ホーム » エッセイ » 「原子炉の構造・管理方法など、福島第一原発が抱える問題がこれだけの事故を引き起こす主な原因を作った」
【 世界の原子力発電の経済性、危険性の議論と福島の現状〈後編〉 】
アメリカCNNニュース 2011年9月11日
グリーンピースの核政策アナリストのジム・リッチオは、原子力エネルギーに反対する大衆意見の盛上りに言及し、併せて風力発電、太陽光その他の再生可能エネルギーの実用化の可能性が高くなっていることを指摘します。
米国原子力規制委員会(NRC)の副局長ジャック・グローブはCNNにこう語りました。
「アメリカ国内では以前と変わりなく、すべての原子炉が稼働しています。4か所の原子力発電所が新たに計画され、承認の様々な段階にあることに触れ、定期点検が全国の104原子炉で継続されています。」
さらに彼は福島第一原発の事故から教訓を得ようとする、特筆すべき努力があった、と話します。
アメリカ国内の原子力発電所の安全に役立てるため、そこで何があったのかを詳細に検討しています。
そにはNRCの職員がかつて明言したように、設計と危機の発生を知らせるパラメー タを確認するだけでなく、発電所の技術者が開始する必要のあるいくつかの手順を提供するために、すべての手順について『遅滞なく』確認することを含んでいます。
「原子炉の構造・管理方法など、福島第一原発が抱える問題がこれだけの事故を引き起こす主な原因を作ったのです。」
と、グローブは語ります。
彼は福島で発生した、高さ5.7メートルの海の壁が押し寄せ、その直後さらに巨大な津波が襲ってくる、などという災害が米国内で起きる事はあり得ないだろう、と話しました。
災害や人為的ミスに加えて、米国内の原子炉は時間の試練に耐えることができるかどうか、ということも課題になります。最も新しい原子炉でも建設されたのは1978年であり、中には1960年代に建設されたものもあります。
NRCは、いくつかの既存の米国原子力発電所について、20年間の事業継続をすでに承認しました。
こうした対応について、ウォルシュ教授などの一部の専門家は、時代遅れの構造そのままに改良も加えられず、そのまま老朽化した原子炉の危険性は明らかである、と危惧します。
これに対しグローブはこう反論します。
「公式に原子炉容器の寿命が40年と決められているにしても、これらの原子炉は何も手を加えられずに来たわけではありません。継続的に改良が加えられて来ました。」
原子炉がどれくらい問題なく、効果的に稼働できるかについて決定するためには、圧力容器内の圧力、炉心の腐食と原子力工場のコンクリートの強度などの問題が、特に重要であるとウォス教授は強調します。
「80年、100年もの間、原子炉を稼働させるのは可能でしょうか?」
「沸騰水型原子炉の蒸気タービンや原子力容器のヘッドは交換可能ですが、容器本体を交換することはできるのでしょうか?」
ウォス教授はこう問いかけます。
一方、他の国々は既に建設された原子炉を改良するよりも、新しい原子炉の建設計画を推進しています。それらの国々の中でも、チェコ共和国、スロベニア、ロシア、インドなどの国々には、福島の事故が発生した後も、こうした計画を見直す動きはない、とヴュージク教授は ベオグラードの地からCNNに語りました。
「これらの国々は完全に、原子力発電に依存しようとしています。特に中国とインドはそうです。原子力産業界がこの40年間に蓄積してきた、知識と知恵に基づき、彼らが安全な原子炉建設を行うことを願うばかりです。」
新しく建設された原子力発電所は、建設から数十年を経た原子力発電所よりも概ね安全である、と広く信じられています。
しかしながら技術がどんなに進歩しても、自然災害、人為的ミス、そして核分裂が持つ本来の不安定性などの、原子力発電固有の危険性は決して無くならないということを、原子力産業でさえ認識しています。
ヴュージク教授がこう語りました。
「どれだけの対策をとろうと、原子力発電には常に危険がつきまとうのだということを、私たちは理解しなければなりません。」
〈完〉
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スティーヴ・ジョブズ氏の追悼記事を訳しているうちに、ものすごく長いものだと気がつきました。
アメリカABCニュースの長い記事は通常ウェブサイトで2ページですが、この記事は3ベージありました。
今日は第2回とさせていただきましたが、可能であれば明日、残り全部をアップしたいと思っています。
ジョブズ氏の追悼については、ABCを始め、NBC、CBSなどでも新しいビデオが続々アップされています。
しかし56歳は......
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動画 - 訃報[スティーヴ・ジョブス死去]第2回
アップル創設者は『私たちの時代のトーマス・エジソン』として知られていた
ジョブズ氏はここ数年健康上の深刻な問題を抱えており、アップルでの仕事を休むよう促されていましたが、相変わらず開発に携わっていました。
2004年に、膵臓癌にもかかわらず仕事に戻りましたが、2009年に彼は肝臓移植を余儀なくされました。
健康上の問題を抱えたまま数年後、2011年8月24日、彼はAppleの 最高経営責任者(CEO)を辞任したことを発表しました。
「これまで何度も言ってきたように、もし私がAppleのCEOとしての義務と期待に応えることができなくなる日が来た場合、わたしは自分からそのことを知らせるつもりです。」
とジョブズCEOは辞任の彼の手紙に書いています。
「残念ながら、その日が来てしまったようです。」
それにもかかわらず、ジョブズ氏は彼のために新しく用意された会長の地位につきました。
彼の死後、今日、彼の家族は声明を発し、卓抜な技術革新者の晩年の健康を気遣ってくれたすべての人々に感謝を表明し、このように伝えました。
「彼を偲び、追悼してくれる人々のために新たにウェブサイトを開設します。」
公的な生活において、彼は未来を作り出す人間として知られていましたが、一方私生活では家族に思いを寄せる人間でした。前述の声明では
「彼を支え、共感をもって彼を気遣ってくれた人々に心から感謝します。皆さんが私たちとともに嘆き悲しんで らっしゃることを存じ上げていますが、しばらくは私たちをそっとしておいていただけるよう、お願いいたします。」
世界で最も有名なCEOの一人は、ジョブズは個人の生活のプライバシーの保護には厳然と臨み、個人的なインタビューは拒否、家族をメディアなどから遮断していました。
ジョブズがCEOを辞任した後、
「彼がメディア好きであったことはありません。」
業界アナリストのティムバジャリン、クリエイティブ・ストラテジーの社長は、こう語りました。
「それが新製品発表のようにAppleに恩恵をもたらすものであれば、彼は進んでインタビューなどにも応じましたが、彼自身に関するインタビューに応じたことは無いはずです。」
アップルは公式の追悼行事等は予定していない、としていますが、従業員に対するクック現CEOのメモには
「会社はスティーヴの類まれな生き方をたたえる行事を、近く開催する予定である。」と伝えています。
カリフォルニア州クパチーノのApple本社前では、人々が肩を抱き合いながら涙を流していました。
ジョブズの顔写真を映し出したiPadの周りにはろうそくが灯され、参列した人々は極めて静かにたたずみ、ジョブズのメモリアルに見入っていました。
アップルのファンはニューヨークのアップルストアにも参集しましたが、警備担当者は花や宗教的な捧げ物の類は取り除くよう命じられている、と語りました。
「すべての彼の軌跡 - 彼の発明、テクノロジーとコミュニケーションの改革に対し、私はこの一言を言わずにはいられない、『ありがとう』と。」
マイアミから来たデビッド・デルトロ、37歳の献辞です。
〈つづく〉