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自助努力?高齢者を病院の外に出したい日本

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医療費削減の道を探り続ける高齢化社会

エコノミスト2019年1月10日

           

東京都下の国立市にある小さなアパートの日当たりの良い部屋の中で、茨城康之さんは目を閉じたまま苦しそうに息をしていました。
地元の診療所から隔週ごとに訪問しているかかりつけの宮崎由紀夫医師は、茨城さんの余命はそう長いものではないと感じています。
脳梗塞による脳障害、消化器系の腫瘍、そして物を食べることもできず飲み込むことできません。
茨城さんの妻の玲子さんはチューブを介して食事を胃まで送り、喉に詰まった痰を取り除いています。
「彼は仲睦まじい家族で育ち、もの静かな人間なので、病院に行くよりもここにいるほうがいいと思います。」
玲子さんがこう語りました。

          

日本の平均寿命は世界一長く、84歳です。
それは国民にとって朗報ですが、一方では人口の中で高齢者の割合がかつてないほど高くなっていることを意味します。
日本人全体の28%が65歳以上であり、同じく15%のアメリカ、21%のドイツと比べ著しく高くなっています。

           

高齢者が多いほど、国全体の医療費は高くなります。
昨年日本政府は、公的医療保険制度に基づき加入者から徴収される分を除いて、医療と介護のために15兆円の予算を計上しました。
これは国家予算総額の15%にあたります。
しかし国家の債務がGDPの250%にまで膨らみ、国家予算の24%の支出が債務の利払いと償還に当てられているため、政府は医療コスト削減の方法を懸命に模索しています。
その結果、自宅で高齢の人々の世話をすることが、最良の選択肢の一つであるとされているのです。

             

すべての日本人は、雇用主または地方自治体を通じて公的保険に毎月健康保険料を支払っています。
その見返りに、公立私立を問わず医師や病院の治療と投薬を受ける権利がありますが、上限はあるものの治療費の一部も支払わなければ - 自己負担しなければなりません。
2000年日本は65歳以上の人々のための長期にわたる介護を目的とし、40歳以上に支払いの義務を課す追加の公的保険制度を導入しました。
この2つの制度によって日本の高齢者の医療費負担が支えられます。
国民から徴収される保険料および自己負担分は、提供される医療サービスに要する費用の約60%がまかなわれます。
残りを日本政府が負担します。
そして最も費用がかかるのが高齢者医療です。

日本政府が把握しているのは、他の年代の平均が221,000円であるのに対し、75歳以上の年間平均医療費が942,000円に上っているという状況です。
東京の聖路加国際大学の池上直樹氏によると、日本は高齢化が進む国々の中で医療費をかなり抑えるこむことに成功しています。
政府はコスト削減のため医療機関で受けるサービスごとに細かく料金を設定しています(しかし結果的に医療機関が不必要な検査等を行ってより多くの収入を得るよう誘導する結果にもつながっています。日本の人口1人あたりのCTスキャナの台数は他の国をはるかに上回っています)。
そして薬価が安いジェネリック医薬品の普及を促進しました。

           

命を長らえるための支出

            

にもかかわらず日本は、OECD諸国中フランスとアメリカに次いで、一方イタリアと韓国という高齢化が進む他の2カ国を上回り、医療に費やされたGDPのシェアのランキングで6位に急上昇しました。
日本は高齢者の数が増えているだけでなく、アルツハイマー病や糖尿病などの病気が原因で一人当たりの医療支出も増えています。

           

日本は長年にわたり在宅介護を推進してきましたが、今はそれも困難な状況になっています。
日本人の平均入院期間がオランダの3倍の長さであることを考えると、在宅介護の推進によって支出の削減が可能だと考えられます。
厚生労働省は2025年には100万人が在宅介護を受けることになると予想しています。
これは現在の1.5倍です。
家庭訪問専門の特別養護施設の数は、2014年の7,473から2018年には10,418に増加しました。

           

2018年政府の委員会は訪問診療をする医師の報酬を増やし、ビデオを使って医療相談を行うことを普及させることを諮問しました。
さらに在宅介護をいっそう普及促進するための新しい制度の導入を提案しました。
例えば、病院は患者を退院させる際、社会福祉サービス機関に報告相談する義務を負うべきだとしています。

          

いくつかの自治体はすでに地域社会で良質なケアを提供しています。
広島県尾道市は長い歴史を持つ小さな地方都市ですが、そのひとつです。
尾道市の医療施設では、医師、看護師、家族、さらには歯科医を加えた15分間の「ケア会議」が開催され、世話をする具体的な方法について話し合いが行われます。
「これまでこうしたシステムがなかったため、病院が患者に自宅に戻って療養するよう求めることは困難でした。それが変わりました。」
医師の片山久氏がこう語りました。

            

そして特定の病気に対する地域社会のケアも改善されています。
現在、500万人の日本人(人口の4%)が認知症と診断されていますが、2030年までにその数は6〜7%に増えるとみられています。
東京の北東にある松戸市では、患者の収容施設や医療施設だけでなく、患者とその介護者に助言を与えたり交流する場を提供するためにカフェを立ち上げる予定です。
高齢者の世話をする家族に休息を与えるデイケアセンターは一般的と言えるまでに普及しました。
空に多くのことが実現できるでしょう。
しかし多くの日本人が望んでいるにもかかわらず、自宅で息をひきとる人は現在13%にとどまっています。

            

しかし在宅医療の幅を広げるだけでは、日本の医療費を下げることは不可能です。
安倍政権は、社会保障制度そのもの見直しを望んでおり、それによって医療費の削減が可能だと考えています。

         

具体的には、定年年齢の引き上げにより日本人の活動寿命が延びて健康になり、納税期間も伸ばすことが可能になります。

          

政府はまた、高齢者に影響を与える病気の発生率を下げようと考えていますが、多くの場合もっと若い時の生活習慣にその原因があります。
「私たちは高齢者にだけ焦点を合わせる傾向がありましたが、病気を予防するためにもっと若い人に目を向ける必要があります。」
経済産業省の西川和美氏は言います。
彼は特に、日本で増加している糖尿病を引き起こす原因について、あるいは認知症の進行を防ぐ可能性がある運動について、より多くの情報を提供することに焦点を当てています。

           

日本の国民はさらに多くの医療費を支払わなければならなくなる可能性があります。
75歳以上の多くの人の自己負担額は1割にすぎません。
他の人の3割負担とは異なります。
健康保険組合の全国組織である健保連の常務理事である川本茂文氏は、政府は 75歳以上の人の自己負担額を2倍にすることから始めるべきであると述べています。
「資産を持っていない方も一部いますが、多くの高齢者の方々は持っています。」
政府には市販薬など、一部の品目を健康保険の対象から除外する選択肢があると語っています。

            

はじめにご紹介した国立市に戻ると、かかりつけの宮崎医師が玲子さんに夫の状況について話していました。
彼女は夫の状態が悪化しているのではないかと心配しており、医師の訪問のない週は不安で仕方がないと語りました。
宮崎医師はこれから毎週来ることを約束しました。

          

https://www.economist.com/asia/2019/01/12/japan-tries-to-keep-the-elderly-out-of-hospital

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15年も経てば自分も当事者となるであろうこの問題。
幸い私の妻は相談薬局を経営する薬剤師であり、今も様々な勉強を日々欠かすことがありません

        

そんな妻と話し合って私が取り組んでいる健康法(この5年間、風邪をひいたと会社に連絡して一人でパブリックゴルフ場に行ったことはありますが、実際に風邪をひいたことは一度もありません。病気らしい病気はしたことがありません。)をご紹介しますので、よろしければご参考になさってください。

              

1. 毎日8,000歩以上歩く。
2. 複数の運動に取り組む(現在は自転車、水泳、ゴルフ)
3. ビタミン、ミネラルの補給については特定の分野に特化したメーカーの品質の高い保険栄養食品(健康食品)等を摂る。(例 : ビタミンB1、Cは武田薬品工業、スクワレンは日誠マリン工業、牡蠣肉エキスは日本クリニック等)
4. 添加物の入っていない食品を食べる(食品添加物自体に毒性がなくとも、ミネラル等の吸収を阻害するものがあるため)。野菜は季節の路地物を食べる(栄養分の含有量が季節外れのハウスものとはまるで異なるため)。
5. 砂糖はできるだけ摂らない。(体内のあらゆる部分の老化を早めるため)
6. やたらと検査をしたがる医者、薬を出したがる医者にはかからない(九州で医科歯科大学の教授をしている従兄弟が常々「医者には患者を救う医者と患者を殺す医者がいるから気をつけて…」と話しています。)

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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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