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縮小し高齢化する社会:警報が鳴り続ける日本列島

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安倍首相に日本の最も深刻で急を要する問題の解決能力はあるのか
人口の高齢化と労働市場の縮小が加速し続ける中で、日本政府は常に対応に大わらわ

エコノミスト 2018年11月15日

 

「日本の出生率の低下と社会の高齢化はかつてないスピードで加速している」
安倍首相がこう警告しました。

 

この問題の規模の大きさを考えれば解決に向かうためには、今週エコノミストの取材に安倍首相自身が語ったように、政府は即座にそれに取り組むと共に「実効性のある政策」を推進しなければなりません。
安倍首相は労働生産性を高め、高齢者を支援するコストを削減するための一連の改革について言及しました。

 

現在日本の国会は一連の改革のひとつである、5年間で345,000人の外国人労働者を受け入れる政府の提案について議論を行っています。

一見大胆な政策のようですが、実は人口の減少の方がもっと大きいのです。
日本では毎年、出生者数より死亡者数の方が40万人多くなっています。
平均寿命は84年で世界最高です。
人口の28%以上が65歳以上で、ドイツの21%、アメリカの15%、インドの6%と比べ著しく高くなっています。
日本には69,785人の100歳以上の高齢者がいますが、20年間で7倍に増加しました。

福祉国家は財政的に破綻寸前です。
公的負債はGDPの250%に達しています。
そして急激な労働力不足にも苦しめられています。

すべての求職者1人に対しすでに1.6人の雇用があり、雇用者は昨年の6,700万人から2030年には5,800万人にまで縮小すると予測されています。

 

明らかな解決策の一つが移民政策です。
日本の労働力のうち外国生まれは2%だけ、比較するとアメリカは17%です。
しかし日本政府は、ほとんどは学生や研修生という名目でさらに多くの外国人労働者の受け入れを黙認という形で認めています。
以前の計画では日本の国会は、建設業、造船業、高齢者の介護など14の業種に外国人労働者を誘引することを目指しています。
彼らは当初最大滞在年数5年のビザを受け取ることになりますが、家族を連れて来ることはできません。
そして一定程度日本語に堪能でなければなりません。

しかし安倍首相には今まさに重大な決断をすべき時であるという識見がありません。
議論すべき場で安倍首相が苦労して強調しているのは、彼は新たに受け入れる外国人労働者が恒久的な移民ではなく、あくまで一時滞在者だということです。

さらに政府が進めている政策により多くの日本人が働ける環境ができるまでの間、安倍首相は外国人労働者を不足する労働力を補うための最後の手段だと捉えています。

 

これまでの6年間の首相としての在職期間中、日本では200万人以上の女性が労働市場に参加し、女性の有職率はアメリカよりも高くなっています。彼は保育所の数を増やし、大企業各社に女性従業員の雇用を増やすことに取り組む旨を文書化させました。
来年から保育園は無償化される予定です。
子供を持つ女性の就職率が2010年には38%だったのに対し、現在は半数以上の女性が職場復帰しています。
「より多くの女性を活動的にし、前進させ、より力を持つことができる社会を実現させられるように取り組んできました。」

 

さらに安倍首相は国民に対し、「生涯を通して引退することなく活躍し続ける」ことを求めています。
安倍政権は公務員の退職年齢を60歳から65歳に引き上げましたが、民間企業にも同様の措置をとるよう促しています。
こうした動きに合わせ多くの民間企業が退職年齢を引き上げ、定年を迎えて退職した労働者を多くの場合パートタイム従業員として再雇用しています。
日本では65歳以上の23%がフルタイムで仕事をしていますが、他の先進諸国と比べその割合はかなり高いものです。(グラフを参照してください)

安倍首相はさらに多くの公的年金受給者から支給年齢を遅らせることへの同意をとりつけ、こうした傾向を強めていくとみられます。
長期的には、安倍首相はロボットと人工知能が労働力不足を緩和することを望んでいます。
「生産性が高いために、雇用を減らすことができると考えています。」

 

税収の増加と年金支出の減少の両方につながるため、企業などに高齢者を長期間雇用させることは政府の財政再建にとって非常に有益です。
安倍首相のこの小手先の技は、国にとっての年金制度の負担を減らすための一連の制度変更の最新のものです。

 

しかし人口の高齢化と労働市場の縮小が加速し続ける中で、日本政府は常に対応に大わらわの状態です。
社会福祉予算は現在の121兆円(1兆1600億円)から2040年には1.5倍の190兆円にまで増えるものとみられます。

安倍首相は福祉国家としての基盤強化のため徹底的な制度変更を計画しているようにも見られています。
「健康や医療、年金などの社会保障制度について全面的な改革が実施されるでしょう。」
安倍首相はこう述べてます。
「私たちは人々が健康で元気で、そして生きていることと長生きすることの意義を実感出来る社会とコミュニティを創造しようとしています...」

しかし安倍首相は実行面においては及び腰です。
退職年齢が引き上げられても、その水準は他の多くの先進国よりまだ低い状態にあります。
さらに現在の制度では、65歳以上の人は収入あるいは給料が月額46万円を超えると年金を減らされるため、アルバイト以上のことができません。

そこまで変わるかどうかは不明です。

 

政府は、既婚女性の収入を一定以下に押さえ込もうとするおかしな税制度を他多少は修正したものの、制度としては残しました。
同様に日本の医療保険制度のもとでは患者が自己負担する医療費の割合は年齢が上がるにつれて低下し、国にとって大きな負担となっています。
政府の医療保険への負担を減らす方法としては、保険料の引き上げ、患者の負担割合の引き上げ、高額な治療を保険対象から外すなど、幾つかの方法があります。

しかし安倍首相自身はその必要性について言及する、それだけにとどめています。

「安倍政権は医療保険制度における個人負担割合をただちに引き上げるとは言っていません。しかし個人負担と給付のバランスをとることについて慎重に検討しなければなりません。」
安倍首相はこう語りました。

定期的な運動するなど、病気を予防するための行動を取った人を優遇する措置も検討されています。
「導入の是非について検討したいと考えています。なぜなら、病気の予防に習慣的に取り組んでいる人は当然見返りを得るべきだからです。」

この注意は過剰です。

 

定年退職の年齢を引き上げることは、日本においては待った無しの議論です。
2017年に実施された政府の世論調査によると、60歳以上の人々のうち42%が仕事を続けたいと考えています。
一部の政治家は外国人労働者の受け入れは犯罪数の増加につながり、社会の調和を妨害するのではないかと主張していますが、政府は今以上の外国人労働者の受け入れを認めようとしています。

 

安倍首相は日本が他の高齢化社会のモデルケースとなることを望み、前任者たちよりは高齢化し縮小を続ける日本の人口問題について取り組みを行ってきました。

しかし日本にとっての危険は、政策規模が余りにも小さく後手に回った、その結果を世界に示す例になってしまうことです。

 

https://www.economist.com/asia/2018/11/17/how-japans-prime-minister-plans-to-cope-with-daunting-demography

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