ホーム » エッセイ » 【 ゲンパツ…温暖化…核兵器…すべてが無くなる世界の実現を! 】《4》
新大統領トランプのゲンパツ政策はどっちを向いている?
原子力ルネッサンスを放棄して再生可能エネルギーに投資すれば、地球温暖化防止を最速で実現できる
フェアウィンズ 2017年2月2日
ラジオ・エコショック(ES):ガンダーセンさん、あなたは新大統領トランプが原子力発電に対し好意的かそうでないか、原子力産業界での噂を耳にしたことはありますか?
アーニー・ガンダーセン(AG):
ああ、それは良い質問ですね。
両方の見方があるようです。
実は2週間前にも別の番組で同じ質問を受けたばかりです。
トランプは自分が本当の意味でのビジネスマンだと主張していますが、今では新しい原子力発電所を建設することは経済的にまったく意味を成しません。
ですから賢いビジネスマンなら新しい原子力発電所に投資しようとは思わないでしょう。
一方でトランプは自分は化石燃料の事業を支持すると宣言しましたが、石炭産業も経済的に成り立たなくなっています。ただし、化石燃料のくっさく採掘に力を注ぐようになれば、その分原子力発電に対する必要性は低下することになるでしょう。
トランプはさらにアメリカのためという事を強調しています。
今やアメリカ国内の原子力発電所建設に必要な資材はすべて中国で作られています。
もはやアメリカ国内には国内の原子力発電所建設に必要な資材を生産する能力はありません。
それは具体的にどういう事かと言うと、サウスカロライナ州で、そしてさらに南に下がってジョージア州で現在建設中の2、3か所で現在建設されている原子力発電所の資材や部品はすべて中国で製造されているのです。
大きな部品などはいったん解体されて海上輸送でアメリカに持ち込まれています。
アメリカ人労働者が担当しているのは現地で再び組み立てるという工程です。
レゴ・ブロックを想像してみてください。
アメリカ人の仕事は用意されたピースを組み上げてすくことです。
そこに至るまでの工程をすべてこなしているのは中国であり、韓国であり、そして日本です。
原子炉製造会社はウエスティングハウスですから、原子力発電所建設事業はアメリカ人の雇用創出に貢献していると思うかもしれません。
しかしウエスティングハウスを所有しているのは日本の東芝です。
同様にゼネラル・エレクトリック社を所有しているのは、日本企業の日立です。
これらの企業が所有する原子力発電所製造の主要部分が海外に移転して、すでにずいぶん時間が経っています。
さらにエネルギーの安全保障という点についてみてみましょう。
実際にアメリカ国内の原子力発電所で使われているウラン燃料のうち、国内産はわずか20パーセント前後です。
それ以外のウラン燃料を私たちはカナダ、オーストラリア、そしてロシアから輸入しています。
実はアメリカのウラン鉱山の所有者はロシア企業なのです。
従ってアメリカ国内の原子力発電所は、すべてアメリカ人以外が所有する鉱山からウラン燃料を購入していることになり、これではエネルギーの独立が成立しているとは主張できません。
もしトランプ新大統領が利口な人物なら、原子力発電を支持することは経済的に意味をなさないということになります。
しかしその取り巻きには原子力発電の支持者が数多くいます。
例えばエネルギー省長官に指名されたリック・ペリーは、テキサス州に核廃棄物処分場を建設しようとしている事業家たちと深いつながりがあります。
経済界は彼が何を言い出すか、聞き耳を立てています。
私たちも事の成り行きを注意深く見守る必要があります。
原子力産業は2050年までにさらに1,000基の原子炉を新設する必要があると主張しています。
しかし1,000基の原子炉を新しく作るためには8兆ドル(約900兆円)かかります。
この事実については、私たちはこれまで何度もフェアウィンズのサイト( http://www.fairewinds.org/ )でお伝えし、疑問を投げかけてきました。
私たちのサイトに掲載されている2分間の 『スモークスクリーン』をご覧いただくとお分かりいただけるのですが、1,000基の原発建設など途方もない資金の浪費以外の何ものでもありません。
ところで機会コストと呼ばれている支出についてみなさんご存知でしょうか?
手持ちの資金を何か一つのものに費やせば、他に資金を回すことはできなくなります。
私たちがもし8兆ドルの資金を1,000基の原発建設に投資するとしましょう。
まず第一にそれだけの数の原子炉を建造するとなれば、すべて計画通り進んでも35年の歳月を必要とします。
そしてその間、二酸化炭素の排出量はほぼ現在のまま増え続けることになります。
では別の選択肢として8兆ドルを再生可能エネルギー設備に投資したらどうなるでしょうか?太陽光発電システムや風力発電システムなどです。
すぐにでも二酸化炭素の排出量を激減させることが出来ます。
もし本当に地球温暖化を防ぎたいと考えているのなら、原子力発電所の建設に多額の費用をつぎ込むことは明らかな間違いなのです。
《5》へ続く -
http://www.fairewinds.org/nuclear-energy-education//ecoshock-interview-extreme-nuclear-dangers
+ – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – +
【 トランプが入国を禁じた7カ国の人々の暮らし 】《⑦スーダン》
米国NBCニュース 2017年1月30日
1月27日金曜日、トランプ大統領はテロリズム発生への懸念を理由に、イスラム教徒が多数を占める7つの国からアメリカへの入国を一時的に制限する大統領令を発しました。
死と隣り合わせの武力抗争が日常化してしまった場所で困難を極める生活を強いられている人々はは、尚一層の窮地に追い込まれることになったのです。
米国はスーダンにテロ支援国家と断定し、ダルフールを巡って続いている内戦の責任の大半があるとして経済制裁を実施しています。
国連はこの内戦で最高300,000人が死亡したと伝え、2003年以降数百万人が難民化したとしています。
2017年1月9日ダルフール南郊のニアラで難民キャンプの警護をする国連平和維持部隊の兵士。(写真上)
2015年4月13日ハルツーム郊外の貧困地帯にある投票所で、国連監視の下での大統領選挙の投票をする女性。(写真下・以下同じ)
http://www.nbcnews.com/slideshow/conflicts-challenges-faced-7-banned-nations-n714296