ホーム » エッセイ » 安倍首相の派閥の国会議員の差別・侮辱発言に、幅広い分野から怒りの声
党として問題にしないと杉田議員を擁護していた安倍自民党幹部、批判の高まりに渋々・後手後手の対応
杉田議員は謝罪せず、少数者への差別発言が相次ぐ安倍自民党の国会議員
ジャスティン・マッカリー / ガーディアン 2018年8月3日
自民党の安倍首相の派閥所属の衆議院議員、杉田水脈氏は同性カップルに生産性は無く、国家の繁栄に貢献しないとの文章を公開しました。
子供を作ることができないため同性のカップルが『非生産的』だとする杉田氏の見解に対し、政権与党である自民党の対応は後手に回り、改めて党の立場は違うと弁明しました。
7月に公開された雑誌の記事で杉田氏は同性結婚をした人々への支援のために税金を投入することに反対を表明しましたが、これに対し広範な分野から批判が巻き起こっています。
杉田氏は公開しています。
「同性カップルは子供を産むことはできない。言い換えれば同性カップルには生産性がなく、したがって、国家の繁栄に貢献しない。」
当初、自民党の幹部議員たちはこの好きだ議員の発言について党として問題にするつもりはないと語り、杉田氏を非難することを拒否していました。
杉田氏は第二次世界大戦の戦前戦中、日本軍が韓国女性などを従軍慰安婦として使役していた事実について、韓国政府のでっち上げだなどと発言し、その蒙昧な右翼的発言が問題視されてきた人物です。
安倍首相が率いる派閥の議員である杉田氏は自らの発言について謝罪していませんが、事務所は「問題を真剣に受け止めている」と語っていると共同通信が伝えました。
今週になってから自民党は声明を発表し、同性同士の結婚について杉田議員と見解を共有していないと述べました。
声明では杉田議員は(LGBT)問題への理解が不十分であり、関係する人々の気持ちへの配慮に欠けるものだとしています。
自民党は、性的少数者の権利を守ることに力を尽くしていると語っています。
安倍首相は記者団の質問に対し、「人権が守られ、多様性が尊重される社会づくりを目指すのは当然だ。」と述べました。
しかし今週初め、LGBTの権利に対する自民党の姿勢は、同性愛が『趣味みたいなもの』と発言する衆議院議員が現れたことにより、再び批判を集めることになりました。
谷川とむ衆議院議員はインターネットのテレビ番組に出演し、同性関係に別に反対はしないが、同性結婚を合法化する法律には反対していると語りました。
「男性と女性が結婚し、そして子供が生まれる。それが伝統的な家族の形成であり、人類は、国家が衰退し滅亡するのを防ぐため、古来その営みを続けてきた。」
近年、日本のいくつかの地方自治体が同性パートナーシップを認めているが、同性同士の結婚についてはまだ法的に認められていません。
谷川氏は朝日新聞にあてた書簡の中で、「「LGBT(性的少数者)の方々を差別するつもりはなく、多様性を認めていないわけでもない」」と釈明しました。
彼のコメントは党員の性的少数者に対する認識を高めることを目的に制作された新しい自民党のパンフレットに反しています。
そこにはこう書いてあります。
「性的少数派のメンバーであることは個々の意志、好み、嗜好の問題だという誤った認識が広まっている。」
https://www.theguardian.com/world/2018/aug/03/japanese-mp-mio-sugita-calls-lgbt-community-unproductive
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少数者や特定のグループを迫害する社会ほど息苦しく、生きづらい社会はありません。
性的な少数者の人を特定して攻撃するという、その感覚がまず理解できません。
韓国籍や朝鮮国籍の人を「わざわざ」特定して差別するのとなんら変わりがありません。
それを『売り』にして権力者に媚びるとなると、もう人間として最悪の部類ではないでしょうか?
その種の人間が国政の要である衆議院議員であるということが、日本の深刻な闇であると思います。
安倍政権になってから、日本ではこうした闇がじわじわと拡大しているように思います。
しかし多くの人がそうした現実を見ようとしない、見ていないのではないでしょうか?
この闇が一気に広がった1930年代40年代、日本は歴史上最大規模で国民を不幸のどん底に突き落とす時代が始まりました。
そして数十万という単位で人命が奪われてしまい、さらに多くの人が一生取り返しのつかない障害を背負いこむ結果に繋がりました。
それまで現実を見ていても見ていなくとも、一旦こうした闇に覆われてしまったら、その日から地獄の日々が始まるのだということを一人でも多くの方にお伝えしたいと思っています。