ホーム » エッセイ » 【 高速増殖炉もんじゅ、莫大な国費をつぎ込みトラブルの連続 – ついに廃棄へ 】
過去22年間に毎年200億円の維持費用をかけ、稼働できたのはわずか250日
使った以上のプルトニウムを生産するというもんじゅのシステムは、今日の日本においては逆に負担
山口まり/AP/ワシントンポスト 2016年9月20日
2016年1月、日本海沿岸の福井県敦賀市に立つ高速増殖原子炉もんじゅ。
与党自民党の原子力関係閣僚会議の主要メンバーは、深刻なトラブルが連続して発生した高速増殖炉もんじゅについて、日本政府は廃棄することを検討すべきだと語りました。
もんじゅは核燃料のプルトニウムを燃焼させて発電を行った後使用済み核燃料として使用した以上のプルトニウムを生産する原子炉として設計され、天然資源に乏しい日本にとって『夢の原子炉』と言われてきました。
しかし1兆円以上の国費を投入して建造された原子炉は1995年の稼働後数か月で深刻な事故を起こし、以来ほとんど稼働することは有りませんでした。
そして原子力発電所の新たな安全基準に適合させるためには、さらに1兆円近い費用が必要だと見られています。(写真上)
9月20日火曜日、日本政府の原子力関係閣僚会議を前に、メンバーである与党自民党の閣僚が、深刻なトラブルが連続して発生した高速増殖炉もんじゅについて廃炉を前提に抜本的に見直すべきであると発言しました。
もんじゅは核燃料のプルトニウムを燃焼させて発電を行った後使用済み核燃料として使用した以上のプルトニウムを生産する原子炉として設計され、天然資源に乏しい日本にとって『夢の原子炉』として建造されました。
しかし1兆円以上の国費を投入した原子炉は1995年の稼働後数か月で深刻な事故を起こして以来、ほとんど稼働実績がありません。
さらに福島第一原発の事故後導入された原子炉の新たな安全基準に適合させるためには、少なくとも数千億円以上の費用、膨大な作業量と時間が掛かると見られています。
「廃炉も含め一定の決断を下すべき時に来ている。」
自民党の政務調査会の茂木敏充会長はこう語りました。
茂木氏の発言は首相官邸で開催される原子力関係閣僚会議に先立って行われたものです。
閣僚会議には経済産業省、環境省、財務省、外務省などの主要閣僚が参加して行われますが、現在もんじゅは運営主体の選定すらままならない上、維持するだけで莫大な費用がかかるため、大勢の意見は廃棄に傾いていると見られています。
茂木氏は過去22年間でもんじゅが稼働できたのはわずか250日であったにもかかわらず、年間約200億円の維持費用が必要であったと語りました。
茂木氏は第2次安倍内閣で約2年間経産相を務めました。
茂木氏はさらに建造されてから数十年が経過したもんじゅを、福島第一原発の事故後導入された安全基準に適合させるためにはさらに数千億円に上る改修費用が必要だともつけ加えました。
2011年3月に発生した福島第一原子力発電所の事故以降、日本では反原発感情がかつてないほど高まり、もんじゅに対する廃炉要求も高まり続けていました。
使った以上の使用済みプルトニウムを生産するというもんじゅのシステムは今日の日本においては逆に負担になっており、国内各所から集められた使用済みプルトニウムを備蓄している状況についても、核兵器開発の観点から国際的な懸念が高まっています。
茂木氏はもんじゅの廃炉が決まっても、日本の核燃料サイクル計画そのものに変更は無いと語りました。
原子力発電所で使われる核燃料について、日本はすでにプルトニウムとウランの混合燃料であり、通常の原子炉でも使用できるMOX燃料が主流になっています。
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【 シリア、ホワイト・ヘルメットの最前線 】《5》
アメリカNBCニュース 2016年9月16日
ホワイト・ヘルメットは、シリア国内で民間防衛を目的に一般市民によって組織されました。
彼らは、アサド政権の政府軍が無差別に投下するバレル爆弾とミサイル攻撃に対応する救助隊です。
2016年6月15日空襲で負傷した女の子を救い出し救急車に乗せるホワイト・ヘルメットのメンバー。(写真上)
2016年4月17日アレッポに対する空襲の後、仮設の病院に負傷者を運び込むホワイト・ヘルメットのメンバー。(写真下・以下同じ)
2016年4月28日アレッポに対する空爆の後、瓦礫の中から赤ちゃんを救出するホワイト・ヘルメットのメンバー。
2016年8月10日イドリブに対する空爆の後、消火活動をするホワイト・ヘルメットのメンバー。
http://www.nbcnews.com/slideshow/angels-front-line-syria-s-white-helmets-n649691