ホーム » エッセイ » 【 ゲンパツ…温暖化…核兵器…すべてが無くなる世界の実現を! 】《8》
理論上はメリットの多い次世代型原子炉、しかし実際に建造するとなるとそううまくはいかない
太陽光発電や風力発電タービンなら1~3年で稼働可能、その日から二酸化炭素濃度の削減に貢献する
フェアウィンズ 2017年2月2日
ラジオ・エコショック(ES):
ジェームズ・ハンソン博士のように、気候変動問題を解決するために原子力発電所は安全で有効な手段であり、しかも世界の電力需要の解決にも大きく貢献し得るという考え方について、アーニー・ガンダーセンさん、どうお考えですか?
アーニー・ガンダーセン(AG):
まず始めにハンソン博士は才能豊かな勇敢な人だと言わせていただきましょう。
この問題について、私は1988年という年について考えます。
彼はアメリカ議会において初めて気候変動について証言を行った人物です。
彼は地球の温暖化が進行しており、その主な原因は二酸化炭素の排出量の増加にあると語りました。
そこでやめておけばよかったのですが、その後彼は原子力産業界が資金を提供している大学に席を得ました。
そして今度は地球の温暖化を食い止めるため、原子力発電が有効な手段であり推進すべきだと主張し始めたのです。
私はここで再びフェアウィンズが地球温暖化の問題と原子力発電の関係について端的にお分かりいただけるように制作した2分間のアニメーション、『スモーク・スクリーン』をご覧いただけるようお願いします。
ハンソン博士は地球温暖化を防止するため、これから35年間で2,500ヵ所の原子力発電所を作るよう提唱しています。
しかし仮に1,000ヵ所の新しい原子力発電所を建設するとなれば、これから35年の間、12日ごとに原子力発電所が一か所ずつ増えていく計算になります。
これが2,500ヵ所になれば3、4日おきになります。
そして1,000ヵ所の新しい原子力発電所を建設する予算は8兆ドルです。
ですから2,500ヵ所なら約20兆ドルが必要です。
ハンソン博士はそれだけのお金があれば、地球温暖化を防止するたるめにもっと良い対策が取れるという点を見ようとはしていません。
問題はそこにあります。
次世代型原子炉が70年前に設計・製造された原子炉より高性能だという事は誰もが口にすることです。
そして原子力産業界が決まって口にすることがもう一つあります。
次世代型原子炉はこれまでのものに比べて、価格も安いという事です。
理論上、それを証明することは可能です。
しかし現実はそう甘くはありません。
私がハンソン博士について問題だと考えているのは、彼が提唱した地球温暖化というが年ではありません。
私が問題視しているのは、新規に2,500基の原子炉を建造するという経済的に見ても無謀な計画を提唱している点です。
2,500基の原子炉を新たに稼働させるという途方もない計画が実現したところで、減らすことができる二酸化炭素の排出量はわずか約20パーセントです。
しかもそれは2,500基の原子炉がすべて稼働できるようになる35年後にしか実現されません。
ハンソン博士は機会費用(ある目的が実現されると、他のことがどれだけ犠牲になるか)という考え方には無関心なようです。
8兆ドルなどという費用と35年の時間を掛けなくとも、太陽光発電のソーラーパネルや風力発電タービンなら1~2年、かかったとしても3年で稼働させることが可能であり、国民に多額の税負担を強いる必要もありません。
しかも再生可能エネルギーの発電単価は原子力発電よりもはるかに定額であり、今すぐにでも二酸化炭素濃度を逆にすることができるのです。
今、より速くより安い方法で、二酸化炭素濃度を減らすことができる方法が私たちの手の中の
にあるのです。
なぜそれを捨ててまで原子力発電に多額の資金をつぎ込む必要があるのか、私には理解できません。
《9》へ続く -
http://www.fairewinds.org/nuclear-energy-education//ecoshock-interview-extreme-nuclear-dangers
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