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またも国民の安全を、健康を、暮らしを、危険にさらす日本政府[ガーディアン]

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所要時間 約 8分

【 原発の段階的廃止計画・捨ててしまった日本 】
経済界の圧力により、国民との合意を廃棄

ジャスティン・マッカリー / ザ・ガーディアン(英国)9月19日


日本政府は財界の圧力を受け、閣僚間の合意により、数日前に内閣の委嘱を受けた委員会が提出した、2040年までに原子力発電を廃止するという方針を実質的に放棄してしまいました。

18日火曜日、野田内閣は前週の金曜日に提出された原子力発電の段階的廃止ブランに漠然とした支持を表明しただけで、2030年代(2040年まで)に原子力発電を廃止するための、あらゆる具体的プランを放棄しました。

枝野経済産業大臣は、2030年代(2040年まで)の廃止を不可能としたことを認めました。
「2030年代(2040年まで)の廃止は、政策決定者が決めたからと言って達成できるものではありません。」
「電力利用者の意思、技術の進歩、そして今後10年ないし20年間の世界の電力事情によって決まるものなのです。」

財界・産業界の指導者が、原油と天然ガスの輸入コストの増大により、企業はその活動拠点を海外に移転せざるを得ない、という圧力を政府にかけた結果、この方針転換が行われました。


内閣が捨てた原子力発電の廃止案は、2カ月間にわたって行われた将来のエネルギー政策に関する国民の意見聴取会において、原子力発電所は全廃すべきであるとする意見が、一部廃止や現状維持の意見をはるかに上回った結果、政府がまとめたものでした。
内閣はこの案を捨てる一方、「参考程度に」はとどめ置き、今度は国民一般、原子力産業界、実業界、そして原子力発電に経済を依存する自治体の見解を取りまとめた上で、今後の方針を決定すると語りました。

2011年3月の福島第一原発の事故で3基の原子炉がメルトダウンを引き起こし、これまでの日本の原子力政策に対する信頼を大きくゆるがせた結果、この度のエネルギー政策の見直しは行われました。

岡田克也副首相は2040年の最終期限を捨てたことイコール原子力発電の廃止路線を捨てたことにはならない、と語りました。

「我々は2030年代に原子力発電所がゼロになるよう努力を行うとは言いましたが、期限内に原子力発電所をゼロにするとは言っていません。」
岡田副首相は一群のヨーロッパのジャーナリストに話しました。
一方で彼は段階的な原子力発電の廃止が、「大多数の日本人の願望」であると認めました。

8月に公表されたデータは、前述の公聴会において集められた意見の中、日本国民の実に90%が原子力発電の廃止を支持していることを明らかにしました。
将来の発電手段の中に原子力発電を残すべきであるとする意見は、わずか4%でした。


これに対し岡田副首相は、原子力発電を停めて石油・天然ガスに発電手段を切り替えた場合の増大するエネルギーコスト、そとて気候変動に対する日本が果たすべき役割についても、政府は考慮しなけければならないのだと語りました。

日本は1990年と比較し、20%温室効果ガスを削減し、エネルギーの効率化により10%のエネルギー資源節約を行うことになっています。
同時にこの計画では将来再生可能エネルギーと、化石燃料の持続可能な利用による発電割合を30%にまで高めることを求めています。

昨年3月、福島第一原発がこの四半世紀の中で世界最悪の原発事故を起こし、2基を除く日本国内のすべての原子炉が点検のため停止中です。

一方で今回、日本政府は建設中の2か所の原子力発電所の工事再開を承認しました。
原子炉の寿命を40年とする規定が適用されれば、この工事再開により日本では2050年になっても原子力発電所が稼働していることになります。


日本は福島第一原発の事故以前、発電量の30%を原子力発電に依存していましたが、それを2030年までに50%に拡大させる計画を持っていました。

19日には新たに原子力規制委員会が発足しましたが、その委員の大半が福島第一原発の事故原因を作り出した日本の原子力ムラ出身者で占められており、他脱原発運動を展開する人々から避難されています。
グリーンピース・ジャパンの鈴木かずえさんは、以下のように指摘しました。
これまでの原子力行政に深く関与してきた人間を委員として指名したことにより、
「日本政府は、再び信用してはならない原子力規制機関を作り出したことにより、またもや国民の健康と安全、そして日本の経済を危険にさらしてしまったのです。」

http://www.guardian.co.uk/world/2012/sep/19/japan-2040-nuclear-power-exit?INTCMP=SRCH
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これ程に各国各紙の同内容の報道を掲載するのは、日本の一人でも多くの方に、真実を知っていただきたいからです。
今回の日本政府の原子力発電の段階的廃止の『見送り』について、日本のマスコミの報道を見ていると「当面の間、決定を見送った」と誤解してしまう恐れがあります。

それは違います。

真実は、昨日までご紹介したニューヨークタイムズやFOXニュース、そして今日のザ・ガーディアンの記事にあるように、『実質的に放棄してしまった』のです。
この『事実』を一人でも多くの方に、きちんと認識していただきたい、その一心で掲載を継続しています。

それにしても、ドイツ・メルケル首相の『2022年までの全原発の廃止』が如何に英断だったかが、今さらながら身につまされます。
ドイツにも『実業界』は厳然として存在するはずなのですが、国そのものの安全という問題に対し、経済界だけの意見を通すわけにはいかないという『矜持』がそこにはありました。

ひるがえって私たちの日本。
枝野経済産業大臣は、原子力発電所の新規計画・着工すら「その判断は地元に任せる」旨の発言を行いました。
これは裏返せば、原子力発電所の建設予定地がある自治体に対し、「新規建設を強行に要求しなさい」と言っているようなものだと思います。
さらには記事中の
『今度は国民一般、原子力産業界、実業界、そして原子力発電に経済を依存する自治体の見解を取りまとめた上で、今後の方針を決定する』
というくだりですが、もし多数決を以下の形で行ったら、どうなるでしょうか?

国民一般 : 1票
原子力産業界 : 1票
実業界 : 1票
原子力発電に経済を依存する自治体 : 1票

「はい、3対1で、原子力発電の推進が支持されました」

「まさか…」とお思いでしょうか?
日本の人々はすでにもう何度も、その「まさか…」という煮え湯を飲まされている、私はそう思うのですが…

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【 回る回る、酔いも回る - 『オクトーバーフェスト開幕』】

アメリカNBCニュース 9月23日
(写真をクリックして、大きな画像をご覧ください)


9月23日、ドイツ・バイエルン地方にて




 

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