日本の人々の「自国の未来に対する信頼の根本的な欠如」
微増ながら8四半期連続で日本が達成してきた経済成長が挫折
ダニエル・シェーン / CNNマネー 2018年5月16日
2018年の第1四半期日本の国内総生産(GDP)は、年率換算で0.6%縮小したという政府データが公表されました。
これは1980年代後半にバブル経済が崩壊して以降、これまで微増ながら8四半期連続で日本が達成してきた経済成長がここで挫折してしまったことを意味します。
調査会社のキャピタル・エコノミクスの日本専門担当の上級エコノミストのマルセル・ティーラント氏によると、2018年第1四半期の不振は日本の様々な経済分野に広がっていました。
「個人消費と公共分野の需要は横ばい、設備投資と純輸出はわずかに減少しました。」
ティーラント氏はこうした内容の分析を顧客に伝えました。
収縮幅は、経済学者が予想したよりも大きくなりました。
経済統計上、四半期ごとの経済成長が2期連続した場合に『不況』と定義付けられることになりますが、日本がその事態を回避できる可能性は残っています。
ティーラント氏は、第2四半期には日本経済が再び成長軌道に戻ることを期待していると述べました。
しかし日本経済は国民の急速な高齢化、労働市場への女性の参加が遅れていること、頑強な低インフレ状態など、いくつもの深刻な課題に直面しています。
穏やかなインフレが続くと消費者の支出行動が活発になるため、経済全体にとってはプラスに作用します。
しかしティーラント氏は日本は健全な成長を続けるための資源をもはや持っていないと語り、物流部門の運転者不足、貨物輸送を円滑に行うために必要な道路網や港湾施設の不足、または製品を製造するための機械が不足していることなどを列挙しました。
日本の最近の成長は20年以上に渡り続いている経済停滞と物価の下落を食い止め、企業の設備投資や個人消費を活発化させるために日本銀行が行っている大規模金融緩和策によってもたらされたものでした。
投資顧問会社のウィズダム・トゥリー(WisdomTree)の日本の責任者を務めるジャスパー・コール氏は、2018年第1四半期の経済成長率が低下したことが明らかになったことにより、日本銀行は市場に現金を流し込む政策をすぐにはやめられなくなったと語りました。
賃金が上昇しても消費者は支出を増やそうとはしていない。
代わりに一般世帯は余分な支出を切り詰めようとしています。
これは日本の「未来への信頼の根本的な欠如」を示唆している、とコール氏が指摘しました。
野村證券のアナリストは、日本にとってのもう一つの問題は円高である可能性があると語りました。
2018年初頭から2%以上円高ドル安の傾向が続いており、自動車やエレクトロニクス分野などでは輸出価格の実質的な値上がりになっています。
同社のアナリストらによると、世界市場の混乱期には日本の通貨は投資家の安全な避難場所とみなされているため、世界市場において貿易の緊縮傾向が強まれば円はさらに上昇する可能性があります。
「日本銀行は、何としてでも円の上昇を防ぎたいと考えているはずです。」
コール氏がこう指摘しました。
http://money.cnn.com/2018/05/15/news/economy/japan-economy-gdp-shrinks/index.html
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果然、というべきでしょう。
経済の健全な発展のための人材育成の代わりに、労働者の健全な労働環境を危険にさらす高度プロフェッショナル制度が『働き方改革』の中身。
高度技術開発に向け国の資源を集中させる代わり、国内にカジノを持って来る。
国内の株式相場を公的年金の積立金をつぎ込んで買い支える。
そして一国の首相は矜持に欠ける政治姿勢から疑惑まみれになり、世界各国の首脳やメディアから首相としての資質に疑問を突きつけられている有様。
このような国の経済がうまくいったという例が、世界史上聞いたことがないからです。