ホーム » エッセイ » 【 トランプ次期大統領の激しい攻撃の的にされたCNN報道 】《後篇》
クリントン追い落としのために、トランプ選挙対策本部とロシア諜報機関は『密接な』情報交換を続けていた
徹底的な調査を行い、ロシアの諜報機関を含め不正に関わった人間たちを追い詰めろ!
再びロシアのハッキングによって証拠が改ざんなどされる前に、真相の究明を急げ!
エヴァン・ペレス、ジム・シュート、ジェイク・タッパー、カール・バーンスタイン / 米国CNNニュース 1月12日
1月11日深夜に放送されたテレビ番組に出演したセス・メイヤーズとトランプ上級顧問であるケリーアン・コンウェイは、英国人の元諜報員が作成したとされるこの調査文書について全否定しました。
CNNは35ページに渡るこの調査文書の内容について再検証しました。
ただしこの中から問題となっている2ページの概要書は除外されました。
後にこの調査文書は、アメリカのインターネットニュース・メディアであるバズフィード(BuzzFeed)によって公開されました( https://www.documentcloud.org/documents/3259984-Trump-Intelligence-Allegations.html )。
この調査文書はオポジション・リサーチ(Opposition research : 対立調査。対立する立場の政治家やそのスタッフに不利益となる情報を収集するための作業。https://en.wikipedia.org/wiki/Opposition_research )として編集が始まりました。
始めはアメリカ大統領選挙の共和党内の反トランプ派の共和党員の依頼によって着手され、後に民主党のメンバーに引き継がれました。
この時点でCNNは調査文書の内容について詳しい報道をしていません。
この文書だけが何か特定の事実について立証しているという確認が取れなかったためです。
しかし今回の報道については、CNNは各情報機関、政権内の担当者、議会および法の執行機関ならびに諸外国の国政機関の上位に在籍している複数の高官、並びにこの文書記載内容に直接関係のある複数の民間人に直接話を聞くなどの作業を行ってきました。
この点についてロシア政府は、ドナルド・トランプに関する「Kompromat(コンプロマット)」(ロシア語で政治家や公的立場にいる人間を危機的状況に追い込む可能性がある情報 : https://en.wikipedia.org/wiki/Kompromat )を持っている事を否定しています。
この調査文書のいくつかのパートが回覧されるようになったのは2016年の夏にまでさかのぼります。
それ以降アメリカ政府の情報機関が行動を開始しこの調査文書を作成した英国の元諜報部員について検証を行うと同時に、彼がヨーロッパ全域に張り巡らせていた情報ネットワークについてもいちいち確認作業を行い、その情報の信頼性は高いと結論づけました。
その結果が現職の大統領と次期大統領に対する数日前の情報提供につながったのです。
そして次期大統領が米国の4つの情報機関の長官達から確認済みの情報について説明を受けた同じ日、上下両院の民主共和両党の議会のリーダー、同じく議会の情報委員会の4人の委員長、いわゆる「8人のギャング(Gang of Eight)」にトランプ次期大統領に関する調査文書の要約が手渡されました。
これをCNNに話したのはアメリカ政府、政府の情報機関、そしてオバマ政権でこの問題に直接関わっている担当者です。
2ページの概要書は、英国の元諜報部員が作成した調査文書の中の詳細な記述や情報源とは別に、あるいは情報収集方法にはよらずに作成されたものです。
そこにはこう書かれています。
2ページの概要書は、英国の元諜報部員が作成した調査文書の中の詳細な記述や情報源とは別に、あるいは情報収集方法にはよらずに作成されたものです。
そこにはこう書かれています。
『この概要書にはロシア側が行ったハッキングに関する機密扱いのレポート、ただし比較的広範囲の関係者に配布された報告書には記述できなかったほどデリケートな情報が記載されており、その情報は政府内でも重要な地位にいる少数の人間にのみ共有されるべきものである。』
具体的には現在の大統領、次期大統領、そして8名の議会指導者たちです。
加えてCNNは12月9日、ジョン・マケイン上院議員がFBI長官のジェームズ・コメイに提示した2016年6月から12月の日付のある書簡の完全なコピーを検証しました。
マケイン上院議員は当時モスクワに勤務していた英国の元外交官からこの書類の存在を知らされたのです。
しかし米国国家安全保障局の職員は、この時点ですでにFBIは英国の対外諜報機関であるMI6の元諜報員から、2016年8月までの日付のある書類をローマで受領済みであったとの証言を行いました。
今回の概要書の出典元となっている概略を綴った調査文書はこの元MI6の諜報員によって準備されたものです。
彼は1990年代にロシア駐在の外交官として勤務した後、現在は情報収集を専門とする民間の会社を経営しています。
彼の手になる調査は始め、共和党内の大統領候補者を決める共和党予備選挙が行なわれている間に、トランプの対立候補を支持するグループと個人によって資金を提供されました。
この点については多数の証言が得られています。
この証言を行った人々はトランプが正式に共和党の大統領候補となってからは、さらに詳しい調査を継続するべくヒラリー・クリントンを支持するグループと個人によって資金の供給が続けられたことも証言しました。
FBIの複数の広報関係者と国家情報機関のジェームズ・クラッパー長官はこの件に関するコメントは差し控えると語っています。
CNNに対する証言を行った政府や情報機関の関係者も、情報の中身が機密扱いであることから、同様に個人的な見解は明らかにできないと語っています。
しかし調査報告書に書かれた中身の内のいくつかは、大統領選挙の投票1週間前にマザー・ジョーンズで初めて公にされました。
オバマ政権の高官の一人がCNNに次のように語りました。
「私自身が感じているのはオバマ政権も各情報機関も司法機関も、みなこの問題に手をつけかねているということです。しかしこの問題は徹底的に調査される必要があり、不正に関わった人間たちを追い詰めていかなければならないと考えています。」
「私が懸念しているのは、いかなる真実がそこに隠されているにしても、必ず不正アクセスのターゲットにされるだろうということです。だからこそ正当な解析と評価を急ぎ、とるべき対応が取られるべきです。」
〈 完 〉
http://edition.cnn.com/2017/01/10/politics/donald-trump-intelligence-report-russia/index.html
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私自身大いなる誤解をしていた!と気づいたのはジョン・F・ケネディやロバート・ケネディ、ボブ・ディランやニール・ダイヤモンドやロバート・レッドフォードのような人間が『典型的アメリカ人』だと思い続けてきたことです。
それはアメリカを一面からしか見ていない、そう教えてくれたのがNHK・BSで放送された『オリバー・ストーンが語るアメリカ史』という番組でした。
その中では自国の利益のため、他国の市民には平気で過酷な運命を強いるアメリカの理不尽な姿が赤裸々に語られていました。
そしてリチャート・ニクソンやロナルド・レーガンに対し、厳しい評価が下されていました。
しかしドナルド・トランプの言動を見ていると、そのニクソンやレーガンですら一面では良識ある人々だったのだと感じます。
私たちはこれからの世界が、トランプやプーチンのような人間たちの思い通りにされていくことを黙認して良いのでしょうか?
私が始めたのは『信頼できる』と思う海外メディアの電子版の有料購読、ガーディアンへのサポート会員申し込みなど『良識ある議論』を守るために自分の小遣いを使うことです。
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【 1月4日の報道写真から 】
アメリカNBCニュース 2016年1月7日
イラク南部メイサン行政区にあるチャバイッシュ沼地に浮かぶボート。(写真上)
シリア北部のアルバブで武力衝突が発生したため、車に家財道具を積めるだけ積んで避難していく家族。(写真下・以下同じ)
1月6日、クウェート、クウェート市の南50キロメートル、クウェート砂漠で凧揚げをするアル・ペルシア・カイト・チームと付近で遊ぶ子供たち。
http://www.nbcnews.com/slideshow/saturday-pictures-holdiays-aren-t-over-everywhere-n704301