ホーム » エッセイ » 【 膨れ上がる福島第一原発・4号機使用済み核燃料の脅威 】
ビニールで覆われただけの、最大15,972本の使用済み核燃料棒の脅威
ニューヨークタイムズ 5月26日
チェルノブイリ以来史上2番目の巨大原子力災害となった福島第一原発の事故、今日明らかになったその惨状は、これまで最も楽観的に事態を見ていた専門家をも身震いさせずにはおかないものでした。
事故から14カ月、無残に破壊された原子炉4号基の建屋の最上階、そこにある使用済み核燃用プールには膨大な量の核燃料棒がぎっしりと詰め込まれ、莫大な量の放射性セシウムを貯めこんでいます。
ビニールシートで覆われているだけの状態で。
ここ数カ月の間一般の間に膨れ上がっている懸念は、メルトダウンした3基の原子炉がやや落ち着いた状況にある一方で、科学者たちが警告するのは再び大きな地震がこの地域を襲った場合、4号基の核燃料プールの崩壊が引き起こすであろう、さらなる巨大災害です。
福島第一原発の運営会社である東京電力が、原子炉建屋の壁の一か所にわずかなふくらみを発見した、という発表が今回の懸念の発端となり、建屋の安全性に対する懸念が一気に拡大することになりました。
こうした懸念を鎮静化させる目的で、日本政府は細野環境大臣兼原子力事故担当大臣を5月26日土曜日、現地の視察に派遣しました。
大臣は防護服に身を固め、核燃料プールを支えている構造をその目で確認するため、臨時に設置された階段を昇って視察を行い、問題は無いように感じた、と語りました。
十分な補強工事を行い建屋については倒壊の恐れはない、という東京電力側の説明を受け入れる一方で、問題のふくらみについては十分な検証を行うよう指示した、と細野大臣は付け加えました。
一部の外部の専門家も、4号基の核燃料プール内の燃料棒は古いもので、新たに放射能漏れを起こすような事故につながる程過熱する恐れは無いと語り、国民の間に膨らんだ懸念を払しょくするため協力しました。
しかし多くの日本人はこうした「保証」を一笑に付しました。
百歩譲って建屋の強度が十分保たれたとしても、応急的に作られた冷却設備は4月に24時間停止してしまったことをはじめ、これまでも度々故障を繰り返してきたではないか、と指摘したのです。
もし冷却装置が再び停止、それが長時間続くことになれば、危険な領域まで使用済み燃料棒の温度が上昇することを防ぐ手段はありません。
東京電力が2013年の後半になれば使用済み核燃料棒の除去作業に取り掛かれる、と胸を張って表明した時、政府側の懸念はより一層深まることになりました。
「4号基の損傷は見た目にもひどく、使用済み燃料を支えているプールの床も含め完全に機能が失われています。」
懸念を深める専門家の一人である京都大学原子炉研究部門の小出裕章助教授が、このように語りました。
「大量の放射性物質が、直接大気中に放出される恐れがあります。」
アメリカオレゴン州選出の民主党ロン・ワイデン上院議員も、昨月日本を視察した際、同様の懸念を表明しました。
4号機核燃料プールに対する膨れ上がる懸念は、福島第一原発は『冷温停止状態』にあり、その状況は安定しているとする政府と東京電力の『保障』を日々蝕み続けています。
そしてこれから何十年かかるかわからない事故の収束作業が、いかに困難な事業であるかを、あらためて白日の下にさらすことになりました。
このような懸念が高まるにつれ、日本の政府機関が原子力は安全だと国民に信じさせるためにありとあらゆる策を弄し、真実を明らかにすれば再び国民を刺激してしまうため、国内で行われている使用済み核燃料棒の保存状態 – そのうちのいくつかは安全が確認されているにしても – について再確認作業を行おうとしない態度に対しても、疑問が突きつけられることになりました。
「積み上がる一方の、使用済み核燃料の問題に触れることはタブーだったのです。」
1990年代に福島第一原発で、技術者として働いていた木村ひでおさんが語りました。
「しかし使用済み核燃料の行き場がもう無いことは、明白な事実なのです。」
4号機の使用済み核燃料プールで起こりうる最悪の事態は、臨時に作られた冷却装置に不具合が発生してプール内の水が干上がり、核燃料棒が燃え上がってしまう事です。そうなれば2011年3月の事故とは比較にならない、膨大な量の放射性物質が放出される事態となります。あるいは、地震によって使用済み核燃料棒を仕切っている金属パネルが破壊されるようなことになれば、核分裂が始まってしまう恐れがあります。
これは考え得る限り最悪の事態です。
なぜなら格納容器で覆われた原子炉内の核燃料と異なり、これを覆うものが何もないからです。
かつて4号機建屋には屋根がありましたが、使用済み核燃料棒が火を噴けば、物の役には立たない程の破壊が始ります。
このような大惨事が起きるかどうかは、専門家の間でも意見が分かれています。
しかし災害の発生確率がどの程度になるかは別にして、再び大地震が発生すれば直ちに災害につながる可能性は否定できないのです。
ワイデン上院議員は出身州が新たな放射性物質拡散の通り道にあたります。また、核廃棄物問題に関し長年調査を続けてきました。
ワイデン上院議員は4号機核燃料プールの問題について、一刻も早い対処を求めています。
福島第一原発を視察した後同議員は
「4号機核燃料プールではきわめて危機的な状況が、現在でも続いている。」
と語り、使用済み核燃料棒を取り出す問題については
「次の大地震が襲う可能性を否定できない以上、一刻の猶予もならない問題だ。」
と語りました。
原子炉4号機がこれほど問題視されるのは、原子炉建屋内の核燃料プールに原子炉3基分に相当する莫大な量の使用済み核燃料があるためです。
原子炉1号機から3号機も大きく機械されていますが、その核燃料プール内にある使用済み核燃料の量は多くはありません。
東京電力によれば4号機核燃料プールには1,331個の使用済み燃料格納器があり、それぞれに12本の使用済み核燃料棒が収められています。
この何千本もの使用済み核燃料棒は、3か月前の点検の際に原子炉内から取り出されたものです。
これらの使用済み核燃料棒は完全に使い切られたものではなく、そのためより簡単に連鎖反応が起きてしまいます。
小出氏などの専門家がこの使用済み核燃料棒を安全な場所に移し変える措置を、一日も早く行うよう警告してきましたが、困難を極める事故処理作業により未だに実現されていません。
通常は核燃料棒の移動は巨大なクレーンを使用して行われますが、3月11日に襲った巨大地震と巨大津波、そして次々に発生した爆発事故により、原子炉建屋は無残に破壊され、クレーンの使用などできない状況にあります。
東京電力は4号機建屋の隣に土台を建設し、そこにクレーンを据え付ける必要があると語りました。
福島第一原発におけるこれほど多くの使用済み核燃料棒の存在は、リサイクルするにしても、廃棄処分するにしても、使用済み核燃料を安全に保管することがいかに難しい問題であるかを、世界の原子力産業界に向かって突きつけました。
この使用済み核燃料は数万年に渡り、放射性物質を放出し続けるのです。
1960年代から70年代にかけ、リサイクルした核燃料を再び原子力発電の燃料として再使用する計画は、国内で原子力発電を実施する国々に、未来を約束されたも同然の画期的プランと歓迎されました。
しかしこの核燃料リサイクル・プランはすぐに、アメリカ合宿国を含む多くの国々で顧みられなくなりました。リサイクルの過程で生まれるプルトニウムが核兵器の原料になりうる、というのもその理由のひとつでした。
しかし日本は核燃料サイクルに固執、青森県にある大規模施設で燃料漏れのトラブルや工程の大幅な遅れがあったにもかかわらず、各原子力発電所の施設内に使用済み核燃料を貯めこんでいったのです。
こうした日本の方針に対し、1980年の早いタイミングからアメリカ原子力規制員会の委員を含む世界中の専門家が、大量の使用済み核燃料を原子力基発電所内の核燃料プールに保管することの危険性について、警告を繰り返しました。
アメリカ側の見解としては厳重に密閉されたプールに保管することこそが安全な保管方法であると結論付けましたが、東京電力はプール自体の性能について引き起こされる危険性に関する検証は存在しない、と主張したのです。
「日本側は核燃料サイクルが、誤った理論の産物であることを認めたくなかったのです。そしてもっと安全で恒久的な使用済み核燃料の保管方法については、真剣に検討しようとはしませんでした。」原子力政策が専門の勝田忠弘・明治大学准教授(東京)がこう語りました。
こうした使用済み核燃料問題の保管能力の問題は、福島第一原発において特に深刻です。
日本にある原子力発電所の中で最も古く、そして最も旧式な使用済み核燃料保管システムにより、1973年から延々と使用済み核燃料を貯めこんでいたのです。
そして結局は一部の住民が心配した通り、使用済み核燃料を保管するための特設燃料プールが増設され、当初の計画に比べてはるかに長期間、多量の使用済み核燃料が福島第一原発内に保管されることになったのです。
東京電力も一部の使用済み燃料については密封容器に移し変えることを望みましたが、この方法はすでに時代遅れのものでした。
東京電力が密封容器に移し変えた使用済み核燃料は、わずかな量に留まりました。
しかし事態遅れではあっても、密封容器に移し変えられた使用済み核燃料は、今回の事故で問題を起こすことは無かったのです。
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この報道はツイッター名[脱原発に1票 @mr_IMB21]さんに教えていただきました。
何せこの【星の金貨】、取材?・編集担当が1名、技術担当が1名という、家内制手工業でやっているので、世界の大手メディアの報道を一通りチェックしているつもりでも、何かしらは抜けてしまいがちです。
そんなわけですから、お読みいただいている皆さんに見るべき記事を教えていただくと、本当に助かります。
以前、報酬を支払うので翻訳してもらえますか?と、服飾関係の業界紙の翻訳を打診されたことがあります。
しかし、私は翻訳家になりたくてこの【星の金貨】をやっているわけではないので、お断りをさせていただきました。
3.11以降、日本国内の報道内容に違和感を感じ、海外のニュースをチェックするうち、海外で伝えられる『真実』と日本国内報道の『真実』との違いに愕然とし、ひとりでも多くの方と知識を共有したいと思い、この【星の金貨】を始めて間もなく、内容を海外記事の翻訳専門に変更しました。
誤訳や意訳が過ぎたり、と言ったこともあるかと思います。
ご指摘やご要望がございましたら、どうぞご遠慮なくどうぞ。
ただし、前述の通りの2人制家内制手工業、いろいろと限界もございますので、その点はご容赦を。
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【ニューヨーク、炭酸飲料の飲み過ぎを法律で規制?!】
アメリカNBCニュース 5月31日
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簡単な質問をしましょう。
私たちは16オンス(約500ml)以上の炭酸飲料を買うことを、法律上許されるべきでしょうか?
アメリカ国内で増々肥満が悪化するのを見て、ニューヨークのマイケル・ブルームバーグ市長が、対策を実施する決心をしました。
市長は特大サイズの炭酸飲料・砂糖を含む飲料の販売を禁止する方針です。
多分、多数の反対に遭遇することになると思います。
しかしもしこの法律が実現すれば、実現しないと言い切ることはできないと思いますが、今後あなたはどこに住みたいと思いますか?
ニューヨークのタイムズスクエアからNBCのロン・モットがお伝えします。
レポーター : そろそろ一杯やりたくなる頃合いです、でも大きめのグラスで一杯だけですよ。
しかし、ここではそんな我慢をしている人はほとんどいないようです。
みんな600ml、1000ml、人によっては1200mlをガブガブと飲んでおり、ブルームバーグ市長はそれを問題視しています。
ポッコリおなかとの戦い(原文は『バルジの戦い』 : 1944年~45年第二次世界大戦。一方的な退却を続けてきたドイツ軍が突如反攻に転じ、連合軍占領区域にドイツ側の占領地域として、一か所大きなふくらみを作った)を始めるべく、500mlを超える甘味料入りの飲み物、特に炭酸飲料について、レストランや映画館、屋台や野球場などでの販売の禁止を提案しています。
ブルームバーグ市長「深刻化する肥満問題はこの国の重要課題であり、事態は悪化する一方であり、ほとんど誰もがこの問題の当事者です。この問題を早急に何とかしなければなりませんが、誰も手をつけようとはしてきませんでした。」
レポーター : 問題は糖分です。アメリカ人は一人当たり、少なくともティースプーン22杯分の砂糖を一日に消費します。これだと年間34キロの砂糖を摂取することになります。
ブルームバーグ市長は2008年に初めてレストランでトランス脂肪酸の使用を禁止しましたが、今回は砂糖が対象になります。
「何を飲み食いしようとそれはその人の勝手ですが、しかし肥満対策のため年間40億ドル(3,200億円)もの費用が必要となると話は別です。この費用は国民の税金によって賄われているのです。」
カロリーの高い飲料すべての販売時のサイズが小型化されるわけではありません。水はもちろん除外されます。その他ダイエット飲料、コーヒー飲料、乳飲料、フルーツジュースの70%、そして野菜ジュースやアルコール飲料は規制の対象外になります。
国中に影響が及び、反響も大きくなるでしょう。
「健康には良いから、仕方がないんじゃないですか?」
「私自身は複雑な思いです。確かにこの国には肥満が蔓延し、その原因としてこうした飲料の摂取のし過ぎがあることは事実ですから。」
「一部の人々は間違いなく、こうした飲料について摂取過剰です。」
レポーター : 一方これは過剰介入だ、という非難の声もあります。彼らは炭酸飲料だけが肥満を作り出しているわけではないと主張しています。市民の自由な権利を擁護する立場の一人は、これは政治の過剰介入以上のものだと批判しています。
ニック・ガレスピー(リーズンズ.com)「政治がいちいちこれは体にいいから食べてもいい、こっちは体に良くないから食べてはいけない。そんなことをさせるために私たちは選挙で政治家を選んでいるわけじゃないのです。」
レポーター : 数年前にもブルームバーグ市長が屋内での喫煙を禁止した際に、これと同じような騒ぎがありました。
炭酸飲料の禁止も、これと同じような経過をたどる可能性があります。
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【雨の季節】
アメリカNBCニュース
☆レッドソックス、6対3の勝ち試合、ドローにさせてなるものか!