ホーム » エッセイ » 【 放射線が子どもたちを攻撃するメカニズム・第2部 】《5》
原子力産業界が資金提供した調査研究は、稼働中の原子力発電所が極めて危険な存在だという事実を証明した
大胆なエネルギー政策転換により、再生可能エネルギー技術の革新が進んだドイツ
調査研究が進めば進むほど、原子力発電にとって不利な結果が出揃うことになった
フェアウィンズ 7月7日
マーガレット・ハリントン :
では再びウラン鉱山の話に戻りましょう。
ウランの採掘もまた地下水層を汚染し、人々の健康の脅威になります。
ところでこの問題についてどのような研究結果が出ているのでしょう?政府は充分な調査研究を行っているのでしょうか?
マギー・ガンダーセン :
米国の政府機関はあらゆる公式研究を妨害してきました。
米国国立衛生研究所は米国原子力規制委員会と共同で、放射線被曝に関するある調査研究を行っていましたが、原子力規制委員会の方が一方的にもうこれ以上資金を出せないと宣言し、研究はストップしてしまいました。
しかし原子力規制委員会はそもそもそんな研究はしたくなかったというのが本当のところです。
アメリカの原子力産業界が継続を中止するよう圧力をかけた研究は、ドイツにおいて完成していました。
稼働中のすべての原子力発電所を中心とする同心円の中で、白血病の多発が確認されたのです。
ここヴァーモント州でも、ヴァーモント大学医療センターの医師に対し、研究機関から質問方法などについて懇切な説明が行なわれたことを私も確認しました。
そして聴き取り調査を行った結果、存在が確認され明らかにされた事実は驚くべき内容のものでした。
実はこの調査研究に対し、アメリカの原子力産業界が資金を提供していました。
産業界は稼働中の原子力発電所は安全であり、周辺環境に影響を及ぼすことは無いという事を証明できれば良いと考えていました。
そうすれば何の問題も無く稼働を続けられると考えたのです。
調査の結果明らかになったのは、稼働中のすべての原子力発電所が環境中に放射性物質を放出しており、それらが水資源、土壌、そして空気を汚染しているという事実でした。
そしてその場所にいる人間の体内へと入り込んでいました。
原子力産業界が証明したかったのは原子力発電所が安全な存在だという事でしたが、証明されたのはきわめて危険な存在だという事実でした。
そして結局、アメリカ国内の調査研究が成し遂げられるのを拒否したのです。
マーガレット・ハリントン :
そうそう、数年前この調査にアイゼンバーク博士が参加していたことを思い出しました。
結局この研究はドイツの原子力産業にどんな影響を及ぼしたでしょうか?
マギー・ガンダーセン :
私はメルケル首相の原子力発電に対する見方を変えるのに、舞台裏で大きな影響力を発揮したと考えています。
メルケル首相は物理学者であり、当初原子力発電に対し非常に好意的な見方をしていました。
そこに新たな知識を加えたのが、これまでお話してきた調査研究の結果でした。
彼女はそのデータを詳細に検証しました。
そして日本で福島第一原発のメルトダウンが発生したのです。
この事態を受け、ドイツは国内のすべての原発を停止させる決定を行ったのです。
それと同時に国内の発電手段を思い切って太陽光発電と風力発電へと切り替える、大胆な政策転換を行いました。
ドイツの国土は太陽がさんさんと降り注ぐような場所ではありませんが、それでも国内すべての場所で屋上に設置する太陽光発電設備に対する補助金の交付を決断しました。
そして、状況は日に日によくなっています。今や太陽光発電システムはドイツ全土で一日16時間の稼働が可能になりました。
マーガレット・ハリントン :
これは教育や調査研究が本来の目的通り、すなわち現実を本当に良い方向に変えていくために役立ったという非常に良い実例のひとつです。
こうした例を目の当たりにすると、原子力発電が人々、特に子供たちに対して非常に危険な存在であるという点を改めて認識できます。
金子チホ :
さて、私は社会が最も優先すべき価値観は何かということについて、母性本能こそ優先されるべきだと考えています。
母親は何よりもまず子供たちが健康であるかどうかという事を気にしますが、こどもたちこそは私たち人間という種の未来の根幹を形成するものです。
私は単に人間社会の事を言っているのではありません、私たちは人間として母親たちの声に注意深く耳をかけ向ける必要があります。
キャロライン・フィリップス :
その母親たちの懸念は大きくなっています。
実際に今週、多分水曜日だったと思いますが、カナダのブリティッシュ・コロンビア州に住む一人の母親からの電話を受けました。
彼女の息子は小学生ですが、何年生かは言いませんでしたが、学校で原子力発電を行う事のメリットについて教えられていると語りました。
動揺した彼女が私たちフェアウィンズ・エネルギー・エデュケイションに連絡してきた目的は、子どもたちに真実を伝えるための何か教材のようなものは無いか、という事を問い合わせるためでした。
それこそは私たちが現在取り組んでいる、そしてできるだけ早く実現させたいものなのです。
彼女は母親として懸念を抱いており、学校に行って子どもたちに次のように伝えたいと語りました。
地球温暖化の問題は私たちの世代が解決しなければならない重要な課題だが、原子力発電だけが解決手段ではないと。
私たちがこどもたちに教えなければならないのは、一方的な答えではありません。
彼女が言うように、私たちには多くの手段があります。
彼女は懸念についてとても熱心に語り、この問題が次の世代を担う子供たちにとって重要な課題だと考えていました。
原子力発電を使わなくても、方法はいくらでもある。
その事を教育され、知識として身に着ける必要があります。
彼女はこのような偏った教育が極めて早い段階から実施されていることにショックを受けていました。
その内容も他に選択肢は無いというほどのものだったのです。
《6に続く》
http://www.fairewinds.org/nuclear-energy-education//children-suffer-nuclear-impact-worldwide-part-2
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【 横浜ポケモン・フェスティバル 】
アメリカNBCニュース 8月7日
うだるような暑さの中、たくさんの観衆がポケモンのキャラクター、ピカチュウのパレードを見るため、横浜に集まりました。
http://www.nbcnews.com/slideshow/pikachus-parade-through-pokemon-festival-n624971