ホーム » エッセイ » 「前立腺がんのPSA検査は有害無益」米政府委員会が結論
【前立腺がんのPSA検査に関する新しい一問一答】
ロバート・バゼル / アメリカNBCニュース 5月21日
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アメリカ合衆国の医療部門の委員会は、一般的に行われている前立腺ガン・スクリーニングテストに『D』等級の判定を行いました。
『有害無益』であると結論づけたのです。
この結論に、アメリカ泌尿器科学会は反発しています。
NBCのロバート・バゼルがお伝えします。
今日、政府の委員会は前立腺がんの特異抗原血液(PSA)検査について、この検査による早期発見と治療により命を救われたという患者が相当数いる一方、この検査によって過剰治療、医療過誤、副作用などの問題が発生し、結局は成果より問題の方を多く引き起こしている、と結論づけました。
今日の決定についてより多くの情報が欲しい、という方のため、取材を進める中で多く寄せられた質問を一問一答形式でまとめましたので、ご参考になさってください。
それでも欲しい答えが見つからない場合には、私Robert Bazellのフェイスブックのページをご覧ください。なお重要な追加情報がある場合には、随時このページの更新を行っていく予定です。
質問 : PSAテストについて勧告を出した委員会とは、どのようなものですか?
答え : 1984年に米国政府により組織された委員会で、正式名称は米国予防医療研究特別委員会(USPSTFまたはタスクフォース)。
国レベルで専門家を招集し、予防医学的な見地から全アメリカ国民の健康増進に役立つ実績ある医薬品の特定、あるいは実績のあった医療検査の検証を行い、精度の高い医療検査やカウンセリング、予防医薬品の提供を行うための独立した医療の専門家による委員会です。
USPSTFの16人のメンバーはすべてボランティアで、それぞれ予防医学の分野と内科医療、家庭医学、小児科、問題行動医療、産科学/婦人科学と看護を含む第一次医療を専門としています。
メンバーのほとんどが開業医ですが、委員会のためには無償で働くことになります。
質問 : 今回の勧告に法的拘束力はありますか?
答え : ありません。USPTFは合衆国政府によって運営されていますが、政府機関、民間の保険業者、医療提供者に勧告に従う義務はありません。
質問 : なぜ委員会は、SA血液検査に『D』判定を与えたのですか?
答え : 利用できるこれまでの臨床結果などに基づき委員会は、一般的な前立腺がんPSAテストについて、実施することの有害性が有効性を上回る、と結論を出したのです。この結果、『D』判定が下されることになったのです。
質問 : 今回の決定が、私個人の健康管理に与える影響は何でしょうか?
答え : 委員会、そして多く専門家が指摘しているのは、患者と担当医がしっかりとした話し合いを行い、完全な同意が得られた上で検査が行われるべきである、という点です。委員会が行った勧告は、こうした話し合いが行われるきっかけを提供するためのものなのです。
質問 : どのような経緯で前立腺がんに関する検査が委員会によって不適合とされたのでしょう?
答え : その答えの核心にあるものは、前立腺がんが他のガンと比べ、著しく性格が異なるということです。ある種の前立腺がんは患者の命を奪います。しかし、一般的には多くの男性が前立腺がんを抱えてはいるものの、その多くは命に係わることはないのです。
ほとんどの医師にとって、この2種類のガンを見分けることは非常に困難です。
前立腺がんと診断されたアメリカ人男性の90% - 約240,000人の患者が手術、放射線治療、ホルモン治療、あるいはそれらの組み合わせによる治療を受けました。
その理由の主なものは『ガン』という言葉を聞いた途端、患者も医師もすぐに命に関わるという印象を持ってしまい、一刻も早い治療を必要とすると思い込んでしまうからなのです。
しかし性急な治療は、しばしば深刻な副作用をもたらす結果につながります。
そのため治療を受けなくても健康に暮らせたはずの数百万人の男性が、不必要な治療を受けることになってしまったのです。
質問 : しかし私はPSA検査を受け、その後体から組織片を採取して検査を行い、一連の治療を受けました。わたしはその治療の結果、命を救われたと思っているのですが、違うのでしょうか?
答え : その通りである可能性があります。何百万という患者がそのように考えてきました。しかし一個一個の事例について、治療が行われたことが妥当であったかどうか確かめる術は無いというのが本当のところです。
委員会の決定はあくまで治験結果の集積によるもので、一個一個の治療結果を検証したものではありません。
質問 : 前立腺がんによる死亡率は、PSA検査導入後も減ってはいないのでしようか?
答え : 減少しています。そしてたくさんの専門家が、PSA検査によって多くの人命が救われたと信じています。しかし一方ではこの死亡率の低下のために、治療を受けたすべての男性にとって、本当にその治療は必要だったのかどうか、という疑問を持たざるを得ない調査結果があるのです。
質問 : 一番いいのはいったん検査を受け、その上で治療が必要かどうかじっくり検討することではないでしょうか?
答え : そうしたアプローチはかつて『経過観察』と呼んでいたもので、現在は『積極的サーベイランス(観察)』と呼び方が変わり、多くの専門家がこのやり方を支持しています。
しかしこの方法で問題なのは『ガン』という名称に患者の方が怯えてしまい、答えが出るまで待てなくなることです。さらには医者が事務的に処置を進めてしまう場合もあり、さらには金銭的な理由から処置を開始してしまう場合もあります。
さらに詳しい情報を下記のリンクから入手することが出来ます。
1番目は患者のための要約です。
http://www.annals.org/content/early/2012/05/21/0003-4819-157-2-201207170-00464.full.pdf+html
2番目は米国予防医療研究特別委員会の報告書の全文です。
http://www.annals.org/content/early/2012/05/21/0003-4819-157-2-201207170-00459
3番目は今回の勧告を支持する記事です。
http://www.annals.org/content/early/2012/05/21/0003-4819-157-2-201207170-00460
4番目は今回の勧告に反対する記事です。
http://www.annals.org/content/early/2012/05/21/0003-4819-157-2-201207170-00463
http://dailynightly.msnbc.msn.com/_news/2012/05/21/11797176-faq-about-the-new-psa-test-recommendations?lite
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【 アメリカPGAセントジュード・クラシック、優勝はダスティン・ジョンソン】
「石川遼くんは38位、獲得賞金総額を80万ドル弱とし、アメリカPGAツアーのシード権確定へ」
アメリカPGAツアー・オフィシャル 6月10日
テネシー州メンフィス
6週間ゴルフクラブを握ることが出来なかった男が、優勝を勝ち取りました。しかしどうやらこの男、ダスティン・ジョンソンはどうすれば一日も早く勘を取り戻し、優勝することが出来るかを知っていたようです。
彼は3カ月近く試合に出場することが出来ませんでしたが、最終日4アンダーの66をマーク、1打差で優勝を勝ち取りました。
「とってもいい気分だよ。ブランクを克服できたという意味もあるし。」
彼は先週開催されたメモリアル・トーナメントから試合に復帰、その時の成績は19位でした。
日本から出場した石川遼は22位で予選を通過した後、3日目に51位まで順位を下げましたが、この日は1アンダーの69で回り、38位まで順位を上げました。
獲得賞金は24,640(約197万円)ドルですが、先週までの66万ドル強の賞金と併せアメリカPGAツアーでの獲得賞金額が70万ドル弱(米国PGA公式データには、世界選手権マッチプレーの賞金が含まれていない。しかしシーズン終了後に加算されるため、実質的には10万ドル多い80万ドル)になり、来年のシード権をほぼ手中にしました。
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【トマティーナ(トマトの戦い)】
アメリカNBCニュース 6月10日
コロンビア・スタマルシャン郡