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【 1,400人が福島第一原子力発電所の建設関連企業を提訴 】[ワシントンポスト]

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所要時間 約 9分

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原発事故により精神的な被害を蒙った世界の人々とともに、原子力損害賠償法の憲法違反、原発メーカーの責任を問う
最終的な目標は、原発メーカーのクリーンなビジネスへの転換

AP通信 / ワシントンポスト 1月30日

3号機
約1,400人の人々が福島第一原子力発電所の原子炉を製造した3社に対し、1月30日木曜日に共同の訴訟を起こしました( 「原発メーカー訴訟」の会 http://ermite.just-size.net/makersosho/soshonokai.html )。
訴状の中で原告側は3社は2011年の福島第一原発の事故で発生したメルトダウンに起因する損害について、賠償責任を負わなければならないと述べています。

原告の弁護団は、東京地方裁判所に提出された今回の訴訟は、原子力発電所の事故について製造者の責任を問わない現在の日本の法律に対する、初めてとなる画期的な挑戦になると語りました。

日本の原子力発電所事故の補償方針の下、巨大地震と津波が引き金となって発生した福島第一原発の事故については、東京電力の管理運営責任だけが追及されています。

38名の福島の住民、そして357人の日本国外からの参加者を含めた1,415人の原告が告発したのは東芝、日立製作所、そしてアメリカのゼネラル・エレクトリック(GE)の3社です。
この3社は建造してから40年が経過した原子炉について、必要な安全上の改善措置を採ることを怠ったとしています。

101302
今回の訴訟で原告は各社に対し、1社当たり100円の損害賠償を求めており、金額を見る限りこの訴訟の目的が、問題の存在を明らかにすることであることが解ります。

原告の弁護士のひとりである島昭宏氏は、これまで福島第一原発の事故についてはメーカー側の責任が問われることはありませんでした。
「企業名に言及されることすらありませんでした。」
そして今回の訴訟により、
「世界中の原子力産業を守ろうとするシステムが存在することについて、改めて明らかにしようと考えています。」

福島第一原発の4基の原子炉は、すべて1970年代に稼働を開始しました。
1号機はゼネラル・エレクトリック(GE)、3号機は東芝、そして4号機は日立製作所が製造しました。
これに対し2号機はGEと東芝の共同企業体により製造されました。
後にGEと日立は、共同でGE日立ニュークリア・エナジー株式会社を設立しました。

福島第一建設
国会事故調査委員会も含め、多くの事故調査報告書は福島第一原発事故の原因について、第一に津波の襲来を挙げていますが、一方で東京電力が津波の規模を過少に見積もっていたこと、そして原子力発電事業の監視機関と原子力産業界との癒着も原因の一端を成したと指摘しました。

それらのレポートを引用して、GE日立ニュークリア・エナジー株式会社の広報担当のクリストファー・ホワイト氏はこれらの調査報告書を引用し、福島第一原発の事故の原因となったのは原子炉の設計上の問題では無く、津波、全電源喪失、そして原子炉冷却が出来なくなった点にあると語りました。

福島第一原発の4基の原子炉の設計・製造は「40年以上に渡り、世界中でその安全性を証明してきた。」ホワイト氏はそう語りました。
彼はさらにその安全が証明されたシステムを一層安全なものにするため、現在非常用電源装置と冷却システムの改善に取り組んでいると語りました。

東芝と日立はまだ訴状を受け取っておらず、訴訟についてコメントできかねると返答しました。

汚染水07
福島第一原子力発電所は事故発生当時と比べ、状況は著しく安定したように見えます。
しかし破壊された原子炉付近で作りだされる高濃度の放射能汚染水は相変わらず太平洋に流れ込み続けており、東京電力はそれを止めることが出来ずにいます。
そして事故を起こした4基の原子炉、特に炉心においてメルトダウンが発生した3基の原子炉を廃炉にする作業は過去に例が無く、事故を完全に収束させるまでにはさらに数十年の月日が必要になると見られています。

http://www.washingtonpost.com/world/asia_pacific/hundreds-sue-makers-of-fukushima-nuclear-plant/2014/01/30/24636832-899c-11e3-a760-a86415d0944d_story.html
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明日9日(日)は掲載をお休みさせていただきます。
新しい記事は10日(月)にご紹介させていただきます。
よろしくお願いいたします。

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【 ほんとうのロシアの冬 】《第1回》

アメリカNBCニュース 2月4日
(掲載されている写真は、クリックすれば大きな画像をご覧いただけます)

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カメラマンのエレナ・チエルニショーヴァはロシアの北極圏の都市ノリルスク市の写真を、1年間かけて撮り貯めました。
ノリルスク市は1年のうち、45日間夜だけの日が続きます。

ロシアでも数少ない北極圏に位置するノリルスク市は、冬の間行き来することすらできなくなります。
唯一可能なのは無線による通信だけです。
夏、水路の氷が解けている間だけ、行き来が可能になります。(写真上)

この地に人間が初めて興味を示したのは、20世紀初頭、地質学者がニッケル、銅とコバルトの豊かな鉱物資源を発見した時でした。
1936年に、ロシアは鉱業と冶金の総合施設を強制労働収容所の囚人を使役し建設しました。 彼らは20年間にわたって都市、鉱山、そして製錬工場を建設したのです。
ノリルスクには現在170,000人以上の住民が暮らし、北極圏の中でロシア最大の都市に発展しました。
街並を建設する際、建築家は建物を密集させることによって居住者を烈風から守ろうとしました。
そしてすっかり囲まれた中庭を作り、建物の間の通路の幅を狭くし、行き来が楽になるように町づくりをしたのでした。
(写真下・以下同じ)
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今日ノルリスクは鉱山業、そして精錬・冶金の複合産業都市として存在しています。
鉱物は地下にある6個所の鉱山で採掘され、ノリルスクの人口の半分以上がこれらの仕事に関わっています。
鉱山へはツンドラ地帯を20キロほど横断してしかなければなりませんが、吹雪になると通勤も命がけになります。
通勤用のバスは通常15〜20台の車列を作って進みます。
万が一バスが壊れるならば故障したり事故に見舞われても、乗客はすぐに別のバスへ避難することができるからです。
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ノルリスクは一年のうち280日間が冬、一年間の平均気温は摂氏マイナス10度。
冬場の最低気温は摂氏マイナス50度にまで下がる事があり、風が吹くと骨まで凍るように感じます。
そして一年のうち、10ヶ月は暖房が必要です。
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一日24時間、週に7日、ノルリスクの鉱業に休みはありません。
1週につき7日、都市の工場と鉱山は一日24時間動きます。
ブラックスミス研究所によると、ノリルスクは世界で最も汚染された都市の上位10位以内に含まれます。
毎年200万トン以上放出される二酸化硫黄を含む有害なガスが常に大気中を漂っています。
ノリルスクの周囲30キロ圏内には、ほとんど植物は生えていません。
一方土壌のサンプルには、銅とニッケルが豊富に含まれています。。
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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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