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『慰安婦』像をめぐって紛糾したあいちトリエンナーレ『表現の不自由展』が再開

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所要時間 約 7分

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『慰安婦』の歴史をめぐり、悪化している日本と韓国の関係
日本では『慰安婦』の問題を公の場で口にすることは長い間タブーとされてきた

                      

2019年8月3日に日本の愛知トリエンナーレで開催された展覧会の芸術作品のひとつ、『慰安婦』像

              

ドイチェ・ヴェレ 2019年10月8日

                 

論争の的となっている戦時中の韓国人女性をモデルとした従軍慰安婦像を特徴とするこの展覧会は、今年の8月初旬に一旦は中止を余儀なくされました。
日本と韓国は、第二次世界大戦の終了以降、『慰安婦』問題をめぐってずっと争い続けてきました。

                     

検閲によって展示を見送った作品を除くアート作品を展示する日本の展覧会は、韓国の戦時中の『慰安婦』像の展示に対する脅迫を受けて一旦は中止を余儀なくされましたが、2ヶ月後の10月8日火曜日に再開されました。

                

あいちトリエンナーレ2019企画展『表現の不自由展』の主催者は新たな安全対策を実施し、展示を再開したことを公表しました。

                

再開された展示会は本来は検閲によって除外された作品を中心に展示し、もともと2ヶ月以上実行する予定でした。
しかし韓国の『慰安婦』像が展示されていたことにより、開始わずか3日後には大きな騒動が持ち上がりました。

               

日本政府は愛知県が展覧会に関する完全な情報を事前に十分に提供提供することを怠ったと主張し、展示会への助成金の撤回を表明しました。

                

              

『慰安婦』という名称で知られる主に韓国の女性と少女約20万人が、第二次世界大戦中、日本軍によって強制的に売春をさせられていたと推定されています。
歴史家は第二次世界大戦中、大日本帝国の軍隊が日本の占領地域において兵士向けの売春宿を組織的に運営していたと指摘しています。

              

この歴史をめぐり、日本と韓国の関係が悪化しています。

                

第二次世界大戦で降伏した後も、日本では『慰安婦』の問題を公の場で口にすることは長い間タブーとされてきました。
この問題は1990年代初頭になってやっと正面から取り上げられるようになり、1992年以降、ソウル市内にある日本大使館の外で元従軍慰安婦の韓国人女性たちとその支援者たちが、日本からの公式の謝罪と金銭的補償を求めてデモを行ってきました。

              

▽「残念な事態」

               

「一部のアーティストの作品の展示ができなくなったことは非常に残念です。日本最大の芸術祭の一つであるこの愛知トリエンナーレを友好的な雰囲気の中で最後まで開催したいと思います。」
大村秀章愛知県知事は10月7日にこのように語りました。

                

今年8月、大村知事は愛知トリエンナーレの主催者が多くの脅迫的なメール、電話、ファックスを受け取ったと述べていました。

              

                   

近年、元慰安婦を支援する韓国の活動家は『慰安婦』の名誉を守るために、世界中の公共の場に数十体の慰安婦像を設置してきました。
そのうちの多くは韓国国内に設置されました。

              

これらの「慰安婦」像に対し日本政府は苛立ちを募らせ、ソウル市内の日本大使館前に設置された「慰安婦」像を撤去するよう韓国政府に迫りました。

              

日本には、女性たちが組織的に挑発されたり、旧日本軍から女性たちを誘拐してくることを請負っていた業者がいたということに異論を唱える人間たちがいる一方、女性たちが自ら高給の売春婦になったのだと主張する保守派の人間たちもいます。

                 

https://www.dw.com/en/japan-reopens-exhibit-closed-over-censored-comfort-woman-statue/a-50735236
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私個人の話ですが、第二次世界対戦前後の日本を題材にしたドラマなどを見ていて一番虫酸が走るのが、反戦的・厭戦的発言や行動をする人に対し『非国民』と罵る卑怯者たちです。
ヤクザ社会でチンピラという下っ端が素人衆に対してやたらと威張り散らしたり迷惑をかけたりするのに似て、思想的右翼といういわば筋の通った人とは異なり、近年世の中を騒がすネトウヨというのはやたらと騒ぎたがり、やたらと噛みつきたがるようです。
言ってみれば右翼界のチンピラともいうべき存在なのでしょうか?

スジの通った右翼の人なら「一緒にするな!」と怒るかもしれません。

             

こういう人間たちの主張をまともに取り上げる行政関係者がいるということは、誠に嘆かわしいことですが、そうした対応が国際社会の顰蹙を買い、日本人に対する軽蔑を買っていることも忘れてはならないと思います。

              

日本人という立場にとらわれているとわかりにくいので、現在のドイツ人とナチスドイツについて考えてみましょう。
もし理知的で思いやりのあるドイツ人がいたとして、そういう人に『ナチ野郎!』と悪罵を投げつける人はまずいないと思います。
でももし横暴で冷酷なドイツ人がいて、多くの人が『人間として許せない』と思う行為をすれば、『ナチ野郎!』と罵りたくなるかもしれません。

               

その意味で戦後70年以上が経った今になって、なぜ世界各地で『慰安婦』が設置される事態になっているのか、私たち日本人はチンピラたちが起こす騒ぎに惑わされることなく、冷静に分析し対処すべきだと思います。

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