ホーム » エッセイ » 【 大型の台風の通過、あふれ出した高濃度汚染水 】
これまでいやという程繰り返されている過失、悪化する一方の事態
その場しのぎの対策が後の問題を作り出す、変わらない愚劣な繰り返し
マーティン・ファクラー / ニューヨークタイムズ 10月21日
破壊された福島第一原子力発電所の事故収束にあたっている東京電力は、汚染水の漏出を止めるための擁壁の内側に19日来降り続いた雨が流れ込んだため、汚染されてしまったと発表しました。
この擁壁の各所で汚染水があふれ出したと見られ、一部は太平洋に達した可能性があります。
これは福島第一原発の事故収束・廃炉作業において、これまでいやになる程繰り返されてきた過失、そして悪化する一方の事態の最新のものでした。
東京電力によれば豪雨による雨水は20日曜日、人の足程の高さの汚染水貯蔵タンク群を取り囲むように作られた、コンクリート製の擁壁の内側に溜まりました。
福島第一原発の施設内で汚染水漏れの事故を繰り返し、東京電力に対する世論の厳しい批判の高まりを受け、東京電力はこの擁壁を建造しました。
しかし20日曜日、この擁壁は汚染された場所に雨水を溜めこむダムの働きをしてしまいました。
建造した擁壁のうち、11か所で汚染された雨水が擁壁の高さを超え、外に溢れだしました。
あふれ出した水は付近の側溝に流れ込み、福島第一原発の専用港の外側の太平洋にまで流出してしまった可能性があります。
豪雨の後、東京電力は水があふれ出した場所で水質検査を行いましたが、6か所で1リットルにつき10ベクレルの規制値を超える放射性ストロンチウム90が検出されたことを明らかにしました。
汚染が最もひどい場所では、制限値の71倍の放射性ストロンチウム90が検出されました。
専門家によればストロンチウム90は人体に入ると骨に蓄積し、白血病を引き起こす恐れがあり、今回の流出が懸念されます。
東京電力はこれまでなぜ、地面のいたるところで放射性ストロンチウム90が検出されるのか明らかにしていませんが、一番疑われるのはやはり2011年3月に発生した一連の爆発事故です。
もう一つ疑問なのは、20日日曜日の降水量については、日本の気象庁は約10センチと公表していたにもかかわらず、人間の足程の高さがある擁壁から水が漏れ出してしまったのか、という点です。
21日月曜日になって東京電力は、最も『ありそうな』説明を行いました。すなわち前の週に東日本を通過した台風がもたらした雨により擁壁内にはすでに水が貯まっていて、そこに今回の豪雨が加わったため、水が溢れだしたという説明です。
東京電力は排水溝の水をいったん貯水タンクに入れ、放射性物質の検査を行った後、海洋に放出するよう、設備を整えました。
しかしこの際に使用する揚水ポンプは、台風などによる大量の雨水を処理しきることはできず、このため高い場所では水位が20センチを超えるほどになった雨水が溢れだした、東京電力はこう説明しました。
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【 事故から2年半、深刻さを増す福島第一原発の汚染水問題 】
チコ・ハーラン / ワシントンポスト 10月23日
http://www.washingtonpost.com/posttv/video/thefold/toxic-water-slows-japan-nuclear-cleanup/2013/10/23/f4d9c884-3c2c-11e3-b6a9-da62c264f40e_video.html
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【 Q.サカマキが写しだす日本 】 《前編》
ニューヨーカー 10月16日
(写真をクリックすれば大きな画像をご覧いただけます)
10月上旬、ニューヨークを活動拠点とする日本人写真家のQ.サカマキ氏が、インスタグラムに一連の作品をアップロードしました。
日本での滞在中、サカマキ氏は東京での通勤風景から、そして相模湾での日本のサーファー文化まで、日本の中心部における日常を写真に撮り続けました。
サカマキ氏はこの20年間、国際的視点から故国である日本の光景を写真に撮り続けてきましたが、今回初めて父祖代々の地、三河地方を旅しました。
今回の撮影に関し、サカマキ氏は最初からインスタグラムの事が念頭にあったと語りました。
「私は撮影の際、用途によってフイルムとレンズを使い分けるようにしています。」
そしてインスタグラムで発表されている写真を見ていると、他では得られないひらめきが得られるのだと語りました。
そして彼自身、実験的作品の撮影を試みる、前向きな気持ちがわいてきたと付け加えました。
東京の中学生(写真上)
東京ゲート・ブリッジ(写真下・以下同じ)
東京オペラシティタワー
東京の朝のラッシュアワー
東京の朝のラッシュアワー
東京、歌舞伎町のホステス
鎌倉、鶴岡八幡宮の七五三