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【 共に苦しい立場の日本、そして中国政府 】国家主義を煽り過ぎた、その挙句の窮地

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所要時間 約 9分

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『領土問題』中国側の本音とは?!

カトリーン・ハイレ、ジョナサン・ソブル / ファイナンシャル・タイムズ / ワシントンポスト 1月22日

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北京 — 中国のメディアに掲載されている解説記事を読めば、中国国外から様子を見守っている人々は早晩武力衝突は避けられないと判断するかもしれません。
「ダイユー(尖閣)諸島で日本と武力衝突になれば、中国側が30分で制圧できる。」
中国軍の作戦本部の張兆中少将が先週、取材に対しこう答えました。

アジアの2大強国間の武力紛争の不安要因を作り出しているのは、中国側の強硬派だけではありません。
昨年の9月、日本側が尖閣諸島と呼び、中国側がダイユー諸島と呼ぶ東シナ海の島々を日本が国有化して中国政府を激高させて以来、両国間の緊張は高まる一方です。

問題となっている空域では両国のジェット戦闘機が頻繁に飛び交い、互いにスクランブル発進を繰り返しています。

さらに日本の海上保安庁は、尖閣諸島の接続水域を航行する3隻の中国船を確認しています。
海域から出ていくよう促す日本側の警告に対し、中国側はラウドスピーカーを通し、日本語と中国語で同じスローガンを連呼し、これに応じます。
「この場所が中国の領土であることは歴史上明らかである。」

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日中両国のこうしたやり取りが先鋭化するのを見て、関係者は武力衝突への発展を懸念します。
「衝突発生の危険性は常にあります。しかしそれが全面的な武力紛争に発展する可能性は極めて小さなものです。」
北京人民大学の黄大恵教授がこう語りました。

日中間の武力衝突が発生すれば、否応なく巻き込まれる可能性があるアメリカは、先週に入って外交工作を活発化させ始めました。
東アジア・太平洋地区担当のカート・キャンベル国務省副長官は1月の第三週に日本を訪れ、事態の鎮静化を図るよう申し入れをしました。
「我々は少し頭を冷やしてほしい、そう考えていることを率直に伝えました。」

ヒラリー・クリントン国務長官が
「日本の領土を侵そうとする、いかなる行動も容認できない。」
と発言したことについて、中国は18日、アメリカを批難する公式声明を出しました。
中国外務省報道官は、
「アメリカもまた、今日の状況についての責任がある。」
と言及しました。

中国を支配する中国共産党の新しい指導者である習近平氏と、あまりに早い段階で対立関係に陥ってしまう事を避けたいと考えるアメリカは、これ以上中国側を刺激しないよう、日本政府に申し入れを行いました。

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しかし、日本も首相が交代したばかりです。
日本の安倍晋三首相も中国の習近平氏も、『弱腰』を見せれば、国内での評価がダメージを受けてしまうという懸念を持っています。
これからの10年間、世界一人口が多い国を率いることになる習近平氏ですが、中国の軍当局と国内の国家主義者たちは、前任者である胡錦濤氏よりもより強硬な態度で、中国の権利を主張するよう望んでいるのです。
日本政府の尖閣諸島国有化に関する一連の動き、法的手続きと周辺海域の監視・警戒体制の強化に対し、中国政府は激しい批判を繰り返しました。

一方日本では、自由民主党とその総裁である国家主義者の安倍氏が、中国側により厳しい姿勢で臨む事を公約し、昨年12月の衆議院議員選挙で大勝しました。

安倍首相は選挙期間中に公約した、日本政府の職員を尖閣諸島に常駐させるというプランを密かに捨て去りましたが、中国側の挑発の意図を見誤って適切な対応を取れなければ、彼を支持する保守系の支持者を失望させる危険を冒すことになります。

中国に対する対決姿勢を解いてしまえば、日本は中国に対し尖閣諸島問題では防戦一方になってしまっている、中国側にそう思わせてしまう事を安倍政権は恐れています。

中国政府は日本政府に対し、日中関係の変化を認めるよう求めています。
こうした姿勢を反映するかのように、北京清華大学の国際関係が専門の柳江永氏がこう語りました。
「日本だけが単独で、ダイユー(尖閣)諸島を自由にできる状況ではなくなっているのです。」

安倍首相は就任以来、国防費の増額を主張し続け、中国に対する対決姿勢を明確にしたアジア外交を展開しています。

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しかし東京と北京の政府関係者は、両国政府共にこの問題を暫時鎮静化させることを本音では願っているものの、その具体的方法の見つけ出すことに苦慮している、そう証言しています。

日本の元外交官で、現在は京都にある立命館大学の客員教授を務める三宅邦彦氏は、どのような鎮静化策であっても、その検討は極秘に行わざるを得ないと指摘しました。
「どちらにもメンツの問題があります。両国政府共に、最初に鎮静化を言い出したとは思われたくない事情を抱えています。」

日本政府が採用するかもしれない対応、それは『領土問題は存在しない』という見解を覆すことです。
政府に近い立場の人々は、中国がもし望めば、日本は国際司法裁判所による調停を受け入れる可能性があると語っています。

「中国政府は、そうはしないでしょう。」
長年に渡り、日本に外交問題に関する助言を行ってきた、ある人物が語りました。
「日本は尖閣諸島を長い間実効支配してきましたが、それこそが中国政府が認めたくない事なのです。」

http://www.washingtonpost.com/world/asia_pacific/japan-china-struggle-to-curb-tensions/2013/01/21/62e8fe42-63f9-11e2-9e1b-07db1d2ccd5b_story.html
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今週は日本の政治についての記事を集中的に翻訳したため、現在の日本の首相の写真を何枚も見なければなりませんでした。
その中で、軍の閲兵式や儀仗兵の出迎えなどになると、この人が異様な程「高揚した」表情になることに気づきました。

人間は生まれ落ちたときから、そして成長の過程で様々な『嗜好』をその性格に加えていきますが、この人は様々な『理屈』より、『嗜好』として軍隊が大好きなのではないか、ふとそう思いました。
もちろん写真を見ただけの感想ですから、根拠のある話ではありません。

似たような嗜好を持っていても、ほとんどの人はプラモデルで丹念にジオラマを作るなどするだけで満足しています。
しかし生まれたときから経済的にも何不自由のない生活をしてきて、欲しいものは何でも手に入る中、この人だけは『本物』が欲しくなったのかもしれません。
そしてこの人は、常に人の上に立つことだけを考えればよい、という稀有な門地に生まれました。

この人にとっての戦争は、下の写真でご紹介する様子とは無縁なのです。
以下に掲載した写真に写っている人々は、いつ何時殺されるかわからないという環境の下、ぎりぎりの暮らしを強いられています。

今日までご紹介したCNNニュース(米国)、ドイツのデア・シュピーゲル、エコノミスト(英国)、ワシントンポスト(米国)、いずれもが憲法を改正してまで日本の軍備の強化、再軍備を行う『必要性』について、はっきりと疑問を投げかけています。

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【 戦場になってしまった街、そして人々 】

アメリカNBCニュース 1月22日

ダマスカス市内、アルグータ通りにめりこんだまま放置された不発弾、12月19日。(写真下。以下同じ)
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トルコ国境近くのビブサラーム難民キャンプで、12月22日。
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アレッポ市内に鳴り響く空襲警報に聞き入る少女、後は避難する子供たち、2013年1月1日。
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アレッポ市内で、薪にするため木の枝を切り落とそうとする少年、2013年1月1日。
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アレッポ市内のワタ飴を売り歩く露天商の男性、2013年1月1日。
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大雨の後ぬかるみだらけになったヨルダン、マフラク市のザータリ難民キャンプ。それぞれのテントの床も同じような状態で、とても人が住める環境ではない。1月10日。
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政府軍部隊がいるアブ・ベーカーに向け、アレッポの北東部のアルバブから小型ミサイルを発射するシリア反乱軍の兵士、1月16日。
020215
アレッポ市内で薪を集める男性たち、1月22日。
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