ホーム » エッセイ » 【ドイツの大手企業、次々と自家発電に大規模投資】
フォルクスワーゲン社は2013年、必要な電力の4分の3を自家発電で賄う
ドイチェ・べレ(ドイツ国際放送) 12月17日
電力会社から電気を買うことをやめ、発電装置に大規模な設備投資を行い、自家発電に切り替えるドイツ企業が増え続けています。
背景には現在の政府のエネルギー政策への不安があるものと見られます。
かなりの数にのぼるドイツミー国内の企業が、次々と発電設備に対する積極的な設備投資を行っていると、ドイツ商工会議所連合会(DIHK)が17日月曜日に発表しました。
「ドイツ国内では3社に1社の割合で、自らの企業活動を行うために必要な全電力の発電を、再生可能エネルギーを含めた発電手段により実現させるべく、取り組みを続けています。」
ドイツ商工会議所連合会のハインリッヒ・ドリフトマン会長が日刊紙のフランクファーター・アルゲマイネ・ツァイトゥング(フランクフルト日刊新聞)に語りました。
同会長によれば、ドイツ国内では業種を問わずこうした動きが見られ、その理由の中には「将来のエネルギー安全保障に対する不透明感」も含まれています。
ドイツ商工会議所連合会はドイツ国内の中小企業2,300社によって構成され、今回の結果はその独自の調査によって明らかにされました。
▼ 環境に負荷をかけない生産活動
ドイツの自動車メーカーのフォルクスワーゲン社は、すでに必要とする全電力の半分以上を自家発電によって賄い、今後は外部の電力会社への依存をより一層減少させる方針を明らかにしました。
「私たちはドイツ国内の工場で必要としている電力の60%を、自家発電により賄っています。」
フォルクスワーゲン社の電力部門の広報担当、ヴォルフラム・トーマス氏が声明の中でこう述べています。
「来年の前半には、火力、太陽光、地熱、バイオマスを非常に効率的に組み合わせた自社の熱エネルギー発電所、そして再生可能エネルギーによる自家発電設備により、ドイツ国内のフォルクスワーゲンの全工場で必要とする75%の電力を自ら賄うことになります。」
さらに同社は今後5年間に、ブラジルでの太陽光発電、風力発電事業、そして第2世代の水力発電事業に約6億4,000万ユーロ(約700億円)を投資すると発表しました。
これに加えて同社は、前出の自社の熱エネルギー発電所においては石炭を天然ガスに切り替えることにより、二酸化炭素排出量削減にも取り組むと発表しました。
http://www.dw.de/german-firms-invest-in-generating-energy-themselves/a-16458655
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福島第一原発の事故の後、日本国内で脱原発の世論が盛り上がった際、
「原発を止めると言うなら、生産拠点を海外に移転させるぞ。そうなればただでさえ少ない雇用機会が、ますます減ることになるぞ!」
と開き直った大手企業がありました。
本社ビルの屋上に、ブルドーザーがのっかっている会社だったと思います。
その時、「何と心無い事を言うのだろう…」と思ったことを覚えています。
ドイツの企業はもっとスマートな方法を知っているようです。
いや、実はドイツだけではありません。
ここ宮城県にある世界的に名の通った大手自動車会社の生産拠点は3.11を受け、この記事の中のフォルクスワーゲン社と同じ取り組みを始めました。
本当の一流とは何か、考える良い機会です。
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【 ドイツ東部にあるサンタのワークショップ 】
アメリカNBCニュース 12月10日
(写真をクリックして、大きな画像をご覧ください)
旧東ドイツ、ライプツィッヒの南郊にあるエルツゲビルゲは、長く続いた木工芸の歴史があります。特にクリスマス関連製品は有名で、喫煙人形、くるみ割り人形、クリスマス・ピラミッドなどが有名です。