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アメリカの中距離核戦力全廃条約からの離脱と中国、そして日本

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中距離核戦力全廃条約からの離脱は「中国だろうとどこだろうと、アメリカにたてつく」奴らに対する「脅し」だ!と発言したトランプ

米国と中国との間で貿易問題とアジア太平洋地区における覇権争いによって緊張関係的が高まり続ける

ムー・ツイ、ウェズリー・ラーン / ドイチェ・ヴェレ 2018年10月23日

 

米中間の緊張が高まり続けていますが、もし両国が新たな核兵器を開発する事態に発展すればアジア太平洋地域における米国と中国の戦略的軍拡競争が激化する可能性があります。

すでに中国国内には政府に対し核抑止力を拡大するよう求めるメディアも現れています。

 

10月19日、ドナルド・トランプ大統領は演説の中で、米国はロシアとの間に締結されている中距離核戦力全廃条約(INF)を離脱すると発表しました
中国は、中距離弾道ミサイル、核弾頭を搭載可能な陸上配備型および巡行ミサイルの開発を禁じる、時代を画したこの条約には加盟していませんが、米国の軍事能力拡大の可能性を前に目に見えて重圧が高まっています。

アメリカ政府のジョン・ボルトン顧問は0月21日にモスクワに到着し、ロシアと中国が中距離核兵器の開発と実験を今後も続けるのであれば、米国も中距離兵器能力の開発再開すると通告しました。

トランプ大統領はアメリカの対応は「中国だろうとどこだろうと、アメリカにたてつく」奴らに対する「脅し」だと述べました。
トランプによるこの新たな脅迫めいた発言は、ただでさえ米国と中国との間で貿易問題とアジア太平洋地区における覇権争いによって緊張関係的が高まり続ける中で行われました。

 

米国がINF条約を脱退し新たな陸上配備型ミサイルの生産を開始することになれば、中国政府と米国政府は今後さらに危険な戦略的軍拡競争を始める危険性があります。

 

米国家安全保障理事会(NSC)の中国部門の責任者でワシントンのブローキング研究所のライアン・ハリス氏は次のように語りました。
「今や米中間のあらゆる側面が一触即発の緊張関係に陥っています。」
「二国間の問題でこの緊張関係を免れることができる問題はなくなってしまいました。」

 

▽ 戦略ミサイルでは一歩先を行く中国?

2017年4月、ハリー・ハリス元米太平洋軍司令官は上院で証言し、米国がINF条約を遵守していた間に中国の技術開発が進行し、今やアメリカは中国人民解放軍のロケット部門と「同等の能力は無い」と警告しました。
「中国人民解放軍のロケット部隊は、世界最大級のそして世界で最も多種類のミサイル発射能力を有しており、そのリストには2000発以上の弾道ミサイルと巡航ミサイルが記載されている。」
そして中国が高度なミサイル技術に多額の投資を行った結果、現在ではグアム島にある米軍基地と台湾全土をいつでも攻撃できる能力を有していると付け加えました。

 

ハリス氏はもし中国が中距離核戦力全廃条約(INF)に加盟していれば、中国人民解放軍が保有するミサイルの95%は条約違反だと述べています。

ハリス氏は、「中国は米国のシステムをはるかに凌駕する、多種類の地上・空中発射ミサイルシステムを開発してしまっているのです。」
「アメリカはINF条約を遵守により開発が制限されてきたため、米国は最新の長距離ミサイルの開発能力や迎撃能力に後れを取ってしまっているのです。」

中国国内の一部の専門家は、米国とその同盟国と比較して中国の軍事能力はそれほど高いわけでは無いと語っています。

ドイチェ・ヴェレの取材に対し中国人民大学の政治学者であるシー・インホン氏は、INF条約による制約があったにもかかわらず米国の軍事的優位は変わらないと語りました。
「米国及び日本などの同盟国の軍隊は、航空機や海上から中距離ミサイルを発射する能力を有しています。」
1987年に米国とソ連の間で締結されたINF条約は、500〜5,500キロメートルの地上発射弾道ミサイルと巡航ミサイルを規制の対象にしています。

 

中距離核戦力全廃条約(INF)条約は陸上ミサイルだけを対象としているため、米国は現在の海上での戦略的優位性を維持することができます。

 

実際に中距離ミサイルを搭載したアメリカ軍の軍艦が中国が領海だと主張している南シナ海の海域を自由に航行し、定期的な哨戒活動を行っています。

しかし中国の軍事専門家は海上であろうが地上であろうがアメリカ軍がさらにミサイルによる攻撃能力を強化すれば、中国に対する重大な脅威となり、中国としては自国の安全保障上対応が必要となると語っています。

中国のミサイル専門家であるヤン・チェンジュン(Yang Chengjun)氏は中国の国営グローバル・タイムズ紙の取材に対し、米国がINFから脱退すれば中国の国家安全保障に「悪影響を与えることになる」と述べました。

 

「重要な利益を守るため、やむを得ないことながら中国は中距離ミサイルの開発を進めなければならなくなるでしょう。」

中国は1960年代の初頭からミサイル開発に着手し、以来継続的に開発改良に取り組んできました。
パキスタン、インド、イスラエル、北朝鮮、イランなどの国々も中距離ミサイルを国内で製造しています。

 

▽ 新たなる米中の軍拡競争の始まり

 

アジア太平洋地域において、米国アメリカは地上、海上ともにミサイル能力を有しています。
「アメリカ政府がアジア太平洋地区に新たに開発した中距離ミサイル持ち込めば、中国のミサイル開発は急加速することになるでしょう。」

シー氏は今後の見通しとして、アジア太平洋地区におけるの中国政府と米国政府の間の競争が激化するだろうと付け加えました。

「米中両国ともに軍拡競争の論理を用いています。」
シー氏がこう語りました。
「中国は核抑止力の開発及び第二次攻撃、と報復攻撃の能力を上げることを最優先で取り組むことになるでしょう。」

 

近年、グローバルタイムズ紙は中国政府の公式な代弁者とみられていますが、米国の覇権に対する批判姿勢を強めており、中国に武器生産能力をためるようあからさまに呼びかけるようになりました。
「われわれの核兵器能力は戦略的リスクの増加に対し、明らかに遅れを取っている。中国はこの安全保障上のリスクに対処するために、核抑止能力を高める必要がある。」

現在保有しているミサイル攻撃能力の規模、そして台湾、南シナ海、東シナ海における権益の大きさを考えると、中国は米国、ロシアとの新たなミサイル制限条約の締結を受け入れるかどうかは不透明です。

月曜日、中国外務省の広報担当者はINF条約は「重要かつ不可欠な」ものであり、米国の脱退は「多方面にマイナスの影響」を与えることになると語りました。

 

https://www.dw.com/en/inf-treaty-would-us-dropout-begin-an-arms-race-with-china/a-46002359

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世界の人々がトランプの『ディール』など、もうたくさんだ!いい加減にしろ!と思っていると思います。

今回の中距離核戦力全廃条約(INF)からの離脱発言も、日本国内では被爆地を中心に怒りの声が上がりました。

しかし一般的日本人となるとどうでしょうか?

「アメリカとロシアの話だろ、あんまり関係ない。」

と思っているとしたら、それは危険な間違いです。

 

軍拡競争ほど愚劣な競争はありません。

アメリカと中国との間で軍拡競争が始まってしまったら、その地理的位置と列島という形状から日本が無関係でいられるはずがないのです。

 

今でさえ安倍政権は福祉予算を削り、教育予算を削り、軍事予算を増やし続けています。

その流れが一気に加速すれば、一般市民にとってはどんな生産性もない高額な武器を購入するため、国民生活はますます苦しいものになるに違いないからです。

 

 

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