ホーム » エッセイ » 記事 – 日本の牛肉汚染 動画 – 隠蔽、意図的遅延、そして過小報告 – 米国CNNが指摘する、東京電力と原子力保安院の「三悪」
今日は記事の方は英国BBC放送の牛肉汚染問題です。Q&A方式になっていてわかりやすいと思いましたので、翻訳・掲載しました。
この問題は日本のニュースでも一面扱いですが、「電力不足による産業の衰退」はまだ起きていませんが、「放射能汚染による地域産業の壊滅」、「放射能汚染による日本の食の安全の崩壊」は、現実に起きてしまったことになります。
福島県の畜産農家は、大切に育ててきた牛をどこに売る事もできなくなってしまいました。その、辛さ、悔しさは察するにあまりあります。
日本のニュースで、取材に答えた農家が「俺たちは何にも悪い事なんかしてないのに......」と話されていましたが、まったくその通りだと思います、悪い事なんかしていない。
ただ、選択の誤りはしておられたかもしれません。「原発はまったく安全だ」「原発を作って地域活性化だ」と主張した市会議員、県会議員、国会議員に、選挙の際に投票されていたかもしれません(wikipedia『佐藤雄平』の項をご参照ください)。
動画はCNNが過去に放送した中から、[ Japan Nuclear Cover-up? ] - 「日本の原子力問題の隠蔽?」というビデオをご紹介します。
登場するのはサンジェイ・ギュプタ博士、3月11日の事故以降の東京電力と原子力保安院の報告や発表についての
▽Cover-up - 隠蔽、▽Timeline - 意図的に確認・発表を遅らせること、▽Downplay - 事実の過小報告、矮小化
について言及しています。
メルトダウンなどは事故翌日から一週間以内に、世界中の専門家がその発生について言及していたにもかかわらず、東京電力と原子力保安院は頑に認めようとしなかった事などに触れています。
【日本の汚染された牛肉についてのQ&A】
放射性セシウムが福島県で飼育された牛肉から発見されたあと、日本政府は福島からすべての牛肉の出荷を禁止しました。
しかし数社の日本最大のスーパーマーケットは、福島県産の牛肉をすでに消費者に販売していました。
質問:『何頭の牛が影響を受けましたか?』
回答:「554匹の牛が汚染された稲わらを与えられたということが確認されている、と月曜日(7月18日)の公式発表にとありました。しかし、600匹以上の汚染された牛が3月28日から7月6日の間に食肉加工センターに送られた、と地元のメディアが報じているように、発表された数字は今後増えると見られています。
福島第一原発の北部地域の農家が、東京に出荷した牛肉に安全基準より3~6倍高い放射性セシウムが検出されたとき、人々の健康不安が増幅されることになりました。
地震と津波が原子力発電所に損害を与えたことが、放射性セシウムが原子炉から漏れる原因となった訳ですが、地元で検査された稲わらには、安全基準より最高500倍高い放射性セシウムが含まれている事がわかりました。」
質問:『福島県の肉牛だけが、汚染されているのですか?』
「福島の他に、宮城県、新潟県を含む他の県でも、汚染された稲わらを見つけたと、当局は認めています。政府は、検査対象を国内全域に広げています。
福島県内で飼育されている肉牛の数は日本国内の3%にとどまり、汚染が県内にとどまっている限りは、畜産業に大きな影響は及ぼさないでしょう。
しかし、福島の県境を超えて広がれば、ずっと多くの損害が発生する可能性があります。」
質問:『どれほどの恐怖を引き起こしましたか?』
「汚染された牛肉2、3回を食べることが現在のレベルで健康に有害でないと言っている政府にもかかわらず、消費者にとても関します。 この恐怖が人々に完全に牛肉を食べることを避けて、短期的にひどく産業に損害を与えさせることがありえたと、専門家は言います。
数種類の野菜、ミルク、魚介類、そしてすべてのお茶に、原子力災害による高い放射線が確認された段階では、人々はすでに慎重になっていました。
日本政府の方は、これらの食品に含まれる放射線は、人間の健康に有害なレベルには達していない、と話しています。」
質問:『鶏肉と豚肉も影響を受けている可能性は、ありそうですか?』
「狂牛病問題をきっかけに、日本では食肉に関する規制が特に牛肉について強化されました。始まりから終わりまで、その肉がどこから来て、誰が消費したのか、その過程が詳細にモニターされます。
しかし、牛肉に比べると豚肉、鶏肉と魚介類は、かなり緩い基準で管理されています。この数ヶ月はそのことが、放射線がこうした食品からも検出されるのではないか、という不安を引き起こしています。」
質問:『日本の食事の中で牛肉は、どれくらい重要ですか?』
「日本人は食事に関してはかなり気を使っており、食品の質にも非常に敏感です。
一方、牛肉は日本の料理でも広く使われています。狂牛病問題が発生したときは、一時的に米国からの牛肉の輸入を一切禁止しました。」
質問:『この問題はなぜ、防げなかったのですか』
「福島県当局は地震と津波の災害が発生した直後、県内の農家に屋外で保管されていた牧草その他を牛に食べさせないよう指導するガイダンスを支給したと、主張しています。 しかし、そんなガイダンスなど受け取っていない、と農家は苦情を申し立てています。
こうしたガイダンスについて福島県は、地震の後、道路、電気、ガソリン供給などのライフラインが壊滅してしまったため、正しく理解されたかどうか確認することが難しかった、と説明しています。
福島県はまた、稲わらが牧草やその他の飼料と同じ分類に入っている事を、一部の農民が理解していなかった点も指摘しています。」