星の金貨 new

星の金貨 東日本大震災や音楽、語学、ゴルフについて語るブログです。

ホーム » エッセイ » パンデミック・安倍政権の対応崩壊《前編》

パンデミック・安倍政権の対応崩壊《前編》

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

所要時間 約 9分

広告
広告

                 

無に帰した安倍政権のこの数か月間の新型コロナウイルス対応の取り組み

東京は爆発的かつ急激な感染拡大期間に入った

                

写真 : 安倍首相が緊急事態を宣言した後、人の姿が消えた大阪

                 

モトコ・リッチ、上野ひさ子、井上麻紀子 / ニューヨークタイムズ 2020年4月7日

                  

日本は新型コロナウイルスの脅威が明らかになった後の数か月間、他の国々で実施されているような厳しい制限を課してこなかったにもかかわらず、、感染率について比較的低い数字を公表し、世界を困惑させてきました。

                   

しかし今になって感染率の増加が懸念される状況に直面し、緊急事態を宣言するに至りました。
医療専門家は火曜日の日本政府の一連の動きが深刻な事態を回避するためにちょうど良いタイミングだったのか、それともタイミングを逸した上内容も中途半端なものに終わるのか、疑問を抱いています。

              

安倍晋三首相は今回の緊急事態宣言が来月まで日本最大の人口密集地域に適用されると発表した上で、楽観的な見通しを明らかにしました。
国民に対し人と人との接触機会を大幅に減らすように要望した上でこう語りました。
「そうすれば感染の拡大は2週間で減少局面に変えることができます。」

             

しかし一部の専門家は、日本が4月7日火曜日3,906件の感染を確認し1週間前と比べ倍増したことについて、緊急事態宣言は数か月に渡り安倍政権が採ってきた対応がもはや機能していないことを暗黙のうちに認めたものだと述べました。

              

                

「日本政府はやり損なったのです。」
キングスカレッジ・ロンドンの公衆衛生研究所の渋谷健司所長がこう語りました。
これまで確認された感染症例は「氷山の一角」に過ぎず、患者の急増により東京の医療制度が崩壊する可能性があると警鐘を鳴らしました。

               

現在日本は、新型コロナウイルス対策を以前より本格的に進めていますが、緊急事態への対応には宣言自体に限界があります。
宣言は国民一人一人の自主的な行動規範に依存する部分が大きく、安倍首相はそれが封鎖ではなく、公共交通機関がほぼ従来と変わりなく運行されることを強調しました。
都道府県知事が要求できるのは、自宅で仕事をし、外出を避けるようにすることだけです。

                      

安倍首相は前日、同国のウイルス検査能力を1日あたり2万回にまで増やすと発表しました。
しかしこれまでのところ、日本は1日あたり7,500回の検査能力の半分ですら実施することはめったにありませんでした。

                 

写真 : 4月7日火曜日に東京のドラッグストアの前で列を作る人々。

                       

国民に対し人と人との接触機会を大幅に減らすよう要請し、そうすることで、安倍首相は「感染の拡大は2週間で減少に転じることができる。」と語りました。

                     

イタリアやアメリカなどで見られる感染の爆発的な拡大がまだ報告されていない日本が果たして危機的状況にあるかどうかについて、日本政府から諮問を受けている専門家たちの間でも意見が分かれています。

                    

ウイルス学の専門家で政府のアドバイザーでもある東北大学の押谷仁教授は、4月初めにツイッターにこう投稿しました。
「感染のホットスポットにさえ行かなければ、人々が普通の生活を続ける限り感染リスクは非常に低いと言えます。」
こうした場所は、政府によって「3密」(不特定多数の人間が接近して集まる閉鎖空間)として定義されています。

                  

                

ほとんどの統計で世界最大の都市とされる東京ですが、過去5日間の感染の発生件数は2倍になり、感染者数は1,000人を超えました。
現在、一部の政府顧問は危険な新しい段階に入ったことを警告しています。

                

北海道大学の疫学の専門家であり、日本政府に助言を行う専門家委員会のメンバーである西浦博教授は日経新聞の取材に次のように答えました。
「東京は爆発的かつ急激な感染拡大期間に入った可能性があります。」
「外出については今よりもっと強い制限をかける必要があります。」
と語り、人々に自制を促しました。

                  

日本国憲法については都市の封鎖を行ったり強化したりするための改正が必要かもしれません。
安倍首相が緊急事態を宣言する根拠となった改正したばかりの特別措置法は他の感染拡大が深刻な国々の法律とは異なり、国民に自宅待機を求めたり、企業に業務停止を発令する権限を首相に与えるものではありません。
安倍首相は都道府県知事に学校を閉鎖し、建物の所有者に医療施設としての提供を命じるよう要請することはできますが、日本国政府と各自治体の当局は外出禁止や在宅ワークの要請を無視した人々に対して懲罰を科すことはできません。

                   

                     

東京都内のはっと保育園園長の江藤みきこさんは、園児たちの保護者が緩やかな指導のもとでの行動をお願いしたいと語りました。
4月第1週の段階ではまだ定期的に通っている150人の子供たちのほとんどが通ってきていていました。

                  

毎日の体温測定とおもちゃやテーブルなどを頻繁に消毒していましたが、スタッフは新型コロナウイルスへの感染を心配している、と江藤さんが語りました。
「多くのご両親が園を出入りすることにストレスと緊張を感じています。」

                   

翌週になって東京都内で感染が確認された症例が急増したことを受け、江藤さんは子供たちをできるだけ自宅に留め置くよう依頼する電子メールを園児の親たちに送りました。
その日保育園に来なかったのは子供たちの約3分の1だったと江藤さんが語りました。

                

その翌日安倍首相は、両親の中には子供たちの世話をしてくれる施設を必要とする人々がおり、保育園の閉鎖は強制されないだろうと語りました。      

                  

※個人名の漢字表記に誤りがある可能性があります。ご容赦ください。

《後編》に続く

https://www.nytimes.com/Japan Declared a Coronavirus Emergency. Is It Too Late?

  + - + - + - + - + - + - + - + 

                        

東京2020オリンピック開催を優先し、国民の安全・医療制度の整備を後回しにした結果が、現在の日本のこの状況なのではないでしょうか?

威力が猛烈、なのに出現したばかりで正体が不明というウイルスが蔓延する兆しがあり、既に幾つもの国々が危機的状況に陥っていた段階でも、安倍政権はまだ東京2020オリンピック開催を最優先課題にしていたことは、私たちがこの目で目撃していたはずです。

                     

この間、医療制度の体制整備に全力で取り組んでいれば、今日、そして今後起きるであろう悲劇の多くを防げたかもしれません。

                    

これから先も、『自己責任』で亡くなっていく方が多数に上るであろうと考えると、暗然とならざるをえません。

                   

広告
広告

 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事に関連する記事一覧

このサイトについて
ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
最近の投稿
@idonochawanツィート
アーカイブ
広告
広告
カテゴリー
メタ情報