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【 大義なき原発建設との戦い – 新設をたくらむロシア資本 – 闘う女性市民活動家 】《後篇》 GRD

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所要時間 約 8分

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ロシア資本の原発開発会社と結びつき、かつてのソ連邦国家に圧力をかけ続けるプーチン
自宅軟禁、嫌がらせ電話、脱原発運動の活動家に対するロシア国家機関の妨害活動

ナビーアー・シャビア / ガーディアン 7月25日

ベラルーシ・タチアナ01
「ベラルーシのルカシェンコ大統領は、原子力発電所がエネルギー安全保障にとって重要な役割を担うものだと力説しています。」
タチアナがこう語りました。
「原子力発電技術がそれ程進化したと主張するのなら、なぜ放射性核廃棄物を処理する技術は存在しないのか、その理由を説明してほしいものです。」

「天然ガス火力発電所の設備を更新し、農作物からバイオエネルギーを取り出すことにより、この国のエネルギー・システムは改善しているはずなのです。」

来年に予定されている大統領選挙が何か事態を進展させることはないだろうと、彼女は語ります。
しかし、彼女はウクライナでの対立が周辺各国の状況に影響を与える可能性は残されており、最終的にルカシェンコの権力基盤を弱めることを期待しています。
「私たちベラルーシ国民とウクライナの人々は、同じ深刻な問題を抱えています、ウラジミール・プーチンです。」

Gorleben04
ベラルーシで計画中の原子力発電所建設はロシアが資金提供することになっています。
この原子力発電所建設の費用をベラルーシ政府は94億ドル(約9,450億円)と見積もっていますが、このうち2015年までに予算の3分の1を使って原子炉の建設が行われます。
作るのはロシアのアトム・エネルゴ・マッシュ( http://www.aem-group.ru/wps/wcm/connect/aem/siteeng/ )社です。

タチアナは2011年、福島第一原子力発電所の事故か発生したにもかかわらず、原子力発電の廃止についてどのような対策も取ろうとしないEUに対し批判的です。
しかしEU加盟国の中では、数カ国が原子力発電の廃止を決めたことを彼女が指摘しました。

「ドイツは2022年までに原子力発電所を全廃します。そして昨年は再生可能エネルギーによって、全電力の50%を生み出しました。そしてイタリア国民は国民投票において、原子力発電にノーを突きつけました。」

ベラルーシ国内の多くの活動家同様、ノビコワは深刻ないやがらせに直面させられました。
彼女は、反原発抗議活動を行ったかどで、ミンスクにあった自宅に軟禁されたことがあります。
初老を迎えた彼女の母親は嫌がらせ電話を受けましたが、ベラルーシの警察がその電話がKGBからのものであることを確認しました。

仏・フェッセンアイム
ロシア国内では、ロシア議会に原子力発電所建設反対の請願書を提出しようとしたことを理由に逮捕され、5日間投獄されました。

タチアナ自身、2011年に甲状腺がんを発症しましたが、チェルノブイリの事故との関連性は不明のままです。
WHOはチェルノブイリの事故による環境汚染が深刻な地域では、さらに50,000人の若年層が新たに甲状腺がんを発症することになるだろうとの報告を行いました。
福島第一原発の事故後の日本においても、甲状腺がんの発症率の上昇が確認されています。

しかし、彼女は自分自身の問題についてくよくよしている暇はないと語りました。
「少なくとも私は、まだ生きています。私の甲状腺がんの問題は、最悪の問題に直面させられている人々と比べれば、救いがないというほどではありません。」

「私はこれからどうしたらよいのでしょうか?
闘いはもう止めた方が良いのでしょうか?
私は健康を失いましたが、今度は家を失ってしまいそうです。」

ベラルーシ・タチアナ02
「私がこの問題から逃げ出さなければならない理由は何でしょうか?
私はこれからアメリカやヨーロッパ各国に行き、この問題の存在を人々に伝えることが出来ますが、逃げ出してしまったらそれも出来なくなり、何も変わることはありません。命まで脅かされそうになったら、その時は逃げ出すかもしれません。
命まで脅かされても尚、脱原発の運動を続けるのかどうか、その答えは誰も解らないでしょう。
でも今の私には、できることがあるのです。」

※ベラルーシ政府はタチアナ・ノビコワが指摘したように、新たな原子力発電所建設計画に関する正式な建築確認を行わなかったことによりオーフス条約に違反したのではなく、懸念を有する一般市民との協議を行わなかったことによりオーフス条約に違反したという点を明確にするため、この記事は7月29日に改訂されました。

〈 完 〉

http://www.theguardian.com/world/2014/jul/25/belarus-anti-nuclear-chernobyl-on-her-doorstep
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河北新報で連載が始まった、【 脱原発への道・第2回 】のURLは下記の通りです。
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201408/20140806_73007.html

この記事にあるように、脱原発のための戦いはそのために自分が出来ることを探す戦いであるのかもしれません。

8月8日(金)は掲載をお休みいたします。
よろしくお願いいたします。

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【 2014年7月の傑作宇宙写真 】《1》

アメリカNBCニュース 8月1日
(写真をクリックして、大きな画像をご覧ください)

SPC01
NASAのチャンドラX線観測衛星により撮影され、処理を施されたG292.0+1.8の超新星残骸。この写真は1999年7月23日にスペースシャトル・コロンビアによって衛星軌道上に乗せられてから15周年になるのを記念して公開された写真の内の1枚です。
チャンドラによるX線観測の目的は、過去の爆発により生じた衝撃波の軌跡をたどること、そして破片の拡散状況を追跡することです。(写真上)

国際宇宙船の中からドイツの宇宙飛行士アレキサンダー・ガーストが撮影し、7月17日にツィートした写真。太陽の光を反射する地球の水面の写真です。(写真下・以下同じ)
SPC02
7月11日『マンハッタン・ヘンジ』を見るためニューヨーク42番街に架かる橋に集まった人々。
マンハッタン・ヘンジは2年に一度、太陽がニューヨーク市の通りに対し、垂直方向に沈んでいく現象の事です。
SPC03
1054年、中国をはじめとする世界中の天文学者が超新星爆発により、かに星雲が作りだされる瞬間を目撃しました。
NASAのチャンドラX線観測衛星が撮影したこの写真は、かに星雲の中心部分から高エネルギー粒子の嵐の中から、中性子星が高速で回転しながら噴出している様子をとらえたものです。
低エネルギーのエックス線は赤、中エネルギーは緑、高エネルギーは青で表されています。
SPC04
7月15日に国際宇宙ステーションから撮影された南極光の写真。撮影されたのはオーストラリア南部の上空。
SPC05
7月2日、ロシアのスターシティにある宇宙飛行士訓練センターで、宇宙服を物干しに掛けて乾かす男性。
この宇宙服はアメリカ、ロシア、日本の宇宙飛行士のもので、彼らは帰還のためのソユーズカプセルが水面に着水した場合の訓練を受けました。
SPC06

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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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