ホーム » エッセイ » 【 東京電力は、その場しのぎの対策を止め、事故処理能力を改善せよ 】
IAEA(国際原子力機関)、福島第一原発の廃炉作業の根本的見直しを提言
マーティン・ファクラー / ニューヨークタイムズ 4月22日
福島第一原発の管理・運営の責任を負う東京電力に対し、IAEA(国際原子力機関)は一匹のネズミのために電源喪失に陥ることなど無いよう、これ以上その場しのぎの対策を繰り返す事無く、不測の事態に対しもっとましな備えを行うよう、22日月曜日、勧告を行いました。
IAEAから派遣された調査団は、東京電力が福島第一原発を危機的状況から比較的安定した状況を維持し、3基の原子炉の廃炉作業を進めていることについて、まずはその取り組みを評価しました。
2011年3月11日、巨大地震と巨大津波が東日本に壊滅的被害を与え、福島第一原子力発電所で原子炉が破壊され、おびただしい量の放射性物質が環境中に放出されました。
今回調査団を率いるIAEAの核燃料サイクル・核廃棄物技術部門の責任者であるホアン・カルロス・レンティヨ氏は、東京電力はきわめて放射線量が高い環境にもかかわらず、原子炉を冷却し続けるという緊急時に必要な対策をほぼ成し遂げていると語りました。
その一方で、
「まだ改善すべき点がある。」
と語りました。
レンティヨ氏は東京電力(略称はTEPCO)は福島第一原発の安全を確保するため有効な対策を行っている一方、その手法は概して『一時的、あるいは仮想的な設備でしかなく、それらを安定した恒久的な構造のものに換える必要がある。』と語りました。
現在使用されている冷却システムが脆弱な間に合わせのものである、その実態が22日月曜日、再び明らかになりました。
再びネズミの死がいが発見され、電気回路の損傷が無いかどうか点検のため電気の供給が4時間の間ストップされることになったのです。
3月にも配電盤近くで一匹のネズミが感電死し、29時間もの間、原子炉の冷却装置や使用済み核燃料プールの電源喪失の事故が発生したばかりでした。
この事態について東京電力は、いずれの場合においても使用済み核燃料プール内の核燃料の温度の上昇は軽微なものであり、危険な状況には至らなかったと語っています。
同社は仮に一週間電源喪失の事態に陥っても、使用済み核燃料プールの安全は確保できると語っています。
しかし地下に貯蔵されている高濃度汚染水の、一連の漏出の問題の方は深刻です。
東京電力は漏れ出した汚染水の量は、全体に多くは無いと公表していますが、同社の福島第一原発の事故現場の管理・運営に対しては、一般国民から不安視・疑問視する声が挙がっています。
訪日したIAEA(国際原子力機関)のレンティヨ氏は、東京電力は問題をきちんと解明するため、センサーを始めとする機器類を一新する必要があると述べ、そうすれば同社は発生した問題に対し、もっと迅速な対応を取ることが出来るようになるはずだと指摘しました。
そして、40年以上かかるとされている福島第一原発の廃炉作業についても、東京電力は不測の事態にいつでも対応できるよう、その処理能力を上げることも大切だと語りました。
同氏はさらに、東京電力の目下の最大の緊急課題は、莫大な量である上、現在も増え続けている放射能高濃度汚染水の処理だと語りました。
1日につき約100,000ガロン(約378,000リットル)の地下水が、破壊された原子炉建屋の下に入り込み、汚染される状態が続いています。
レンティヨ氏は、彼が率いる調査団は東京電力に対し、現在福島第一原発の敷地の大部分を占有してしまっている、地上のタンクと地下貯蔵タンク内の高濃度汚染水を、安全に管理する方法について助言を行ったことを明らかにしました。
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【 安全?!そんなものには程遠い現状 】
福島第一原発、事故発生から2年
アメリカCNNニュース 4月22日