仙台市宮城野区の震災ゴミ置き場に行ってきました。
仙台市が管理する、市民野球場が充てられています。
まさに人々の生活の残骸がうずたかく積まれています。
私が行った宮城野区の日の出町公園はもともと野球グラウンド、車の通り道には震災ゴミの畳が敷きつめられていました。
ゴミの山はテーマごと(?!)に分類され、がれき、家電製品、燃えるものなどに分類されています。
家電の山で目立つのが電子レンジ、中には買ったばかりとおぼしい最新型のオーブン・レンジなどもあり、痛ましい限りです。
実は我が家も震災前に電子レンジを買い替えたばかりでした。それまでは機能よりは価格重視で選んだ電子レンジでしたので、冷凍食品を解凍したり、飲み物を温めたり、と行った使い道が主流でした。ところが20代の娘がクッキーやら、ケーキやら、せっせとお菓子作りをするようになり、価格で選んだ電子レンジでは役不足になっていたのです。三ヶ月程も前、ついに故障したのを機に、娘も出資して、今度は性能重視でオーブンレンジを購入しました。
仙台駅前の家電量販店に娘、妻と3人で行き、アアでもない、コーでもない、と売り場で言い騒ぎ、結局展示品限りという商品ではありましたが、前のものに比べれば、はるかに高級なレンジを購入したのです。
お店のハッピを着た調子の良いおじさんが「展示品とはあるが、実際には箱から出したことが無い。」という商品を台車にのせて持って来たのですが、私が何となくカタチのバランスがとれてないような気がして、家族全員でチェックすると、実はトビラに大きなへこみがあり、あちこち擦りキズだらけ。これでは使っているうちにトビラが閉まらなくなるかもしれません。
「ん、もう...いい加減なことばっかり言って......」
結局、調子の良いおじさんに「お願いをして」別の品物を持って来てもらい、こちらは特に問題も見つからず、無事我が家の台所に収まったのでした。
そして、震災当日。新しいオーブン・レンジはそれなりに揺れたようでしたが、落下などは無く、3日間の停電の後、元気に活躍しています。
でも、ゴミ置き場に打ち捨てられたレンジたちには、もう活躍の機会はありません。用をなさない電気製品は処分するしかありません。
でも、みんながみんな、有り余るおカネを使ってここに捨てられている電気製品を買った訳ではないでしょう。
むしろいろいろな理由があって、なんとか費用を工面して買うことができた。
そんな品物もたくさんあるでしょう。
そう考えれば、ここは普通のゴミ置き場とは異なり、小さな『悲劇』が積み重なってできた山なのかもしれません。
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