楽な着心地のジャージの上下を着て、野球帽をかぶり、ビニール製のサンダルを履き、午後の早い時間からチューハイと呼ばれる発泡酒の缶を握りしめた高齢の人々の姿が目立ちます。
そして何十という数の部屋には家具も調度もない安宿が、都内で最低レベルの料金を宣伝しています。
都心から離れた東京都内に山谷のような場所は他にありませんが、今この場所は抗いようのない変化の波の中で、なんとか息をしようと必死になっています。

            

珠姫(たまひめ)公園の中で『かっちゃん』の愛称を持つ男性が待ち合わせした友人が来るのを待っていました。
近くではソーラーパネルを電源に持つ液晶テレビがあるテント小屋を挟んで、2人の男性がひっくり返された古いファイルキャビネットの上で将棋をさしていました。
その向こうには来ているものを全部脱いで虚空を見つめている一人の若い男がいます。

              

写真上: 山谷の商店と壁の落書き

             

今、地図で探しても『山谷』の名は見当たりません。
1966年、日本政府が山谷の2文字をすべての公式文書から削除するよう命じたからです。

               

「酒を飲んで、おしゃべりしながら日向ぼっこをするためにここに来たんだよ。なんたってお陽さまに当たるのはタダだからね。」
16年前にこの地にやってきた日雇い労働者のかっちゃんは、こう語りました。
「仕事にありつくのはなかなか大変だけど、ここには友達がいるからね。」

                

何百年もの間、働ける場所、隠れ住む場所、仲間を求めてたくさんの人々が山谷にやって来ましたが、かっちゃんはそうした人々の最後の一団に属するかもしれません。

                   

江戸時代(西暦1603-1868年)、江戸市中の他の場所に定住することができなかった渡りの労働者などが、山谷にある安宿である木賃宿で暮らしていました。
戦後は太平洋戦争中のアメリカ軍の空襲によって住む場所を奪われてしまった人々が、間に合わせの小屋掛けをして暮らす場所になりました。

                    

その状況を哀れんだ占領アメリカ軍が軍用テントを寄付したりしたこともありましたが、その後徐々に木造の木賃宿が建てられていきました。
1953年までに約6,000人が100軒ほどの木賃宿に住んでいましたが、その10年後のピーク時にはその人口は15,000人に、宿泊施設も220か所にまで増えていました。

              

                  

しかし現在、山谷の地名を地図上で見つけることはできません。
1966年、日本政府は山谷の名前を公的記録から削除するよう命じたのです。
そて山谷は清川と堤の2つの地区に分割されました。
貧困、アルコール依存症、暴力、日雇い労働者のたまり場という印象をカモフラージュしようとしたのです。


日雇い労働者こそは戦後数十年間、東京タワー、1964年の東京オリンピックの関連施設、首都高速道路、そして今日の大都市東京の基盤を築くことになったその他のインフラ整備のための肉体労働を提供した人々でした。

                 

しかし日雇い労働者も彼らが暮らす場所も想像を超えた変化の波が押し寄せる中、変わらざるを得ない状況に追い込まれています。

               

山谷もまた他の日本の多くの地域社会同様、年代別人口の偏りの影響を感じさせる場所になりました。
ここに住んでいる推定1,500人の元労働者のほとんどは60~70代で、中には80~90代という人もいます。
黄昏時ともいうべき次第に入った現在、かつては肉体労働で疲れきった労働者によって埋まっていた簡易宿泊施設は、わずかな年金や給付金でかろうじて生きのびている男性たちのための事実上の高齢者収容施設に変わりました。

             

「最近では暴力沙汰はまずまれだが、種々雑多な人々の住処と化した山谷では住民は新しい緊張の種に直面させられている。」
こう語るのは山谷の新しいまちづくりや就労支援などに取り組むYUI(結)Associates(http://sanya-yui.net/)の代表理事である義平真心(よしひらまごころ)さんです。

                  

                   

高齢化した労働者の人口は減少を続けていますが、地元で工場や他の中小のビジネスを営む定住家族との共存が難しい状況にあります。
その一方で山谷にある約140の簡易宿泊施設のうちの約20か所には、その手軽さから利用する若者も多く、外国人のバックパッカーの利用も増えています。
彼らを引き付けるのは清潔で快適な室内と一泊たった2,000円という低料金です。

https://www.theguardian.com/cities/2019/jun/14/the-tokyo-neighbourhood-where-people-come-to-disappear

《後編》に続く

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人間が生きるということには多様性があるべきだと思いますが、その選択が自ら望んだものではなく仕方なくそこに落ち込んでしまったという人々も多数います。

落ち込んだ理由が「使い捨てられてしまったから」というのでは、それでは心が荒んで当たり前だと思うのです。

自己責任などという言葉は現実をいたずらに単純化するだけのもので、明快なようで実は極めて曖昧で無責任な言葉だと思います。

物事をきちんと考えられない・探求できない粗雑な頭脳を持った人間たちが好んで使いそうな言葉です。

一方でセーフティネットという考え方がりますが、今の日本はその点も非常に危ないのではないでしょうか?

理由はもちろん現在の政権です。およそ人を思いやるという姿勢が微塵も感じられない首相と副首相をその座に置いたままにして、日本人のセーフティネットなど機能しようがないだろう!と思うのです。

男女平等について日本は『衝撃的』なほどの後進国《後編》

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安倍政権の『ウィメノミクス』、派手な広告宣伝をする前にまずは地道な基本的取り組みを始めなさい!

国内にはびこる偏見、政権発足当初よりもなお一層後退した安倍政権の『女性が活躍する社会』

山森菜々子 / ガーディアン 2019年6月13日

            

「安倍政権のウィメノミクス(Womenomics)なんて、でたらめもいいところです。彼らがまずやらなければならないのは、女性の社会的地位を引き上げること、その取り組みを始めることです。」
「でもそのことを公の場で議論することは、この日本ではとても難しいことなのです。女性たちは口々に不満を言っていますが、ほとんどの場合男性が支配している公の場では口にすることすら許されない雰囲気があります。決定権を握る女性はほとんどいないため、みんなこう考えてしまうのです。『自分の能力が足りないということだけが、地位が向上しない理由なのか?それとも他に原因があるのか?」

                 

こうした弊害や偏見は国政の場でも幅を利かせています。
桜田佳孝元オリンピック担当大臣は先ごろ、すべての日本の女性に対し「最低でも3人の子供」を生むように求め、ソーシャルメディアを使って日本の出生率の減少は子供を産もうとしない女性に責任があると非難しました。

               

そして安倍政権がこれ見よがしに打ち出した政策にもかかわらず、現実には日本の下院に当たる衆議院議員の中、女性議員はたった10人しかいません。
さらに20名からなる安倍内閣の閣僚中女性閣僚はたった一人であり、安倍首相の再任当初と比較すると現実は明らかに後退しています。

               

2017年のOECDのレポートによれば日本では女性の就業率は70%と過去最高になっていますが、男性との賃金格差は25.7%と依然として極めて高い状態のままです。

                

東京の国際基督教大学の文化人類学者でジェンダー問題を研究する加藤惠津子教授が、女性に優しい職場環境を作り出すためには日本社会の根本的な変化が必要であると語りました。
「私たち日本人は価値観を変える必要があります。短時間で多くの仕事をこなせる人が才能のある労働者と言えるのであれば、長時間働いたり、まして出勤さえすれば良いというのでは質の良い労働とは言えません。」
「さらにいつどこで仕事をするかを選ぶことができることが上手な働き方だと考えることができるようになれば、体制の変革を効率的に進めることが可能になります。」
「インターネットの進歩により、多くの産業界でこうした体制の変革が可能になるはずです。」

                  

こうした変革は現実になりつつあります。
寿司職人のような伝統的に男性の職業とされたきた分野に女性が進出することは困難とされてきました。
伝統を重んじるな専門家の中には魚を新鮮に保つには女生の手は暖かすぎると言う人がいます。
さらには長時間労働が女性進出の妨げになっているという指摘をする人もいます。

                

都市部で7店舗の寿司店を経営する阿部寿司の阿部ひろし氏は、性別を気にすることなく積極的に女性の職人を募集しているという珍しい寿司店経営者です。

「業界の成長が続いているので、女性男性両方の職人にとって大きなチャンスがあります。男性職人が気づかないような細かいところに気を配ることができるので、女性の職人は高く評価されています。」

            

日本国内には女性の役割は家庭内のことに限られるという抜きがたい偏見があります。
伝統的に家計のやりくりと育児が女性の役割であるとされ、夫が一家を支える収入を稼ぎ出し、妻はそれを貯蓄と月々の夫の小遣いを含めた消費に割り振ることに専念すべきだとする考え方です。
おうちのリサーチ研究所によれば10世帯のうち7世帯がこうした考え方に則って運営されています。

             

こうした旧態依然としたやり方が続く現実がある一方、国際基督教大学の加藤教授は過去30年間男女格差は一貫して縮小してきていると語りました。
日本の男性優位の産業構造が何年にも及ぶ経済的停滞によって信用を失い、そのためにその傾向は加速していると語りました。

               

https://www.theguardian.com/cities/2019/jun/13/there-are-almost-no-women-in-power-tokyos-female-workers-demand-change
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私が卒業した高校は男子校でしたが、何十年も経ってから同窓会名簿を使って署名を求める文書が郵送されてきました。

「(私が卒業した県立高校について)男女共学化の動きがあるが、けしからんことである。」

そして共学化は東北でトップの進学校としての伝統(かつては間違いなくそうでしたが、その当時はすでに県内で2、3番目に順位が下がっていました)を損ねることにつながる云々の文章が続いていました。

ここだけの話ですが、私の最初の感想は

「正気か?!」

というものでした。

「男女共学が良いか悪いかは、今通っている子供達が決めれば良い問題。卒業して20年も30年も経つ現実に関係のなくなった人間が口出しすべき問題じゃないだろう。」

そう妻に言ったことを記憶しています。

              

差別をしたがる人間の最大の動機は劣等感だと思っています。

伝統云々と騒ぎたがるのもそれに近いものだとも思っています。

人間でも文化でも、真に優れているものなら自然に認められるようになります。

その時、周囲にいる人間に求められることはその邪魔をしないこと。

故意に貶めようとするなど、最低の人間のすることです。

男女平等について日本は『衝撃的』なほどの後進国《前編》

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「日本にはふさわしい地位と権力を持つ女性などほとんどいない」変化を要求する日本の働く女性たち
男女間格差を改善するつもりなどない安倍政権の『ウィメノミクス』、怒りを募らせる女性たち

               

                

山森菜々子 / ガーディアン 2019年6月13日

              

「花のデモ隊」が6月11日に東京に集まり、性的暴行の被害者に対し事実上法的保護が存在しないことに抗議しました

          

石川由美さんが職場でハイヒールの着用を余儀なくされることに反対する嘆願書を提出したことが世界中に広まった後、日本国内では石川さんを応援し「現代における纏足」について非難する共感の意見表明から驚きをともなう失望の表明まで、さまざまな反応がありました。
2019年の段階で、民主主義国家である日本において、それでもなお女性の権利の問題はハイヒールに縛られなければならないのでしょうか?

           

しかし『#KuToo』(日本語の『靴』と『苦痛』をかけあわせた造語)ハッシュタグに世界的なスポットライトが集ったものの、これまでは日本で実際に起きていることについては、もう一つはっきりさせられなかったかもしれません。
「実に些細なことに過ぎないのです。」
出版会社の役員を務めるある女性がこう語りましたが、彼女もまた匿名にすることを希望しました。
しかし最終的に東京の路上における女性たちの抗議はただ単に楽な履物を求めることに留まらず、女性にとって本質的な変化を求める動きへと大きくなり続けています。

                

「ハイヒール問題にこれだけ海外メディアの注目が集まったことに驚いています。」
こう語るのは性暴力の被害者団体『SPRING』のメンバーです。
「もっと深刻で根深いものです、日本の性犯罪の問題は。」

                

6月11日の夜には「性犯罪にNo!を突きつけよう」「日本の司法には人権についての再教育が必要だ!」などと書かれたプラカードをかかげた数百人の女性そして男性が集結しました。
この「ザ・フラワー・デモンストレーション』と名付けられた月例の平和的抗議運動は、女性に対する性暴力の裁判で最近立て続けに無罪判決が下されたことがきっかけで始まりました。

                

参加者の中で最も著名な女性の一人が参議院議員で元社民党党首の福島瑞穂氏です。
「問題にされるべきなのは加害者であって、被害者をやり玉に挙げるのをやめさせなければなりません。」
抗議集会の会場で福島氏がこう語りました。

                

こと男女間の不平等という問題については根の深い保守的偏向が強い日本社会にとって、こうした運動が盛り上がっていることは大きな進歩的ステップです。
世界経済フォーラムによれば、日本は男女間の平等に関する国家としての順位が110位という衝撃的とも言える低い位置にとどまり続けています。
つい最近行われた明仁天皇の退位の儀式では女性は会場の中に入ることすら許されず、まして皇位を継承する権利など持っていません。

               

昨年、日本国内の9つの医療系大学が女性志望者を最初から合格者から除外する不正行為を行っていたことを認めました。
相撲の世界では、脳卒中で倒れた人に救急措置を施そうと急ぎ土俵の上に上った女性医療従事者が、土俵には男性しか上がれないと退去を命じられ、激しい抗議が巻き起こりました。

                

しかし日本の女性が往々にして従順で弱々しいと判で押したように評価されてきたとしても、新時代の令和においてはそうではないかもしれません。
『花のデモンストレーション』その中で最も傑出した例であり、この運動は世界的常識からすれば異常ともいうべき冷酷な裁判所の判決によって始まりました。

                 

訴訟では、19歳の娘を繰り返し強姦したとして起訴された父親が被告人でした。
裁判所は被告の父親が同意を得ずに性行為を強要したことを認めていながら、女性が抵抗したという証拠は無いとして父親に無罪の判決を下しました。
この判決に対し全国9都市で一斉に抗議行動が行われ、4万人以上の女性が正しい裁きを求める嘆願書に署名しました。
そして多くの性犯罪被害者の女性たちが、自らの経験について重い口を開くようになりました。

                  

『SPRING』の代表者の山本じゅんさんもその一人です。
「私たちは被害者に対して温かいく町できっぱりと次のように言葉をかけられる社会を創造したいと考えています。『私たちはあなたを信じています。あなたが悪いのではありません。』と被害者をしっかりと支えてくれる社会を。」
山本さんがこう語りました。
「そのためには、まず被害者の立場を大切にする考え方が日本に根付かなければなりません。」

                   

山本さんは日本政府が実に100年ぶりに2017年に書き直した性的暴行法の改正をリードしたロビイストです。
強姦の定義にアナルセックスとオーラルセックスの強制を含め、強姦罪の最低限の懲役期間を3年から5年に引き上げ、被害者の告発がなくても起訴が可能にしました。
しかし山本さんは、被害者への支援を充実させることを含め、やるべきことはまだたくさんあると語りました。

       

もうひとつ、制度的な性差別との戦いがあります。
6月初旬、36人の女性が東京医科大学を相手取って1億4,300万円の損害賠償を求めて東京地方裁判所に訴訟を起こしました。
同大学は入試の際、合格した男性受験者よりも高い点数を取った女性たちを不合格とする不正操作を組織的に行っていた9つの大学のうちの1校です。

                

この事実が露見した後「何割かの女性医師は出産を機に職場を去るため、将来的な医師不足を防ぐためには医師は男性である方が望ましい」という論理を展開し、大学側の対応を弁護しようとした人々もいました。
しかしこのスキャンダルは政府による調査に発展し、今回訴訟に踏み切った原告の女性たちは将来こうした性差別が起きないようにする足がかりにしたいと語っています。

               

しかし『#KuToo』に対し、安倍政権の根元厚生労働大臣は議会の場で、職場でハイヒールを履くことを要求することは完全に受け入れられるべきことだと語りました。

                  

これに対し安倍政権が掲げる「ウィメノミクス」政策はただ単に多くの女性を労働力として利用しようというだけのものだとして、多くの女性たちから一層の怒りを買うことになりました。

               

《後編》に続く
https://www.theguardian.com/cities/2019/jun/13/there-are-almost-no-women-in-power-tokyos-female-workers-demand-change
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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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