【 アメリカで育ち始めた『分かち合い』のコミュニティ 】
アメリカNBCニュース 1月16日
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現在の厳しい経済状況を象徴するお話です。
雇用市場ではやっと改善の兆しが見え始めてはいるものの、未だ数百万のアメリカ人がフルタイムの仕事に就けずにいます。
そのため彼らは自分たちで、乗り切る術を考え出さなければならない状況にあります。
NBCのクレイグ・メルヴィンがお伝えします。
レポーター : アイリーンとマイクのベアード夫妻はワシン トンDCの自宅を見知らぬ人々とホームシェアし、20,000ドルやりくりして去年一年間を乗り切りました。
「家を失うかそうせずに済むか、私たちにとってあまりに大きな違いですから。」
レポーター : クリスマスの6日後、マイクが仕事を失ったしまった今となってはなおさらのことです。
彼らが抱えているのは住宅ローンと総計10人の子供たちがいる様々な家族。
「今のところ、私たち夫婦はどの部屋も、家そのものも失わずにいます。不動産価値が取 得価格よりも下がってしまった今となっては、これは良い方法だと思っています。」
「家が自分でローンをやりくりしてくれるのですから。」
レポーター : 彼らは自宅を開放する人々と旅行者を結ぶ[airbnb]と呼ばれるウェブサイトを利用しています。サンフランシスコで始まったこのような動きは、[共同消費]という成長トレンドの象徴となっています。
共同消費ネット運営者ニール・ゴレンフロー
「こうしたサイトは現実の世界で人々が互いに共有できる部分の情報交換を行うのに、デジタル技術を利用しているのです。主要な概念のひとつ、それは所有権を利用権としてやり取りすることなのです。」
レポーター : [airbnb][zipcar]のような企業は、個人のオンライン・コミュニティと次々とつながっていきます。
みんなが有名ブランドの洋服から子供のおもちゃや自転車まであらゆるものを貸したり借りたり、共同で使ったりすることができます。
このような方法は現在のような厳しい経済状況の下では、人々がいくばくかの余分なお金を稼ぎ出す方法として、今更驚くべきことではないのかもしれません。
そしてもう一つの側面として、人々がこうした取り組みをすることにより、自然に共同社会に生きている、という概念が身についていくこと は見逃すことができません。
「完璧じゃないですか?!」
レポーター : ロサンゼルスではクリスが、週末の造園作業のための熊手を必要としていましたが[neighborgoods.net]サイトで、ちょうど良いものを見つけました。
クリス「初めたきっかけは何かを借りることだったと思うわ。今では、私たちは友人同士のようなグループになって、何かと助け合ってるの。」
レポーター : ニッキーは2年足らず前にサイトを立ち上げに参加したのですが、今やこのサイトを20,000人以上の人々が利用しています。
ニッキー「私たちは本当に必要とされている市場を持っていたわけではない、という事を学びました。私たちが作ってきたものは、ご近所が助け合い、改めて信頼関係を築いていくためのツールなのです。」
レポーター : ベアード夫妻のお宅に戻ってみると、ゲストの一人、エミリーはバーゲンのお買い得品と、あたかも生まれた家にいるような快適さの両方を手に入れたようです。
エミリー「節約することの大切さを教えてくれると同時に、見知らぬ人々と知り合える喜びを私に与えてくれたこと、そのことがとてもありがたいわ。」
レポーター : 時代に縛られない、新たな経済社会の姿を、 分かち合いながら創造して行く人々。
クレイグ・メルビン、NBCニュース、メリーランド州シルバースプリングから。
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なんとなく惹かれるものがあって訳したニュースが、とてもいい話だった、という事がありますが、これなどもその典型です。
アメリカでは数年前に始まった住宅ローン問題の負の側面ばかりが、日本のニュースで伝えられてきました。
しかし、人々は今、自分たちが考え出した、地味ではあっても何通りものメリットがあるやり方で、厳しい時代を乗り越えていこうとしています。
大量消費社会を作り出したアメリカ人が、自らその構造を作り変える取り組みを始め、アメリカ最大の視聴者数を誇る『民放』のニュース番組がそれを取り上げています。
[airbnb]というサイト、私もちらっと覗きましたが、世界中の都市にあるんですね。
ショートステイ、って、これなんでしょうか?