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日本の『旭日』旗とナチスドイツの鉤十字(ハーケンクロイツ)旗と東京オリンピック

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所要時間 約 9分

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旭日旗に「ハーケンクロイツはアーリア人種の勝利のために戦う使命を表している」同様の定義はあるのか?

次々と問題を作り出し、対立を続ける日本と韓国

                                    

写真 : 日本の植民地支配からの解放を記念する8月の光復節に、日本の旭日旗使用に対する抗議のデモ行進を行うソウル市民

                  

ジャスティン・マッカリー / ガーディアン 2019年10月29日

                 

韓国は2020年の東京オリンピックで日本が『旭日』旗を使用することを禁止するキャンペーンを強化しています。
これは太平洋戦争中の日本の統治下での歴史に起因する日韓の外交紛争の新たな火種を提供することになりました。

                    

9月、韓国のスポーツ省は国際オリンピック委員会(IOC)に『旭日』旗の使用を禁止するよう要請しました。
『旭日』旗のは多くの韓国人にとって、日本の軍国主義と植民地支配の象徴となっています。

                

しかしIOCからいかなる関与も引き出せなかった韓国の国会議員はつい最近、東京オリンピックでの『旭日』旗の使用禁止を求める決議を採択し、『旭日』旗はナチスドイツの鉤十字旗と同様の性格を持つものだと説明しました。

                  

9月、韓国のメディアは、与党民主党の議員の発言を次のように伝えました。
「戦争を象徴する『旭日』旗は平和の象徴であるオリンピックにはふさわしくない。」
「鉤十字(ハーケンクロイツ)旗はナチスドイツを象徴するものであり、ヨーロッパ人に侵略と残忍さに対する恐怖を思い起こさせるのと同様、旭日旗はアジア人と韓国人にとって悪魔の象徴のようなものである。」

                 

写真 : 旭日旗の禁止を求める決議について説明する韓国の与党民主党の国会議員。

                

これに対し東京オリンピックの主催者側は、旭日旗は日本で広く使用されており政治的な意味合いはないと主張し、大会中旭日旗の一般的使用を制限する計画はないと述べました。

                     

大日本帝国海軍が第二次世界大戦の戦前戦中にアジア太平洋地区における占領政策で使用した旭日旗は、上る太陽を模した赤い円から16本の光線が外側に伸びるデザインの旗で、1954年には海上自衛隊によって隊旗として採用されました。

                    

日本の外務省は今週、韓国内で広がる抗議活動に対応するため、旭日旗について改めて定義し直すと見解を公表しました。
外務省のウェブサイトでは現時点で旭日旗が日本文化の不可欠な部分の一つであると説明し、「国際社会においても広く受け入れられている」とつけ加えています。

              

こうした諍いの原因は、極東の隣国同士の劇的な関係悪化の結果もたらされたものです。
関係の悪化は昨年、韓国の最高裁判所が朝鮮半島が日本の植民地支配の下にあった時代、日本の鉱山や工場で働くことを強制された韓国人に補償するよう日本企業に命じた後に始まりました。

                    

日本側はすべての賠償請求は戦後締結された日韓平和条約によって解決されたと主張しています。

                

                

裁判所の判決はまず貿易紛争を引き起こした後、観光業に影響し、そして現在では東京オリンピックにまで波及しています。

              

日本のアスリートは長い間、国旗の日の丸を自分たちのシンボルにしてきましたが、韓国人は来年の夏の東京オリンピックの会場で日本人の観客が旭日旗を打ち振ったりする懸念を口にしています。

              

旭日旗が持つ歴史的に象徴的な背景が二国間の緊張関係に影響を与えたのはこれが初めてではありません。
昨年、韓国の観艦式に日本の自衛隊の艦船が参加する際に旭日旗を掲揚しないよう求めたため、日本側は自衛隊の艦船の派遣を取りやめました。

                 

そして今月日本は自国で開催する観艦式に韓国を招待することを取りやめ、日本政府はその理由として無「両国が互いにこうした交流を行うための環境がまだ整ってはいない」との認識を明らかにしました。

             

元々は封建時代に諸侯の家紋として採用されていましたが、明治維新後の1870年に各藩の軍を合わせた日本軍の旗として採用され、1889年に大日本帝国海軍の軍艦旗として採用になりました。
旭日旗は日本の極右勢力が日常的に使用していますが、商業デザインにも使用され、さらにはリベラルな立場をとる朝日新聞のロゴとしても使われています。

            

               

オリンピック憲章は次のように述べています。
「オリンピック会場、通路、その他の関係する場所においては、いかなる種類のデモや政治的、宗教的、人種的プロパガンダも許されない。」
IOCは現在のところ、来年の東京大会でこの憲章に違反する可能性のある案件が発生した場合には、ケースバイケースで対応すると述べるにとどまっています。

                

https://www.theguardian.com/world/2019/oct/29/south-korea-compares-japans-rising-sun-flag-to-swastika-as-olympic-row-deepens
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「ハーケンクロイツはアーリア人種の勝利のために戦う使命を表している」アドルフ・ヒトラー(Wikipediaより引用)
と明確な定義がされているのに対し、旭日旗については大日本帝国が意匠の意味について何か明確な定義をしたということはなさそうです。
ウィキペディアの旭日旗の項には
『戦時のプロパガンダ映画における描写』として
「ウォルト・ディズニー・プロダクション(現:ウォルト・ディズニー・カンパニー)は、第二次大戦の時期に複数、ドナルドダックを主人公とする戦争プロパガンダ映画を制作しているが、その内、ドナルドダック・シリーズに含まれる『総統の顔』、『ドナルドの襲撃部隊』の2作品、および、財務省からの依頼で制作されたためにシリーズに含まれない『新しい精神』、『43年の精神』の2作品では、敵国として日本軍を象徴する旗として旭日旗が登場し、同様にドイツ軍を象徴する旗としてハーケンクロイツが登場するのと対置して描写されている」
との記述があります。( https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%AD%E6%97%A5%E6%97%97 )
となれば、記事中の韓国の国会議員のように「旭日旗は戦争を象徴するものだ」とまで断定できる根拠はない、ということになるでしょう。

                    

ただし、日本は旭日旗を海上自衛隊の隊旗として正式に採用したのであれば、最悪の部類の人間たちが大切な隊旗をヘイトスピーチなどの場で弄ぶようなことはさせないようにすべきでしょう。

                          

日韓においては旭日旗の解釈より10月21日づけのガーディアンの記事を翻訳ご紹介した際の感想、「何気ない広告表現も政治問題化してしまう現在の外交関係」の方が問題なのだと思います。
もっと言えば、内政に不都合が生じると権力機構はそこから国民の目をそらすために仮想敵を作り出し、それに対する敵愾心を煽る『愛国政策』を行う。
現在の日韓両国のその通りの姿が問題なのだと思います。

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