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東京オリンピック:会場建設が破壊する生き物たちのサンクチュアリ、熱帯雨林

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東京オリンピック会場建設のための森林伐採が、貴重なオランウータンの生息地を破壊する
絶滅危惧種を含む多様な生物たちの保護区に回復不可能な被害をもたらす危険性がある

アーサー・ネスレン / ガーディアン  2018年11月29日

 

写真:インドネシアのブキト・ラワンの森、赤ちゃんを抱くオランウータン

東カリマンタンのオランウータンの生息数は森林破壊の進行とともに急減しています。

 

環境保護団体などが提出した抗議文によれば、環境破壊が深刻な状態になっている東南アジアの熱帯雨林で伐採された木材が、2020年東京オリンピック開催設備の建設に使用されています。

 

キャンペーンを行っている人々はマレーシアとインドネシアの熱帯雨林の樹木を材料に使った大型合板が、スタジアム建設の際のコンクリートの型枠として少なくとも134,000枚使用されており、こうした行為が貴重な絶滅危惧種を含む多様な生物たちの保護区に回復不可能な被害をもたらす危険性があると主張しています。

 

これまでガーディアンに掲載された犯罪事件記録は、このような購買を行わせている政府機関は「インドネシアの熱帯雨林を回復不可能なまで破壊するとともに、ボルネオの絶滅危惧種のオランウータンの生息地の破壊を引き起こしている」と非難しています。

キャンペーンを行っている環境保護NGOグループによる今回の申し立は、主に韓国系インドネシア企業のコリンド(Korindo)社が供給している8,700枚の熱帯性樹木製の合板の使用に焦点を当てています。
この合板は東京オリンピックでバレーボール競技場として使われる有明スタジアム建設のために使われますが、このスタジアムは一時的に使用される以外使い道がないものではないという保証はありません。

この抗議に対し、コリンド社は伐採事業はインドネシアの法律に完全に準拠したものであり、保護林の木材の違法使用は行っていないし、地域住民の合意を取り付けた上で行っていると説明しています。

日本の巨大な新国立競技場が木材を使って建設されることについても、不安が広がっています。

日本企業が2020年オリンピック会場の建設地区の地震安全データを改ざんしていたことがわかっています。

 

「東京オリンピック会場建設にコリンド・ウッドが使用されることは、2020年のオリンピック大会を地球環境に優しいものにするというオリンピック開催委員会が明らかにしていた方針に対する、目に余るほどの約束違反です。」
今回共同で抗議文を公開した、熱帯雨林環境保護アクションの広報担当者のハナ・ハイネケンさんがこう語りました。

 

コリンド社に木材を供給している一部の事業者が保有する東カリマンタン森林伐採権が設定されている場所の「大部分」は、オランウータンの生息地であるとの抗議も寄せられています。

東カリマンタン地区のオランウータンの生息数は森林破壊の進行とともに急減しています。
現在、推定でオランウータンの80%が保護区域外に生息していますが、伐採、プランテーション、鉱山などの採掘作業によってその生存が追い詰められつつあります。

 

東京オリンピック2020の広報担当者は、ガーディアンの取材に対し次のように語っています。
「持続可能な調達基準で定められた持続可能性基準を満たす木材のみが、2020年東京大会の建設作業に使用されています。」

東京オリンピックの主催者は現在、企業、NGO、認定制度の管理機関などとの間で基準を見直すために議論を進めていると語っています。

 

委員会の規定では、不法に伐採された木材の使用を避けるため、そして自然保護を確実なものにするため『努力する』ことを求めています。
しかし現時点でコリンド社は、すべての木材供給業者の供給源の調査まではもとめられておらず、その木材が違法な森林破壊によって供給されたものであっても、確かめることはできません。

 

またその森林の保全価値に関する検証や、熱帯雨林が大気中の二酸化炭素量を減少させるために大きな役割を担っているという観点からの議論もされていません。

現時点でハイネケンさんは次のように語っています。
「現在の環境保護政策の弱さは見過ごせないほどのものであり、その弱点を強化する努力こそ歓迎すべきです。」

しかし現在行われている改善提案は、
「東京オリンピックの会場建設にインドネシアとマレーシア産の熱帯雨林の木材が使われ、その結果が森林破壊が引き起こされているという目の前のこの問題に対処することができません。」

 

地球的規模では昨年1年間にバングラデシュの国土の面積(158,000平方キロメートル)に相当する熱帯雨林が消滅しました。
2001年以降の森林減少率で2番目に高い数字になっています。

 

https://www.theguardian.com/environment/2018/nov/29/tokyo-olympics-venues-built-with-wood-from-threatened-rainforests

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人間に抵抗すべき術を持たない動物たちの命を踏みにじってまでやりとげなければならないことが、いったいどれほどあるだろうか、と思います。

日本の広告代理店が金をもらって考えたであろう東京オリンピックのスローガンや理念にはどんな興味もありませんが、様々な動物たちの生きる場所が理不尽に奪われている事実は看過できません。

オリンピックに参加するアスリートたちも、多くは整備された環境の下で最高のパフォーマンスを発揮したいと考えてはいるでしょうが、他の生き物の命を脅かしてでもお祭り騒ぎをしたいと考えているのでしょうか?

 

日本は今の政権になって他を『思いやる』ということが、ものすごく希薄な国になってしまいました。

残ってるのは米軍に対する『思いやり』予算だけというこの国の『程度』は、いったいどうなのでしょう?

一部の大手建設会社や関連する業界、広告代理店の利権のために、私たちの税金と様々な生き物たちの命が費やされていくことに『No!』を突きつけたい、それがこの記事を翻訳した偽らざる動機です。

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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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