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【 日本の品位と評価を下げ続ける安倍政権 】《前篇》CNN

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所要時間 約 8分

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世界の最先進国の首脳に、『公人』と『私人』の使い分けなど許されるはずがない
安倍首相の『戦犯への哀悼の意』を問題視していないのは日本だけ、世界では批判が沸騰している
安倍首相が世界の融和と安定に向け無分別な攻撃を行うたび、日本との間の距離を広げつつあるアメリカ政府内の知日派

 

ジェフ・キングストン / アメリカCNNニュース 8月30日

安倍02
▽世界中の日本研究専門家から巻き起こった批判

2014年8月スロベニアのリュブリャナで、日本を専門とする研究者たちの国際的学会が開催されました。
この会場で日本の安倍首相のある行為に対し、参加者が口々に厳しい批判を行いました。
この行為に驚いたと語る研究者は一人もいませんでしたが、この行為が日本に何らかのプラスになったと考えている人間に私はまだ会った事がありません。

それとは反対にある出席者が私にこうほのめかしました。
安倍首相は戦争犯罪人を追悼する式典に『個人としての』メッセージを送った事により、日本が戦争責任について未だに真剣に受け止めていない事を全世界に印象づけ、結果として中国・韓国に戦略的優位性を提供してしまった、と。
別の出席者は、もしドイツのアンゲラ・メルケル首相が『個人として』であっても、ナチス・ドイツの戦争犯罪人を追求したニュルンベルグ軍事裁判を否定する発言をすれば、彼女の政治生命は絶たれ、ドイツは厳しい批判にさらされ、ヨーロッパ社会で孤立してしまう事になると語りました。

世界の日本研究者たちの見解を総合すれば、安倍首相は今年4月和歌山県にある高野山で執り行われた慰霊祭に追悼文を送った事により、世界史に戦争犯罪について反省などしていない日本の悪名をくっきりと書き込んだ事になりました。

▽『祖国の礎(いしずえ)』

反韓国
高野山は仏教の真言宗の総本山で、ユネスコ世界遺産に指定されています。

式典は奥の院で毎年開催されています。この場所には靖国神社に祀られている14人のA級戦犯を含め、1,180人の戦争犯罪人の名前を刻んだ石碑があります。
この石碑は戦争犯罪人の名誉を回復し、「祖国の礎を築くために命を捧げた」事に敬意を飛揚するという明確な意図を持って20年前に作られました。
この石碑には連合軍による軍事裁判は勝者の正義以外の何物でもないとし、判決は不当なものであり、歴史上かつてなかった酷烈な処置であると批判する意味の文言が彫り込まれています。

安倍首相の追悼文は今年4月29日に開催された式典で読み上げられましたが、一般国民の前に明らかになったのは8月末の事でした。

菅義偉官房長官はこの追悼文は安倍首相が個人としての立場で送ったものであり、首相という立場で贈ったものではないと記者会見で語り、である以上政府としての見解を示すことはないとしました。

朝日新聞の報道によれば、安倍首相の追悼文は以下の通りです。
「自らの魂を賭して祖国の礎となられた昭和殉難者の御霊(みたま)に謹んで哀悼の誠を捧(ささ)げる」

第二次世界大戦03
日本の戦時中の行為を擁護する人間たちは、戦争犯罪人について『昭和殉難者』という表現を用いることを好みます。
昭和は西暦1926-89年の昭和天皇の在位期間の事です。

こうした論理の存在は1931年から1945年まで行われた大日本帝国の侵略戦争を美化する目的を持つ『聖地』靖国神社の敷地内にある、遊就館において実際に目にすることが出来ます。

この高野山で毎年行われている祭典に安倍首相が追悼文を送ったのは今回が初めてではありません。

昨年送った追悼文では、戦争によって死んだ人々の精神を恥じることなく公に出来る新たな日本を築きたいという旨の決意を表明していました。

しかしおそらくは、大多数の日本人は戦前戦中の日本を美化しようという安倍首相のこうした行為について、戸惑っているものと思われます。

 

▽日本に距離を置き始めた米政府内の知日派

安倍首相のスポークスマンは今回明らかになった追悼文も、今年2度にわたって行った靖国神社への供物の奉納も、いずれも個人の立場で行ったものであると語っています。

明らかに安倍首相は自分の都合によって、公人と私人の立場を使い分けることは可能であるとの幻想を抱いています。
このやり方は日本の政治指導者が度々演じてみせる、戦争の犠牲者を踏みつけにする、疑いの目を向けられても仕方のない巧妙なごまかし以外の何ものでもありません。

世界的な先進国の指導者が公人と私人の立場を使い分けることなどはあり得ない話なのです。

大部分の日本人は安倍首相の軍国日本に対する執着に同調はしていませんが、安倍氏が24時間週7日間日本の首相である限り、世界は日本が国を挙げて歴史を歪曲しようとしているのではないかとの厳しい視線を向けることになります。

軍国主義の日本に占領され様々な形で被害を被ったアジア各国を前に、安倍首相が日本の過失には全く目を向けようとせず、中国・韓国との対立構図を煽り続けてきた結果、日本は世界の中で孤立せざるを得ない状況に陥りつつあります。
アメリカ政府内にいる親日派は、安倍首相が世界の融和と安定に向け無分別な一斉砲撃を行うたび、日本との間の距離を広げつつあるのです。


多くの日本人同様彼らアメリカ政府内の親日派も、なぜ安倍首相が日本の経済回復に専心し、歴史を記録する事を歴史家による知的分析に任せることが出来ないのか、不思議でならないのです。

※筆者について : ジェフ・キングストンは日本のテンプル大学のアジア研究部門の責任者です。
専門は同地域における国家間の対立・紛争です。
この記事において表される見解は、キングストン氏個人のものです。

 

〈後篇に続く〉

http://edition.cnn.com/2014/08/29/opinion/japan-abe-war-criminals-kingston/index.html?hpt=ias_mid
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この稿を翻訳するにあたりいろいろ調べている中で、いくら島国とはいえ一部の日本人の国際感覚の無さに少しばかり驚きました。
日本の一部報道、そして政治家が口にする『自虐史観』などと言う言葉が、世界の『知的』史観から見た場合、歴史の正義を踏みにじる傍若無人の発言だととらえられているという事をまず理解していただかなければなりません。
世界各国間のスムースなやり取りが日本経済の生命線である以上、本当は日本がどう見られているかもっと感覚を磨いていいのではないでしょうか?

折しもNHKの朝の連続テレビ小説では、主人公が「たとえ一端であっても、自分は日本の戦争遂行に協力してしまった。これからその償いをしていかなければならない…。」というシーンが今週放送されました。
当時戦争に関わった多くの日本人がそう感じた事でしょう。
兵士・民間人会わせて200万人以上の日本人が殺されたのです。
その原因を作ったのは日本人自身でした。

しかし日本の首相とその取り巻きだけは、全く異質の考え方をしているようです。
その本当の危険性を海外のメディアは度々取り上げますが、NHKも報道部門となると全く取り上げようとはしていません。

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