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第二次世界大戦時代の賠償問題で混乱する日本と韓国《後編》

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底流に長期に及ぶ見解の相違や意見の対立が続く『最も重要な同盟国』

これ以上日韓両国の対立が先鋭化しないようにするため、救済基金の創設が

チェ・サンフン、リック・グラッドストーン / ニューヨークタイムズ 2018年10月30日

▽ 大日本帝国の朝鮮半島支配以上の別の問題は?

 

日本と韓国はアメリカにとってはアジア地区における最も重要な同盟国ですが、2国間の背景には長期に及ぶ見解の相違や意見の対立があります。

「日本と韓国の友好的関係の法的根拠を覆すものだ。」

今回の判決について日本の河野太郎外相がこう語りました。

 

米国、日本、韓国間の緊密な協力関係の維持が難しくなることについて、北朝鮮の核開発とアジアにおける中国の覇権拡大を前に。日米韓の3か国で統一性のある対応を取ろうとしているアメリカ政府の当局者は懸念を深めています。

「これから朝鮮半島問題についてどのような外交方針で臨むかというのは非常に難しい上、中国の覇権拡大にどう向き合うのかという問題は地理的に広大であり、このタイミングで日韓が緊張関係に陥るのは不運としか言いようがありません。」

スタンフォード大学で東アジア研究の講師を務めるダニエル・C・スナイダース氏がこう語りました。

▽ 日本は国際司法裁判所に上訴することができますか?

 

河野外相は、日本は1945年に国連によって設立された国際司法裁判所の存在に言及し、日本がこうした選択肢を検討していることを示唆しました。

 

しかし韓国側は深刻な外交問題に発展することは回避したいとの考えであり、妥協案を模索していることを示唆しました。

韓国の李洛淵(イ・ナキョン)首相は、政府が「犠牲者の痛みができるだけ早く癒されるよう取り組む」ことを約束すると同時に、日本との関係については「将来を見据えたものにする」と語りました。

 

一部の学者はこれ以上訴訟件数が増加することを避け、さらには外交的緊張がこれ以上先鋭化しないよう日韓両政府と日本企業の手により被害者のための共同基金を創設するよう提案しています。

 

「両国は、これが完全な外交的対立あるいは歴史問題をめぐる戦争ともいうべき状態にまでエスカレートさせることは望んでいません。

ソウル国民大学で日本について専門に研究しているの李源德(イ・ウォンデク)氏がこう語りました。

▽ なぜこの裁判はこれほど長い間争われてきたのですか

 

この裁判は1997年に2人の韓国人元徴用工が新日本製鉄と住友金属を日本の裁判所に訴えた時から始まりました。

しかしこの時は日本の裁判所は、1965年の日韓基本合意によって問題は解決ずみだと日本企業と日本政府に有利な判決を下しました。

 

2005年、原告側に新たに2人の元徴用工が加わって韓国の裁判所に訴訟を起こしました。

第一審では裁判官が日本の裁判所の判決を支持しました。

しかし2012年に最高裁判所が、この判決が韓国憲法および国際的な法的規範に違反しているとし、審理のやり直しを命じたのです。

そして2013年韓国の下級審が日本の鉄鋼メーカーに原告に補償金を支払うよう命令しました。

原告のうち3人は現在までに亡くなりました。

同じ2013年、別の裁判で三菱重工業が5人の元徴用工に同様の補償金を支払うよう命じられました。

 

さらに2014年には日本の第3の会社、株式会社不二越(商標NACHI)が、当時存命していた元従業員13人と死亡した18人の家族の補償金を支払うよう命じられました。

日本企業側は3社とも判決を不服として上告しました。

今回の最高裁判決は新日本製鉄にのみ適用されるものですが、法曹関係の専門家は裁判所が他の2社に対しても同様の判決が下さられるだろうと予測しています。

これに加えて韓国の検察は、最高裁が朴槿恵(パククネ)元大統領が自らの外交政策を進めやすくするために裁判官に金銭的及び政治的便宜を供与する見返りに、判決を故意に怒らせた疑いがあるとして捜査を進めています。

 

朴槿恵(パククネ)氏に代わり韓国大統領に就任した文在寅(ムンジェイン)大統領は1965年の日韓合意では、犠牲者が救済を求めることを妨げてはならないと定めていると主張しています。

文(ムン)大統領はさらに、大日本帝国の統治下にあって性的奴隷労働を強いられた韓国女性の「従軍慰安婦」に関する数十年にわたる争いを決着させるため、朴(パク)大統領が2015年に日本政府との間で取り交わした合意 - 各国内では評判が悪い - を批判しましたが、取り下げるまでの対応はしていません。

 

https://www.nytimes.com/2018/10/30/world/asia/japan/How a World War II-Era Reparations Case Is Roiling Asia

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日韓関係については互いに感情的になり過ぎているのではないか、ということを前回書かせていただきましたが、日本側については全国紙と言われる新聞や元駐韓大使の人間までが嫌韓、蔑韓を煽っているのでは、その国の民度について『程度を疑われて』しまいます。

こうしたメディアや人間については、本来なら私たち国民が相手にしなければ良いだけの話です。

 

ところが、なんとかウヨという思慮に欠ける、というか物事をちゃんと考えられない人間たちがこうした『意見』(私は理不尽に相手を罵倒するだけの発言を意見だとは思っていませんが)に喝采を送り、言ったり書いたりした方はその喝采に迎合してさらに極端な表現をするなどしています。

その繰り返しをしている限り、本当の国益など実現できるはずがありません。

 

私には韓国人の友人はいませんが、家族ぐるみで付き合っている親しい中国人の友人が2人います。

そのうち、今は浙江省で病院長をしている友人に案内され、十数年前に蘇州、上海、杭州を家族旅行をした時は本当に幸せな体験をさせてもらいました。

3つの都市それぞれに地元のガイドさんがついて日本人観光客のいないコアな中国に触れることができました。

私の両親は田中角栄首相時代の国交正常化以前から日中友好協会の会員になり、何度も中国旅行をしていましたが、この時ほど楽しく充実した旅行は初めてだと言っていました。

 

友人は二人とも中国の軍事力強化については快く思っていません。

中国13億の国民全部が軍事力の強化を望んでいるわけではなく、多種多様な意見があります。

それを知っただけでも、中国という相手を冷静に見ることができます。

 

一番危険なのは中国でもなく韓国でもなく、無用に恐怖心を煽る日本国内の煽動者たちの方だと私は考えています。

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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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