ホーム » エッセイ » 安倍政権の消費増税 : 日本の消費者の消費意欲が一気に後退
世界経済の動向の中で危機的状況が見え始めていた日本経済に、決定的な打撃
景気減速が予想を上回るペースで進行
金子かおり/ ロイター 2019年12月6日
消費税の引き上げにより消費者が家計支出を抑えこんだこと、そして自然災害の拡大により日本経済が混乱を被ったため、日本の一般世帯は今年10月、ほぼ1年ぶりに支出を削減しました。
一般世帯の消費支出は、10月に前年同月比で5.1%減少、日本政府のデータは6日金曜日に11か月ぶりに減少に転じました。
消費支出が5.3%減少した2016年3月以来の最大の減少幅であり、各経済学者の予測値の平均である減少率3.0%という数値を下回りました。
これは9月の9.5%という消費の急増から一転して転落したことを示すものです。
9月は10月1日に消費税率が8%から10%に引き上げられる前の駆け込み需要が発生し、記録上最も急激な成長を記録しました。
「消費支出の急激な鈍化は消費税の引き上げだけではなく、台風による被害も支出の減少を加速させることになりました。」
NLI研究所のエグゼクティヴ・リサーチフェローである斎藤太郎氏がこう語りました。
「経済全体と個人消費は10-12月期四半期に縮小し、1月から3月に緩やかに回復すると予想していますが、回復は力強うものにはならないはずです。」
日本が前回消費税を5%から8%に引き上げた2014年4月、家計支出は4.6%減少しました。
この時は一般世帯の消費支出が成長軌道に戻るまでに1年以上かかりました。
前月と比較すると今年10月の家計支出は11.5%減少し、2014年4月以来の最大の下げ幅を記録、予測値の平均9.8%よりも一層大きく落ち込みました。
アナリストは10月に発生した強力な台風がもたらした豪雨は日本国内の広範囲を襲い、各経済指標を下落させる要因にもなりました。
台風の間臨時休業した店舗やレストランもあり、消費者は自宅に閉じこもっていました。
一方、インフレ調整後の実質賃金は10月に2ヶ月連続で上昇しましたが、一方的に増え続け高額になっている公的負担と世界経済の低迷により、個人消費の見通しと日本経済全体の先行きに対する懸念が高まっています。
日本政府は低所得層向けの商品券や各種の税制優遇策を通じて消費者への打撃を和らげようとしましたが、今回の消費増税はすでに世界経済の動向の中で危機的状況が見え始めていた日本経済に、決定的な打撃を与える可能性があります。
日本政府は伸び悩む日本の経済成長をテコ入れするため、さらには政府の経済担当部門が2020年の東京オリンピック以降の日本経済を活性化させようと、13兆2.000億円にのぼる経済対策を公表しました。
しかし輸出額の減少、工業生産量の低下など経済が下振れしていることを示す各経済指標により、景気減速が予想を上回るペースで進行している可能性があり、懸念が高まっています。
第3四半期の経済成長率は年率換算で0.2%と、この1年で最も弱いものになりました。
各アナリストは消費税の引き上げにより、第四四半期には日本経済は縮小すると予想しています。
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もうここに至れば、安倍政権の『経済のテコ入れ策』なるものが、国民全体に貧富に関係なく公的負担を求めながら、集めた金を『補助金名目』で自分たちの支持層にばら撒くものであることは見え見えになってきました。
安倍政権の『経済のテコ入れ策』『大型経済政策』なるものが公表されると、現象としてまず何が起きるかといえば、自民党の『組織票』を支える日本国中の業界団体等の担当者が自民党本部めがけて大挙上京することです。