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なぜ日本の選択は『再稼働』なのか?!「原子力発電、再開への動きが本格化」

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【 原発再稼働へと動く日本 】
処理不能の核廃棄物を積み増し、世界が疑問視するプルトニウム備蓄を増やし、安全上のリスク、環境上のリスクを増大させる

山口まり / AP通信 / アメリカABCニュース 7月8日

FOX News
7月8日月曜日、電力会社4社が停止中の10基の原子炉の再稼働のための審査を申請し、福島第一原発の事故発生から2年半、日本では原子力発電再開へ向けた動きが本格化することになりました。

2011年3月に津波が福島第一原発の施設を壊滅させて以来、かつては全電力の3分の1を原子力発電によって賄っていた日本では、稼働可能な50基の原子炉のうち、2基だけが稼働していました。

それぞれの地方で電力の独占販売を行っている北海道、関西、四国、九州電力の4社は、新たに策定された安全基準の下で、5か所の原子力発電所の10基の原子炉を再稼働させるべく、8日月曜日原子力規制委員会に審査を申し込みました。
さらに2基の原子炉の再稼働申請が、月内にも行われる見通しとなっています。

厳格化された安全基準に適合した原子炉だけが再稼働を許可されることになりますが、早ければ来年前半にも最初の原子炉が再稼働する見込みとなっています。
同じスタッフが一度に審査できる原子炉は2、3基が限度であるとの理由から、原子力規制委員会による審査は一基当たり約半年の期間が必要になると見られています。
差にに地元の市町村と各県の了解を取り付けるには、さらに数週間の時間が必要になると見られています。

原子力規制委員会はどの原子炉の審査を最初に行うのか、公表することは拒否しました。

原発止めろ
しかし新たな安全基準については、抜け穴があるとの批判が寄せられています。いくつかの安全設備については、その実施に猶予期間が設けられています。

従来型の発電所によって電力供給を続けるため、各電力会社は高騰し続ける天然ガスや原油の輸入に頼らざるを得ず、経営が圧迫される状況が生まれたため、各社とも原子力発電再開のため激烈な政治工作を続けてきました。

原子力発電所を保有する日本国内のほとんどの電力会社が、高騰する火力発電の燃料費の高騰により、前会計年度において巨額の赤字を計上しました。
このうち北海道電力は、保有する3基の原子炉が停止したため、燃料費について一日当たり6億円(600万ドル)の追加費用が必要になったと語りました。
各電力会社とも、電気料金の値上げなどの対応を要請しました。

安倍晋三首相は昨年12月の就任以来、原子力発電所の再稼働を積極的に推進してきました。
そして前民主党政権が打ち出した、段階的な原子力発電の廃止計画を白紙に戻してしまいました。
そして21日に投票日を迎える参議院議員選挙では、与党自民党は原子力発電所の再稼働をはっきりと公約にしています。

新たな安全基準は過酷事故においても放射能漏れを起こさないよう、緊急指令センターの設置、そしてテロリストに対する対策の実施を、電力会社に対し初めて求めました。
そして原子力発電所の運営会社は津波や地震と津波だけではなく、竜巻や航空機事故に対する備えも要求されることになりました。

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以前は原子力発電所の安全対策は電力会社に任されたままであり、各社とも必要な安全採択を実施することよりも、自社の利益を優先する傾向が明らかでした。
東京電力は福島第一原発において、実際に襲った津波の半分の高さの防波堤しか設備しておらず、津波の危険性を過小評価していました。
このため複数の原子炉の炉心がメルトダウンを起こし、大規模な放射能漏れを引き起こし、批判の矢面に立たされました。

現在でも約160,000人もの被災者が、自宅に戻れずにいます。

西日本の広域に電力を供給する福井県内の4基の原子炉の再稼働を申請した関西電力の役員、森中郁夫氏は同社が福島第一原発の事故を教訓に、緊急時の対策と追加的安全措置を実施したと語りました。

森中氏は報道陣が詰めかける中、原子力規制委員会の職員に分厚い申請書類を手渡した後、報道陣に向かってこう語りました。
「準備万端です。」

原子力に反対している多数の市民活動家などが、原子力規制委員会が入る建物の外で、横断幕を掲げ、反原発のスローガンを叫びながら抗議集会を開催しました。

新たな安全基準には、各電力会社が『加圧水型』として知られる原子炉を再稼働する際、その手続きが容易なものになるよう、5年間の猶予期間を設けるなどの便宜的措置がとられているとの批判があります。
加圧水型原子炉は福島第一原発で事故を起こした沸騰水型原子炉に比べ、原子炉格納容器が大きく、事故を起こしにくいとされています。
これにより、国内の48基の原子炉の約半分の加圧水型の原子炉は、最高5年間、新たな安全基準の適用を受けずに稼働させることが出来るという事を意味します。

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今回再稼働を申請した10基の原子炉はすべて加圧水型ですが、月曜日に公開された再稼働申請書類の要約を見る限り、いずれの原子炉もフィルター付きベント装置、そして完全な緊急時司令室は完備されていません。

新たな安全基準は、近隣の市町村において必要とされる非常事態の対応と非難手順についての立法化が遅れても、原子炉の再稼働を可能にします。

そして原子炉の再稼働は処理不能に陥っている核廃棄物をより一層積み増し、世界から疑問視されているプルトニウムの備蓄量を増やし、その他の安全上のリスク、環境上のリスクを増大させることになります、

舩橋晴俊氏率いる法政大学社会学部舩橋研究室( http://funabashi-ken.ws.hosei.ac.jp/kenpatsu.html )が、このように指摘しました。

原子力発電の継続は最終的には、財政破たんに至らざるを得ないという批判があります。

新たな安全基準に適合させるための対策費用に加え、核廃棄物の処理費用、古くなった原子力発電所の廃炉費用が必要になるのです。

第一段階の安全基準をクリアするためだけでも、各社併せて1兆円をはるかに超える費用が必要になると見積もられています。

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こうした批判に対し、電力会社はそれが必要な『投資』であると抗弁しました。

「費用は掛かっても、安定した電力供給を実現するため、我々は原子力発電所を稼働させる必要があるのです。」
九州地区で6基の原子炉を運営する九州電力の吉迫副社長がこう語りました。

http://abcnews.go.com/International/wireStory/japan-moves-closer-restarting-nuclear-reactors-19602344#.UedWXKxSZVt
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なぜ再稼働なのか?
既得権益を根絶やしにされないために他ならないでしょう。

電力会社や日本原燃や日本原子力発電などの企業に加え、原子力安全基盤機構や日本原子力研究開発機構、原子力安全委員会など、原子力発電を止めてしまえばその存在を脅かされる『国家機関』が無数にある事が、福島第一原発の事故によって多くの国民の目に明らかになりました。

これら組織の自己保存の本能とも言うべき防衛意識が、国民の安全や健康よりも優先される、その結果が再稼働であって、純粋に経済的動機によるものだなどとはとても考えられません。
なぜなら原子力発電に対する世界の常識は、『危険な上に、莫大な運営・維持管理コストがかかる』というものに変わってきているからです。

日曜日、参議院議員選挙の結果は、この稿を読んでいただいている皆さんにとっては不本意なものになるかもしれません。
しかしそれでも、面倒であっても、私たち国民の望むところは違うのだという意思表示はしておくべきだと思うのです。

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