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土地が不足する日本、貯水池に水上設置型太陽光発電所を建設
福島第一原発事故を受け、民間レベルで再生可能エネルギーへと大きく転換する動きが続く日本
アダム・ボーン / ガーディアン 2016年1月27日
太陽光発電設備の開発を進める日本のエレクトロニクス多国籍企業京セラは、日本国内の用地不足解消のため、貯水池水面にパネルを並べる水上設置型太陽光発電所の開発に着手しました。
同社によるとその規模は世界最大になります。
千葉県内の貯水池で行われている建設工事が計画通りに進めば、2018年初めには5,000世帯分の電気を供給することになります。
2011年の福島第一原発事故を受け、日本国内では再生可能エネルギーへと大きく転換する動きが続いていますが、国土が狭いことからすでにいくつかのる水上設置型太陽光発電所の建設が行なわれています。
そして国内の多くの原子力発電所の停止により、火力発電に大きく依存せざるを得なくなった日本は、その二酸化炭素排出削減計画に大きな狂いが生じていました。
山倉ダム発電所では50,000枚以上の太陽光パネルが180,000平方メートルのエリアにしきつめられますが、地上に設置されるメガソーラーなどと比較すると比較的小規模です。
完成すると年間発電量は約15,635MWhになりますが、世界の太陽光発電所の上位100位以内には入りません。
英国では、水利企業のユナイテッド・ユーティリティが昨年グレーターマンチェスター貯水池で水上設置型太陽光発電所を稼働させました。
完成途上での稼働開始となりましたが、完成すればヨーロッパ最大の施設になります。
京セラは日本で大規模ソーラー施設を建設する際、どうしても土地の確保が難しくなるため、水上に着目したと語っています。
英国に拠点を置く再生可能エネルギー協会の太陽光発電システムのアドバイザーであるR・ノーブル氏は、使われる技術は比較的単純ではあるものの、水上設置式が有利になる唯一の条件は土地の確保が極めて難しい場合に限られると語りました。
「日本のように土地が不足している場所では、水上設備の方が条件として有利になります。しかし英国のように工業用地が比較的容易に手に入る場所では、地上に設置する方がコストが安く済みます。」
水上設置式で技術的に難しいのは、発電した直流電流を一般用途の交流に変えるインバーターも水上に浮いているため、そこに太陽光パネルからの配線を水から遠ざけたまま取り付けることでした。
この点についてノーブル氏は次のようにつけ加えました。
「うまくいかないことがあっても、私は常に電気と水が交じり合う事は無いと言い続けてきました。」
京セラはこれまですでに3か所で水上設置型太陽光発電所を建設していますが、いずれも山倉ダム発電所よりは小規模です。
今回の計画は2014年10月に初めて公表されました。
http://www.theguardian.com/environment/2016/jan/27/japan-begins-work-on-worlds-largest-floating-solar-farm
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【 2月9日の報道写真から 】
アメリカNBCニュース 2月9日
アフガニスタンの首都カブールの伝統的な店で、枕とマットレスを作るため機械を使って生の綿を膨らます労働者。(写真上)
パキスタンのラホール、霧に包まれた朝。(写真下・以下同じ)
小雪が舞うボルティモア、傘をさして歩く男性。
シリアの首都ダマスカス近郊の破壊の跡が著しいドゥマ地区を歩く市民。
http://www.nbcnews.com/slideshow/today-pictures-february-9-n515071