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がんへの恐怖、そしてうつ病が蔓延する日本の避難民[福島の原子力大災害]〈第2回〉

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所要時間 約 11分

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アメリカNBCニュース 3月27日

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【ひときわ輝きを増す金星と木星】
いついかなる場所でも、というわけにはいきませんが、夜空の天体観測の またとないチャンスが巡ってきました。ロンドン・デイリー・メールが発表した天体ショーの様子を、世界中から実際に見ることができます。
二つの太陽系の惑星、木星と金星が非常に近い場所でひときわ明るく輝いています。特に金星は最も明るく輝く時期にさしかかっています。この数年間で二つの惑星が最も明るく輝く時期に入って来たのです。
夜になれば肉眼でもはっきり見ることができますが、小さな望遠鏡があればもっとよく観察することができます。

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【渦を巻く地球の七つの海】
(スクリーンに表示される原題は『悠久の海』)

アメリカNBCニュース 3月28日

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アメリカ航空宇宙局の映像制作部門が制作した2005年から2007年まで の、世界の海流の動きを表現したアニメーション映像です。

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【もはや宇宙、という高さからのスカイダイビング】

アメリカNBCニュース 3月16日

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スカイダイビング以上にあなたの血圧を一気にあげるものはありませんが、もはやこの場 所は宇宙、という高さからのスカイダイビングならどうなるでしょうか?!
恐れを知らぬ男、フェリックス・バウムガーテンは、すでに高度13マイル(20,000メートル)上空からのスカイダイヴを成功させています。
今度は彼は何と、高度23マイル(37,000メートル)上空から飛び降りるための訓練を行っています。この高度から降下した場合、彼の肉体は音速の壁を突き破ることになります。
ちょっと比較してみましょう。ほとんどの航空機の巡航高度は5.5マイル(8,800メートル)付近の高さになります。
アメリカ航空宇宙局(NASA) はフェリックスの挑戦にいたく関心を持っているようですが、それというのもこの数年間取り組んでいる宇宙ステーション建設計画に問題が発生した場合、滞在している宇宙飛行士たちを安全に脱出させる方法の確立が目下の緊急課題だからなのです。

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追いつめられる、ということはどういう事か?
という事を考えたとき、過失も無いのに大勢の人間が追いつめられる、ということはもはや世界史上の出来事だ、という事に気がつきました。

第二次世界大戦のナチスドイツによるホロコースト。
パレスチナ難民、朝鮮戦争、ベトナム戦争、近くは1970年代の中国での文革の暴走による江蘇省・安徽省などでの200万人の餓死など。
もはや人間一人の力ではどうしようもない『運命の渦』とも言うべきものが生まれ、数限りない悲劇が生まれます。

しかし、その事の起こり際であれば、一人一人の力を合わせることにより大きな運命の渦が生まれるのを防ぐことができるはずです。
たとえばナチスドイツによるホロコースト、ちょっと前まで大きなブームになったドラッカー氏は、1930年代に当時台頭し始めのナチスにインタビューし、
「この連中は将来必ずユダヤ人虐殺をするだろう。」と確信を持ったそうです。
彼は警鐘を鳴らしましたが、多くの人は耳を貸すことなく、ドラッカー氏自身がアメリカに亡命するという結末に終わっただけでした。
その代償はとてつもなく高いものでした。600万、800万、一説には1,000万人ものユダヤ人が虐待の上、虐殺されました。
安穏と死んだのではないのです、繰り返し苦痛と屈辱を与えられた挙句、殺されたのです。

聴くべき意見を無視したことの代償はあまりに大きかった、と言わなければなりません。

アメリカの原子力技術者のアーニー・ガンダーセン氏はその著書「福島第一原発 - 真実と展望」(集英社新書)の中で
福島第一原発の4号機の使用済み燃料プールの現状は、『原子炉の炉心をそっくりそのまま取り出したと同じもの』だと書いておられます。
そしてそれが崩壊間際の構造物の上にあり、絶えず冷却を続けなければ火災を起こす危険性がある。
もし火災を起こせば、原子炉の炉心が空気中で燃焼する、という事であり、それこそ人類にとって未知の体験になり、東京はもちろん恐らくは東日本全域から人々が避難しなければならなくなるだろう、と語られています。
東日本全域が人が住めない場所になったら、日本はもう『終わり』なのではないでしょうか?

アメリカの物理学者のカク・ミチオ博士も、どうも日本の人々は現在福島第一原発で起きていることに鈍感に過ぎるようだ、と語っておられます。
まさに今この国がやらなければならないことは、全力を挙げてこの数百本の使用済み核燃料を安全な場所に移し変え、絶対に核燃料によるホロコーストが起きないようにすること、のはずなのです。

それが目下、国を守ることであり、国民を守ることであり、この国の未来を守ることのはずなのです。

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【 がんへの恐怖、そしてうつ病が蔓延する日本の避難民 】
[福島の原子力大災害]〈第2回〉

デア・シュピーゲル・オンライン(ドイツ) 2012年3月9日

〈写真 : 『屋内で』遊ぶことを課されている福島の子供たち 〉

▽ 地元の食材や水道水を避けて

一方で日本の当局は、今回の大惨事がもたらす長期的影響に関する研究を開始しました。
200万人に上る福島県民は、今後30年間経過観察を受けることになります。
これは全身の放射線検査、甲状腺の検査、そして詳細なアンケートを組み合わせることにより、今回の大惨事がもたらす影響を調査します。

莫大な費用が掛かりますが、同時に膨大な量の研究結果が得られることにもなります。

2月初旬、ウィーンに世界中から60人の放射線専門家が集まり、初期の調査結果に関して検討を行いました。
事故が続いている間、人々がどのような影響を受けることになるのか、そして今後数十年にわたる低線量被ばくによる影響について検討が行われたことを、ドイツ政府の放射線防護担当職員であり、『原子放射線による影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)』委員長であるヴォルフガング・ヴァイスが明らかにしました。

福島で放射線の脅威にさらされた人々の被ばく線量は高い数値を示しており、彼らの恐怖は極めて切実であり、日常生活の中に暗い影を落としています。
多くの住民は地元の食材、そして水道水を決して口にしようとはしません。

反核の立場にある『憂慮する科学者連盟』のエドウィン・ライマン博士は、現在の状況を以下のように見ています。
「統計上ガン発症患者数の増加が見られないとしても、放射線の影響によるガン発症者が存在しない、放射線がガン発症の原因にはなっていない、という事ではありません(統計数値は母数を大きくするなどの操作により、実際の影響を小さく見せることが可能です)。」

UNSCEARのヴァイス委員長によれば、現在不明なままなのは事故後数週間の間にヨウ素131による汚染が何を引き起こしたか、という事です(放射性崩壊による半減期が約8日間と短いため、事故後1週間以上過ぎてから調査をしても、環境中からはほとんど検出されない)。
どのぐらいの広さで環境を汚染したのか?
その地域の人々の甲状腺ガン発症の可能性に、どう影響したのか?

現在わかっていることは、チェルノブイリの大惨事の後に発生したことです。
1986年の原子炉の事故と、その後の甲状腺ガン発症率の上昇との間には明確な因果関係があります。
甲状腺がんを発症させた原因として、ヨウ素131に汚染された牛乳と葉物野菜を口にしたことを特定することができます。
放射線専門家のヴァイスは、こうした因果関係が福島県で発見されるかどうか疑っています。
ヴァイスは事故直後の福島県の子供たちの甲状腺の一斉検査の結果、蓄積された放射線量は低いものだった、と述べました。
「ただし、甲状腺がんの発症率は40歳を過ぎてからの方が高くなります。」と彼はつけ加えました。

合計で360,000人の18歳以下の子供たちが、一連の大惨事の影響を受ける場所にいました。
子どもたちは成年に達するまで隔年ごとに検査を受ける必要があり、その後は5年ごとの検査が必要になります。

葛尾村の住民と同じ状況下の人々は、事故直後から子供たちのことを心配してきました。
看護師の松本さんは15歳以下の子 供たち全員が、合計被ばく線量を記録するための放射線測定装置を身に着けさせられている、と説明してくれました。
これまでのところ放射線測定装置を身に着けて以降、危険な量の放射線を被ばくした子供たちはいない、と語ります。しかし、
「私は自問自答することがありますが、一部の母親たちの反応は過敏すぎるとは言い切れないものがあります。」
〈つづく〉

http://www.spiegel.de/international/world/0,1518,820314,00.html#ref=rss

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