ホーム » エッセイ » 【 放射能のない日本への戦い 】〈第7回〉
[ 苦難の道を歩む東北地方のコミュニティ ]
アルジャジーラ 2011年9月
⑥ 長く遠い道のり
核のない日本という目標に向かい、彼らが信頼するに足るとする情報を集める作業は、長い過程の途上にあります。
そして、活動を続ける人々は長い闘いの道のりを、自らの足で進んでいかなければなりません。
「この種のことは、今日や明日のためだけではないのです。これから来る20年間のために行われなければなりません。」
こうした活動家の一人である宗像さんはアルジャジーラに語りました。
テレジャパン社の社長である宗像さんは、4月以来放射線濃度が高い地点の数値を確認している、セイフキャストのボランティアもしています。
宗像さんは、県内各地を何日もかけて車で回っています。
セイフキャストから借りた放射線測定装置を積んだ車で田舎道を走り、高速道路を驀進し、人影のない避難区域の街中をめまぐるしく走り回っています。
彼は県内すべてのポイントに、自動放射線検出装置が整備されることを望んでいます。
彼は1999年式フォルクスワーゲン・ゴルフに放射線モニターをぶら下げ、毎週200キロを走破しているため、放射線に対する恐怖で身を固くする暇もありません。
放射線モニターは車内のノートPCに接続され、大気中の放射線レベルを5秒ごとに記録しています。
助手席にノート型パソコンを置き、膝の上には地図を表示させたiPadを置いて走り回る宗像さんは、福島製ガイガーカウンターを製造するベンチャー企業にも従事しています。
本来であれば東京電力や政府が行うべき、放射線量と換算状況に関する迅速で正しい情報提供が行われないため、自ら行動しているのです。
結局のところ、原子力発電所から20 km以内の『警戒区域』の中の一部では、区域外よりも低い放射線レベルが計測されました。
「ここにある一群の空き家を見ていると悲しくなってしまいます、住んでいた人々はたぶんもう決して戻ることはできない、って解ってますから。」
宗像さんは浪江町内の捨てられた家々の群れのわきを通りすぎながら、こう語りました。
彼は日本政府と東京電力が発表している内容については懐疑的です。
「だから私はこうする必要があるのです。(放射能は目には見えないため)私は何が起こっているか、他に確かめようがないのです。」
福島第一原子力発電所から60キロの、郡山市の住民でもある彼は語りました。
〈つづく〉
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しばらく掲載できなかった【 放射能のない日本への戦い 】です。残すところ、あと一回で完結となります。
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【 小児がんに挑む7歳のレーサー 】
アメリカNBCニュース 10月24日
ブライアン・ウィリアムズ
今夜のMaking a Differenceの時間です。
今回は一人のお母さんが私たちに知らせてくれた話です。
彼の息子さんが友だちがガンと診断されてしまったことを知り、そして行動を始めました。
このお話の場合、少なくとも事態は深刻であり、それを乗り越え、そして解決に向かうためには危険を冒し続ける必要がありました。
アン・トンプソンとともに、お送りします。
レポーター : アン・トンプソン
一人のプロのレーサーが一連の問題を解決するため、レースに臨みます。
勝利を目指して、カーブをこなし、疾走していきます。
しかし、ティミー・ティレル・ジュニアと同じ目的でレースに臨むドライバーはまずいないでしょう。
ティミー・ティレル・ジュニア「僕は誰も病気になってほしくないから、だって病気になると人は死んでしまうでしょ。ぼくは誰にも死んでほしくなんかないんだ。」
レポーター :『ミニ』という愛称の彼は、とりわけ友達のエラ・デイのことを心配しています。
エラ・デイ「私は脳の中にこぶがあって、それがガンになってしまったの」
ティレル「エラはのガンは本当に、本当に大変な病気なんだ。何とか助けてあげたいんだよ。」
レポーター : そのためこの7歳の少年は、エラのような小児がん患者のいる家庭のため、大好きなゴーカート・レースで寄付を始めることにしました。
彼はそれを『ミニの作戦』と名づけました。
「行け、ミニ!」
「ゴー、ゴー!」
「がんばれ、ミニ!」
レポーター : 誰かを助けるため、タイヤをきしらせていきます。
ゴーカート・レースは3月から12月の間、毎週土曜 日夜に開催されます。レースはトラックを500メートルを走って行われますが、『ミニ』はすでに7,000ドル(50万円)の賞金を獲得し、さらに獲得し続けています。
「素晴らしいわ!」
レポーター : 大会があるたび、『ミニ』は賞賛されています。
「私たちの誇りだよ。」
レポーター : そして寄付金も……
ティレル「今日の賞金は100ドルだよ。」
レポーター : 賞金はジェフリー・ヴィロステック基金に寄付されます。
ティレル「ぼくはもっと賞金を.....たくさん賞金を寄付したいよ。」
レポーター : ジェフリー・ヴィロステック基金は、ターシャ・ヴィロステックの息子が4歳の時白血病を発症したことがきっかけで設立され、ガンという重荷を背負った家庭の援助を行っています。
ターシャ・ヴィロステック「支払らうことが必要な交通費の問題もあります。抵当や借金の返済、さらには精神面で小児がんの子供たちを支えるため、誰かがそばにいてあげる必要もあり、そのための費用も必要です。」
レポーター : 幸いにも、8歳のエラの脳腫瘍は完治しました。しかし、『ミニ』はなお、彼女のような子供たちを支えようとしています。
ティナ・ティレルさん(ミニのお母さん)「寄付が彼の目標になったの。」
レポーター : お母さんも、お父さんも、手を貸す必要はありません。
ティレルのお母さん「息子はこう言うんです、『今日は3着でちょっと残念だったけど、25ドル寄付すること ができたよ。』母親が何か口を出す必要がありますか?なんというか、わが子ながら、頭が下がります。」
レポーター : 大きなゴールを目指す少年。
男性「ミニじゃなくて、ジャイアント、って呼ぶべきじゃないのかい?」
レポーター : 一周ごとに、ガンの問題に挑む少年。
ヴァージニア州キング・ジョージから、NBCニュースのアン・ トンプソンがお伝えしました。
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