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国内総生産(GDP)年率換算2.1%『成長』のカラクリ

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家計支出と輸出は急激に減少、国内総生産(GDP)の伸びは、政府による投資(財政出動)の増加が主な要因
7月の参院選に向け、安倍政権の経済政策の実績を演出するために編集された統計データ

                

アルジャジーラ 2019年5月21日

            

経済の専門家は 今年の第1四半期における日本の予想を覆す経済成長は、安倍首相が国内で反対意見が多い消費税の引き上げを実行するための十分な政治的保障を与える可能性があると指摘しています。

            

しかし一見バラ色のこの統計データの下には、いくつかの厄介な問題が隠されています。

日本政府が発表した日本の国内総生産(GDP)の速報値によると、2019年の第1四半期(最初の3ヶ月間)の数値は前年同期と比べ2.1%増加しました。
経済専門家などは昨年の第4四半期のGDPが1.6%であったことに対し、2019年の第1四半期は若干のマイナスに転じるだろうと予測していました。
日本政府は、年内に消費税を8%から10%に引き上げたいと考えていますが、政治的には様々な困難に直面しています。

                

「公表されたデータは確かに予想よりはるかに好調で、安倍政権が経済政策の目玉にしてきたアベノミクスの成功を繰り返し宣伝するのに著しく貢献するだろうと思われます。これは今年7月に予定されている参院選の際の格好の宣伝材料になるため、安倍首相にとっては非常に意味のあることです。」
エコノミスト・インテリジェンス・ユニット(英誌エコノミストの調査部門)のアナリスト、ワカス・アデンワラ氏がアルジャジーラの取材にこう答えました。

             

しかし現実には、個人消費も企業支出も共にマイナスに転じており、輸出は前四半期から2.4%減少して2015年以来最大の下げ幅を記録しました。
輸入は4.6%減少し、国内総生産(GDP)の伸びは輸入と輸出まマイナスを相殺した結果導き出された数値なのです。

                

「石油製品を中心に日本の輸入は著しく減少しました。今年の初頭までに、停止していた日本国内9基の原子炉が完全に稼働し始めましたが、これによって日本がエネルギー自給率を高め、電力の輸入燃料への依存度を低下させたのです。」
アデンワラ氏がこう語りました。

               

       

「しかしこの第4四半期は輸出が落ち込みました。日本経済がどれだけ輸出に依存しているかという点を考えると、これは国内の大手製造業者にとっては見過ごすことのできない問題です。」

             

                

今回の国内総生産(GDP)の伸びは、政府による投資(財政出動)の増加が主な要因であるとアデンワラ氏は考えています。
「安倍政権は今年の初め追加の補助予算を編成し、自然災害、特に地震に対する予防策の一環としてインフラ整備への支出をさらに1兆円増やしたのです。」

               

                

この国内総生産(GDP)の数値は一見すると好調のように見えるものの、日本経済の実態を示す真の指標ではないかもしれないと日本の金融大手ノムラが警告しました。
ノムラのチーフジャパンエコノミスト、三輪崇氏はGDP成長率の上昇は輸入が急減したことによってもたらされたものであると語りました。
輸入が減少したということは、海外における日本の支出が減り、国内に資金が滞留していることを意味します。

               

                 

「今回の統計結果について、我々は日本の実体経済が急速な悪化傾向にあることを示すものだと考えています。」
三輪氏はこう語りました。

                

               

それでも日本経済は全体として順調に推移しており、「4月以降の月次統計」のほとんどが回復傾向を示しており、経済活動の弱体化が4-6月の今四半期中も続くとは思えないことを示していると三輪氏が語り、次のように語りました。
「日本経済全体が不況に陥る可能性は低いと見ています。」

           

               

▽ 消費税引き上げへの追い風?

               

最新の経済指標は、10月に予定されている消費税引き上げについて、安倍政権の推進姿勢を固めることになるかもしれません。
「私たちは政府が計画された消費税率の引き上げを延期する等、景気後退に対処するための政策の検討を開始する可能性は低いと考えています。」
三輪氏がこう語りました。
この考えに同意する人は少なくありません。

「予想を覆した国内総生産(GDP)のデータは、日本政府が消費税引き上げに向かっていることを再度明言する材料になるでしょう。」
アデンワラ氏がこう語りました。

           

日本政府は消費税の引き上げによって発生する税収の増加分をどのように支出するかについてすでに計画を立てており、社会保障サービスを強化し、さらに増税後の景気対策に2兆円以上の支出を計画していまるとアデンワラ氏が説明しました。
仮に消費税の引き上げをに遅らせることになれば、特別な補正予算が必要になります。

                 

前回の消費税の引き上げは2014年4月、この時は5%から8%に引き上げられましたが、結局急激な景気減速につながりました。

            

最新の国内総生産(GDP)のデータは5月24日金曜日に始まるドナルド・トランプ大統領と安倍首相の首脳会談と来月に大阪で行われるG20サミットでの背景を設定することになるでしょう。

             

「ドナルド・トランプ大統領と安倍首相の首脳会談は貿易問題に関する二国間協議の合意が最大のテーマです。アメリカにとって重要な懸案事項は米国から日本への農産物輸出を増やすこどですが、日本から輸入される自動車に高額の関税を課すことをチラつかせながら、有利な条件を引き出そうとするでしょう。」
アデンワラ氏はこう語り、次のように続けました。
「これは結局、日本がサプライチェーンを含む生産拠点として中国を利用することを再考しなければならない、ということに焦点が移ったことを意味しています。」

https://www.aljazeera.com/news/2019/05/japans-strong-growth-masks-problems-190520111645336.html

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安倍政権、なぜこれほどの虚政政権が7年も続いているのでしょうか?

それは徹底して利権政権であり続けるからだと思っています。建設業界や広告業界を始め安倍政権のもとではズブズブの利権を思い切り漁ることができる、そんな人間たちが懸命に政権を支えている。

これまでの政治家なら『良識が許さない』ということも、平気でやれる、それがこの政権の最大の特徴であり、やることを許している現在の日本人やマスコミについて深刻に危惧しないわけにはいきません。

                

私たちは高校程度の社会科の授業で、近代民主主義社会というものが『相互監視』の機能によって正当性が守られているということを学びましたが、現在の日本の国会が衆参両院ともに政権与党をほぼ無条件で支持する大政翼賛体制になっていることについて、一部を除いては国民の中に深刻な危機意識がありません。

こんな体制をいつまでも続ければ国民一人一人の市民としての権利や基本的人権が体制側に奪われ続けることは歴史が繰り返し証明しているはずなのに、そうした現実に目を向けようとしない。

日本人はまずはこの記事を読み、安倍政権のプロパガンダがいかに虚偽に満ちたものであるかということに素朴な疑問を持つことから始めなければならない。

そして安倍政権に良識は通用しないということを、私たち国民は肝に銘じるべきです。


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