ホーム » エッセイ » スペースエックスの成功と、今後の宇宙開発
民間企業が宇宙大国アメリカをリードする
アメリカNBCニュース 5月26日
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国際宇宙ステーションの乗組員は今日、最新の慰問袋を開封しました。
しかし今日開いたこの箱には、まさに特別の意味がありました。
昨日成功した民間宇宙船による国際宇宙ステーションとの初めてのドッキングの成功は、アメリカの宇宙開発への新たな幕開けとなったのです。
NBCニュースのクリステン・ダールグレンがお伝えします。
「第31次遠征隊のメンバーが初めてスペースXの中に入りました。」
リポーター : 世界を見下ろしながら、国際宇宙船のスタッフが酸素マスクとゴーグルを着用し、初めて民間商業ロケットの船内に入りました。
昨年夏にアメリカのスペースシャトルが最後のミッションとして、この国際宇宙ステーションにやってきて以来の出来事です。
昨日初めて民間商業ロケットがドッキングに成功するまで、アメリカはその補給をロシアの宇宙船に頼ってきました。
NBC宇宙開発開設者ジエームズ・オバーグ
「この10日間は、宇宙開発の歴史の中でも特筆すべきものになると思います。」
リポーター : カプセルは今回打ち上げられた宇宙船は、クローゼット程の大きさしかありませんが、貨物室としての大きさより、人間を運ぶ能力がある、という事の方に意義があるのです。
NASA宇宙飛行士ドン・ピット「ダンスパーティを開催できる納屋ほど大きくはありませんが、宇宙飛行士が一連の作業を行えるほどの大きさは確保されています。」
リポーター: この宇宙船ドラゴンは社員の平均年齢がちょうど30歳、設立後10年というスペースX社によって建造されました。
スペースXの設立者はいつの日か火星探査機打ち上げの競争入札で、同社が他社と競い合うようになるだろう、と話しますが、現在その現実的可能性を誇ることが出来るのはこの会社だけです。
さあもう一度宇宙船の内部を見て見ましょう。これまで4か国だけが国家プロジェクトによって行ってきた国際宇宙ステーションとのドッキングを、民間企業として初めて成功させた会社の宇宙船を。
クリステン・ダールグレン、NBCニュース、ロサンジェルス。
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【 スペースエックス、任務を完了 】
アメリカNBCニュース 5月25日
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さて今日、この地球の遥か上空では何があったのでしょうか?
今日行われたのはアメリカの宇宙産業の将来を決定づける、民間企業によるミッションです。
スペースエックスが国際宇宙ステーションとのドッキングに成功しました。
NBCのトム・コステロがお伝えします。
「宇宙ステーション・ヒューストン、スペースエックス受け入れの準備をお願いします。」
レポーター : オーストラリア上空を時速17,000マイル(約27,000キロ)で飛行しながら、アメリカの民間会社がこれまで世界でも4カ国しか経験したことの無い、宇宙ステーションとのドッキングを、5月25日午前9時56分に成功させました。
「ドッキングを確認しました。」
レポーター : 国際宇宙ステーションから伸びたアームが、『ドラゴン』と名付けられた宇宙船をしっかり捕まえました。
「まるでレールの上を走るように、正確にドラゴンとのドッキングに成功しました。」
レポーター : ロサンジェルス郊外のスペースエックス計画の本部は、この瞬間完成と涙に包まれました。
計画立案者イロン・ムスク「スペースエックス計画のスタッフ全員に心から感謝したい!君たちは素晴らしい!」
レポーター : 今回の計画を取り仕切ってきたのはスペースエックス計画立案者、そして設立者のイロン・ムスクです。
イロン・ムスク「今日という日はアメリカにとって、そして世界にとって記念すべき偉大な日です。」
レポーター : アメリカのスペース・シャトルのすべての機が引退しました。このためアメリカはこれまで、このスペースエックス計画が実現するまで、国際宇宙ステーションに宇宙飛行士や荷物を送り届けるためには、ロシアのロケットに頼らざるを得ませんでした。
しかし今回、設立してまだちょうど10年にしかならないこの会社が、並みいる強敵を退けアメリカ航空宇宙局(NASA)と16億ドルの契約を結んだのです。
一民間企業であるスペースXが、宇宙船の建造からテスト、そして打ち上げまでやってのけたことは、宇宙開発史において画期的な出来事になるでしょう。
この会社の社員の平均年齢は30歳という若さですが、NASAの長年にわたるノウハウを自分のものとすることで、その弱点を克服しました。
スペースXの計画は単に国際宇宙ステーションに荷物を送り届けるだけにとどまらず、人間の行き来をもその視界に入れています。
レポーター : 遠からずスペースXは有人宇宙飛行船の打ち上げを、成功させる可能性があります。
ともあれ、スペースXが国際宇宙ステーションとしっかりドッキングしている今宵は、存分に祝杯をあげてもらいましょう。
トム・コステロ、NBCニュース、ワシントン。
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【 流血が続くシリア・調停役アナン元国連事務総長シリア入り・行き詰る外交調停・増え続ける犠牲者 】
アメリカNBCニュース 5月28日
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虐殺と弾圧が続くシリア情勢に、一向に改善の兆しは見えてきません。
シリアでは相変わらず一方的な弾圧が続いていますが、アナン元国連事務総長が、和平交渉のきっかけを探るべく入国しました。
NBC海外特派員のリチャード・エンゲルが最新の情報をお伝えします。
今日もホムスでは政府軍の攻撃が続いています。
夜を徹しての攻撃で40人以上の市民が死亡し他と伝えられています。
金曜日、国連の平和維持部隊がシリア国内のフラで発生した虐殺の責任を追及したわずか数時間後に、新たな虐殺が行われてしまいました。
この一年間を通してみても、今回の虐殺は特に恐ろしいものであり、100名以上が殺され、そのほとんどが女性と子どもたちでした。
この映像はその攻撃が始まった瞬間をとらえています。
シリア軍が現れ、フラを包囲しています。人々がパニックに陥って逃げ惑う中、砲弾が激しい雨のように降り注いできました。目撃者の話ではこの際政府軍の兵士たちが一軒の家に上がり込んでその家の家族を皆殺しにしました。家族全員の手と手をロープで縛り、一か所にまとめると、銃剣で刺し殺し、そして至近距離から打ち殺しました。
このような局面において、アナン元国連事務総長が、和平交渉の特使としてダマスカスに到着しました。
「私は一人の人間として、2日前のフラにおける悲劇的な出来事に衝撃を受けており、嫌悪しています。」
アナン氏の信頼は失墜しています。
シリアの活動家によれば彼が仲介した停戦協定は偽りのものであり、アサド政権による今回の弾圧を隠すための材料に過ぎませんでした。
イギリスを中心に各国首脳が集まって対策を協議する中、ロシア政府の態度が事態の進展を阻んでいます。
そして国連は無力です。
「これがアサド政権の正体です。罪もない人々を次々に虐殺し、その責任を別の罪もない人々に着せているのです。間違いありません。」
しかしロシアは全く違った見解を表明しました。
ロシアの外務相は今回の虐殺の責任は双方にあると表明し、政権交代には協力に反対しています。
ロシア外務相は金曜日に起きた大虐殺の後、双方が暴力行為をやめ、終わらない殺戮に終止符を打つように呼びかけましたが、その演説には空疎さがつきまといます。
ロシアが中東におけるたった一つの同盟国を失うことを恐れている、と中東問題の専門家は見ています。
アラブの春が進行する中、シリアはロシアにとっては最後の安定した足場なのです。
NBCのリチャード・エンゲルがお伝えしました。
【シリアでの虐殺、世界中に広がる憤り】アメリカABCニュース