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【 回避できたはずの福島第一原発の事故 】〈後編〉

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所要時間 約 8分

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「原子力発電を行う国々はその原子力政策について外部から検証しようとする者に対し、すべてを明快に開示しなければならない」

ジエームズ・アクトン&マーク・ヒッブズ / インターナショナル・ヘラルド・トリビューン 3月10日


[写真 : 福島第一原発近くで生まれた耳の無いウサギ(左側)]

これから先のことを考えてみましょう。
我々が最も知りたいのは、世界中の国々が今回の日本の失敗を教訓に出来るだろうか?という事です。
今回の事故を受け、原子力産業界は電気の供給無しでも炉心冷却を可能にする無電源冷却装置を採用し、新型原子炉の安全性を宣伝しています。
なるほど安全性の高い新型原子炉は歓迎されるべきですが、現在世界中にすでに440基存在する原子炉はどうなるのでしょうか?

この440基の原子炉のうち、ほぼ4分の1が配置されている米国では、原子力産業は事故対応システムの強化に乗り出しています。
これは自然災害が発生しても、過酷事故を防ぎ、メルトダウンが起きないようにするためのものです。
9.11同時多発テロの発生以来、原子力発電所を運営する各社は、テロリストの攻撃から施設を守るため、手順の強化に取り組んでいます。

しかしながらこれら原子力発電所を運営する企業と規制当局が等しく、以下のことをきちんと認識しているかどうかは、ほとんど明らかではありません。
すなわち、原子炉を設計する際には、大きな災害から受ける被害を最小限にとどめるよう、頑丈なシステムを作り上げることの重要性を理解し、実現させることを。
この実現のためには、莫大な費用がかかります。
しかしながら事故対策を強固なことにすること、そして原子炉の設計自体を堅牢なものにすること、これらは選択の問題ではありません。
2つ共に実現されなければなりません。
2つ揃って初めて安全が担保されるのです。

ヨーロッパ各国はこのことを理解しています。ヨーロッパの124基の原子炉に対しては『ストレステスト』が実施されました。
このストレステストはブライエ原子力発電所のトラブルをきっかけとする改良が、施されているかどうかを確認するためのものです。
さらには外部からの予期せぬ衝撃が与えられることによる、深刻な事故の発生を防ぐため、物理的防御策が強化されているかどうかの確認も行われました。

国内にある58基の原子炉に対し、こうした対策を施すためにフランスだけでも100億ドル(約8,000億円)の費用を必要とします。

一方のヨーロッパもアメリカから重要な教訓を得ています。
たとえばアメリカの規制当局はアメリカ国内のすべての原子炉が直面している、外部からの脅威について見直しを行う命令を行いました。ヨーロッパのいくつかの国は同様の措置を取っていますが、全部ではありません。
今後はすべての国において、この『外部からの脅威』についての、見直し作業が求められることになります。

最終的な結論は、現在行われている議論に集約されています。
アメリカとヨーロッパの原子力規制当局と原子力産業界の関係について、どうやって透明性を保ってゆくのか。
この点については、米欧以外の原子力発電所保有国、中国、インド、そしてロシアについても例外はありません。
福島の事故を参考に、これらの国々の安全対策の長所と短所について、誰にとっても明快な評価を行うことが可能なはずです。

逆にその関係を伝統的に不透明にしてきたのが、日本の原子力産業界と規制当局です。

福島の事故について真剣にこれを教訓とするつもりがあるのなら、原子力発電を行う国々はその原子力政策について外部から検証しようとする者に対し、すべてを明快に開示することから始めなければなりません。

*ジェームズ・M.アクトンとマーク・ヒッブスは、カーネギー国際平和基金の原子力政策プログラムの上級研究員です。


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【 史上初、海底から回収タイタニック遺品オークション 】

アメリカNBCニュース 4月10日

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未だに映画のチケットが売れ続けていますし、あの映画のシーンの数々が私たちの網膜に焼き付いています。
真っ暗な北大西洋上で、タイタニックに乗り合わせてしまった人々はどんな気持ちだったのでしょうか?
今日はタイタニックが事故を起こして100年目を迎えました。
NBCのステファニー・ガスクがイギリスからお伝えします。

レポーター : イギリスのサウザンプトン港では、この国で最も有名な豪華客船が処女航海に向かい、そのまま帰ることが無かった悲劇の追悼記念式典が行われました。
バーバラ・コーエンの大叔父さんも、この船に乗り合わせた一人でした。

バーバラ「すべての乗船客の経験が感動的であり、また痛ましいものであったことに気づかされました。」

レポーター : 完成当初、運営する側はこの船は「不沈船」であることを標榜していました。乗船していたのは、その時代の金持ち、そして有名人達でした。
1,500名を超える人々が凍りつく北大西洋で亡くなりました。
1世紀という時間が経過しましたが、大いなる悲劇、驚くべきニュース、そして胸が締めつけられるような恐怖はまだ色あせていません。
タイタニックは3D映画として、再び劇場に戻ってきました。
監督のジェームス・キャメロンは自ら小型潜水艇に乗り込み、タイタニックの残骸の調査を行い、その時の様子についてナショナル・ジオグラフィック・スペシャルの番組で紹介しました。

そして海底から回収された遺品類が、今回初めて競売にかけられることになりました。
宝石類、シャンデリア、3等船客用の食器類などは数百万ドルの値がつくと見られています。
そして100年を記念し、タイタニックの処女航海のルートをそのまま航行するクルージングも企画されました。

「私たちはタイタニックの犠牲者に、哀悼と敬意の気持ちを捧げたいのです。

レポーター : 航海の乗船券は既に完売しましたが、タイタニックによって有名になった埠頭には入場料を払えば行くことができます。
人々がここにやってくる理由の一つは、乗船客の人々の気持ちに思いを馳せるためです。
世界一豪華な船旅に乗り出したはずが、わずか数日の後には冷たい海底に沈められてしまいました。
その恐怖への思いは、この一世紀の間人々の心をとらえ続けてきました。
実物は海底に没してしまいましたが、人々の心の中のタイタニックは「不沈船」になったかもしれません。

ステファニー・ガスク、アメリカNBCニュース、イギリス

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