ホーム » エッセイ » 日本、外国人居住者と観光客の記録的増加を受け、人種差別の実態を調査
人種差別問題に対し、日本がもっと真剣に取り組むよう求める国際的圧力が高まっている
ヘイトスピーチに端を発した国際社会の圧力、日本国内の人種差別の実態解明を求める
ジャスティン・マッカリー / ガーディアン 2016年10月31日
日本の法務省は国内の外国人居住者と観光客の記録的増加を受け、日本国内での差別的待遇の経験が無いかどうか、先例のない世論調査を実施することになりました。
この前例のない調査において、法務省は17以上歳の18,500人の外国人居住者に対し、職場あるいは退社後や休日に、人種的理由で差別的待遇を受けた経験があるかどうかを調べることにしています。
そうした問題がある場合、日本政府に対してどのような対応を希望するかも同時に調査する予定であると、朝日新聞が伝えました。
この調査では、人種差別的な事件を目撃したかどうかについての質問も行なわれる予定です。
現在日本国内で生活する外国人の数は全人口の約2%にあたる230万人前後ですが、これまで日本を訪れた今年度の観光客の数は史上最高の2,000万人を記録しました。
こうした状況に鑑み、これまでの3年間に渡って続いている日本におけるヘイトスピーチの実態が世界に向け報告されると、人種差別問題に対し、日本がもっと真剣に取り組むよう求める国際的圧力が高まっていました。
ヘイトスピーチの大半は居住者数の多い在日韓国人、朝鮮人の人々に向けられてきました。
これらの多くは1910年に日本が朝鮮半島を併合して以降、1945年まで日本国内で強制労働をするため連れて来られた人々の子孫ですが、日本国籍を取得しないまま約400,000人が日本で生活をしています。
東京、大阪や他の都市圏では、在特会などの極右グループとその支持者たちが、日本における少数民族である韓国朝鮮人を「犯罪者」や「ゴキブリ」と呼び、『殺せ!』などと叫びながら集会やデモを行ってきました。
在特会の活動が活発化したことに対し、日本全国の警察を管轄する警察庁は2014年これを『極端な国家主義者の集団であり、排外主義的』イデオロギーを有する、法と秩序に対する潜在的脅威であると認定しました。
在特会の前の会長である桜井真氏は、日本国籍を持たない国内居住の外国人に対する公的扶助を打ち切るよう求めてこの夏の東京都知事選挙に立候補し、110,000の票を獲得しました。
日本国内では珍しい人種差別問題を取り扱った2013年の裁判所の判決において、ヘイトスピーチを行っていたグループは、家族が北朝鮮との関係を持つ子供たちが通う小学校に対する脅迫めいたヘイトスピーチを中止するよう命令され、これまでの損害に対し、1,200万円の賠償をするよう命じられました。
日本の国会も今年6月、ヘイトスピーチを規制する法律を可決しました。
この法律の内容は地方自治体がヘイトスピーチを根絶するための処置をとることを奨励するものですが、犯罪者に対し具体的な刑を科さなかったことで批判を浴びました。
その翌月日本で最も大きな韓国朝鮮人のコミュニティがある大阪は、ヘイトスピーチ条例を制定する日本で最初の都市になりました。
昨年法務省がまとめた日本国内における人種差別については、日本人でないことを理由にホテルで宿泊予約を拒否された、アパートの賃貸契約を拒否された、子どもたちが学校でいじめに遭ったなどの事例がありました。
法務省の調査は英語、中国語、ハングルを含む13の言語で実施され、その結果は来年3月末までには公開されることになっています。
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【 イスラム国(ISIS)を相手の苦しい戦い – クルド族民兵組織 】《2》
アメリカNBCニュース 2016年10月30日
モスル奪還のためイラク政府軍とともにイスラム国(ISIS)と戦うクルド族民兵組織ペルシュメガは、待ち伏せ攻撃に遭うなど、苦しい戦いをつづけています。
モスル作戦はイスラム国(ISIS)の支配地域の半分にあたるイラク領土部分を奪還しようとするものです。
カメラマンのハリー・クーンはペルシュメガと協同で軍事作戦を行っているクルディスタン自由軍(PAK)に同行し、実戦の撮影を行いました
イスラム国への進攻前夜、美声の持ち主として知られるアワラという名の若い兵士が仲間のために歌いました。(写真上)
進攻中、車列が攻撃を受けたため歩兵が前に出て掃討することになり、配置につこうとするアワラ。(写真下・以下同じ)
銃弾が頭に命中し、倒れたアワラ。
即死でした。
ハリー・クーン「脇に転がっている無線機からは、叫び声と連続する射撃音、そして援軍と助けを求める悲鳴がやかましく聞こえていました。」
攻撃を受け援軍要請があったため、車列の前に出ようとするクルディスタン自由軍の兵士、アルダラン。
頭を打ち抜かれ、倒れた、アルダラン。
ハリー・クーン「アルダランは多数の銃弾が飛び交う中、一緒にいた私に場所を代わるように頼みました。その場所の方が射撃がしやすかったからです。私が移動しようとして振り返った瞬間、アルダランが頭を打ち抜かれました。」
「おびただしい血が流れ、みんなアルダランが死んでしまったと思いました。しかし銃弾は頭の上の方を貫通しており、彼は命を取り留めることが出来たのです。」
2キロ後方にある進攻拠点の救護所へ運ばれるアルダラン。
10月26日、イラク領内で執り行われたアワラの葬儀で、悲しみのあまり気を失った姉。周囲にいるのはクルディスタン自由軍の女性兵士。
http://www.nbcnews.com/slideshow/combat-close-battle-against-isis-n674826